2025.03.14
《2024-25年調査》 キャラクター、タレント・有名人、YouTuber、VTuberの好意度を比較する|マンガキャラクター活用の極意【第二部】
2025年3月8日、まだ雪深い勝山市に出向いて、福井県立恐竜博物館に行ってきました。
往復で使った新感覚XRバス「WOW RIDE いこっさ!福井号」が仕掛け満載で、今井翼さんや温水洋一さん、ジュラチックたちが登場し、今回同行した中高年男性4名でも楽しめました。
また新館のシンボルモニュメント「恐竜の塔」には、福井県で見つかった実物大の恐竜5体と鳥1羽が鎮座していて圧巻でした。ちょうどこの日から特別展の「ポケモン化石博物館」も始まり、ファミリーで賑わっていました。こちらは5月25日までの開催です。
2025年3月8日 いこっさ!福井号と福井県勝山市・恐竜博物館(筆者撮影)
前回は、2024-25年キャラクター定量調査速報第二弾として、マンガ、テレビアニメ、劇場アニメ、ネット動画への好意度について、以下の内容をご紹介しました。
- マンガ全般への好意度は女子ティーンが最も高い
- テレビアニメ全般への好意度は男子ティーンが最も高い
- アニメ映画全般への好意度は女子ティーンが最も高い
- ネット配信キャラ動画・アニメ視聴者は男子ティーンが最も多い
今回は、広告・プロモーションのエンドーサー(宣伝役)としてのキャラクター、タレント・有名人、YouTuber、VTuberへの好意度を比較した結果を紹介します。なお、この調査は筆者が企画・分析を行い、実査部分を「楽天インサイト」に委託して2024年2月16日(金)~20日(火)に実施しました。調査に関するお問い合わせは、SNSへのDMなどで直接筆者までお願いいたします。
キャラクターへの好意度は女子キッズ・ティーンが特に高い
まずは「キャラクター全般」への好意度です。
「キャラクターが好きなほうである」の質問に対し、「かなり当てはまる」+「まあ当てはまる」と答えた人は、男女3-74歳全体の55.8%です(図表1)。
図表1. キャラクター全般への好意度(2024年12月)
過去10年間で時系列比較すると、2020年以降はほぼ同じ約55%で推移しています。
性・年齢別にみると、女子園児・小学生が80.0%、女子中学生-19歳が79.1%で特に高く、男子園児・小学生(72.5%)、女20-34歳(68.9%)、男子中学生-19歳(67.5%)、男20-34歳(60.0%)と続きます。どの年代でも、女性が男性を上回るスコアとなっています。
タレント・有名人全般への好意度は女子ティーンが最も高い
今回新たに設けた「タレント・有名人が好きなほうである」の質問に対しては、「かなり当てはまる」+「まあ当てはまる」と答えた人は、男女3-74歳全体の35.0%です(図表2)。
図表2. タレント・有名人全般への好意度(2024年12月)
性・年齢別にみると、女子中学生-19歳が55.8%で最も高く、女20-34歳(42.9%)、男20-34歳(40.6%)、男子中学生-19歳(38.8%)と続き、男女とも園児・小学生と50-74歳で低くなっています。
YouTuber全般への好意度は男子ティーンが突出
こちらも今回新たに設けた「YouTuberが好きなほうである」の質問に対し、「かなり当てはまる」+「まあ当てはまる」と答えた人は、男女3-74歳全体の44.0%です(図表3)。対象者全体の男女3-74歳でタレント・有名人を上回っています。
図表3. YouTuber全般への好意度(2024年12月)
性・年齢別にみると、男子中学生-19歳が76.3%で突出して高く、女子中学生-19歳(62.8%)、男子園児・小学生(58.3%)、女子園児・小学生(49.2%)、男20-34歳(44.5%)、女20-34歳(42.9%)と続きます。
男子は園児・小学生でも6割近いスコアになっていることや、男50-74歳でキャラクターやタレントを大きく上回っていることに驚きました。
VTuber全般への好意度は全体的に低く、男女ティーンのみ高め
さらに「VTuberが好きなほうである」の質問に対し、「かなり当てはまる」+「まあ当てはまる」と答えた人は男女3-74歳全体の12.4%で、YouTuberと比べて約30ポイント低くなっています(図表4)。
図表4. VTuber全般への好意度(2024年12月)
ジェフリー・ムーア氏が提唱した「キャズム理論」の16%に未だ達しておらず、支持者がイノベーターとアーリーアダプターのみで、市場に製品を普及させる際に超えるべき障害を乗り越えられていないことがわかります。
性・年齢別にみると、男子中学生-19歳が32.5%、女子中学生-19歳が31.4%で特に高く、男20-34歳(19.4%)、男35-49歳(13.3%)、女20-34歳(11.2%)も比較的高いものの、他の年代では1割未満にとどまっています。
男性ファンの比率が最も高いのはVTuber、次いでYouTuber
キャラクター、タレント・有名人、YouTuber、VTuber各ファン(「○○が好きなほうである」との質問に「かなり当てはまる」+「まあ当てはまる」と回答した人)の性年齢構成を、図表5で比較しました。
図表5. キャラクター、タレント・有名人、YouTuber、VTuber各ファンの性年齢構成比較
ここから、以下のことがわかりました。
- キャラクターファン → 20-34歳と園児・小学生が多く(特に女性)、50-74歳が少ない。
- タレント・有名人ファン → 20-34歳(特に女性)と女子中学生-19歳が多く、男子園児・小学生と男50-74歳が少ない。
- YouTuberファン → 園児・小学生と中学生-19歳が多く(特に男性)、女50-74歳が少ない。
- VTuberファン → 中学生-19歳と男20-34歳が多い一方、園児・小学生と50-74歳、女35-49歳が少ない。
キャラクターファンとの重複が最も多いのはYouTuberファン、次いでタレント・有名人ファン
最後に、調査対象者計1,250人について、キャラクター、タレント・有名人、YouTuber、VTuber各ファンの重複状況をまとめてみました(図表6)。
図表6. キャラクター、タレント・有名人、YouTuber、VTuber各ファンの重複状況(男女3-74才全体)
キャラクターとタレントとYouTuberとVTuberが全て好きな人(①)は6.3%という結果です。
キャラクターとYouTuberは好きだがタレントとVTuberは好きでない人(②)は12.2%、キャラクターとタレントとYouTuberは好きだがVTuberは好きでない人(③)は10.9%、キャラクターとタレントは好きだがYouTuberとVTuberは好きでない人(④)は7.9%でした。
キャラクターファンとの重複が最も多いのはYouTuberファン、次いでタレント・有名人ファンです。
VTuberのみ好きな人(⑤)はわずか0.5%で、VTuberファン12.4%の約半分はキャラクター、タレント・有名人、YouTuber全てのファン(6.3%)でもあることがわかります。
今回は以上です。
次回は、2024-25年キャラクター定量調査から、広告・プロモーションのエンドーサー(宣伝役)としてのタレント・有名人、YouTuber、VTuberの純粋想起による好意度ランキングと、タイプ別内訳を紹介します。どうぞお楽しみに。
<第2部 バックナンバー>
第33回:《2024-25年調査》 マンガ・テレビアニメ・劇場アニメ・ネット動画に関するユーザーの意識はどう変わったか
第32回:《2024-25年調査》 キャラクターの最新人気ランキング
第31回:スマホの普及で生活者とキャラクターとの接点はどう変化したか
第30回:タレント・キャラクター・YouTuber・Vtuberの「Z世代向けエンドーサー(宣伝マン)」としての可能性を分析する(4)
第29回:タレント・キャラクター・YouTuber・Vtuberの「Z世代向けエンドーサー(宣伝マン)」としての可能性を分析する(3)
第28回:タレント・キャラクター・YouTuber・Vtuberの「Z世代向けエンドーサー(宣伝マン)」としての可能性を分析する(2)
第27回:タレント・キャラクター・YouTuber・Vtuberの「Z世代向けエンドーサー(宣伝マン)」としての可能性を分析する
第26回:《2024年調査》キャラクター・YouTuber・Vtuberのエンドーサー(宣伝マン)としての可能性を分析する
第25回:《2024年調査》 YouTuber・VTuberファンの、マンガ・アニメ・キャラクターへの反応を分析する
第24回:《2024年調査》 タレントタイプ別ファンの、マンガ・アニメ・キャラクターへの反応を分析する
第23回:《2024年調査》 各キャラクターの支持層から、どのような反応が期待できるかを分析する
第22回:《2024年調査》 キャラクターの最新人気ランキングとその支持層
第21回:コロナ禍の前後で、キャラクター関連への「好意度」はどう変化したか
第20回:コロナ禍の前後で、キャラクター関連への接触はどう変化したか
第19回:地域によって異なる? キャラクターやマンガへの好意度と関連行動(3)
第18回:地域によって異なる? キャラクターやマンガへの好意度と関連行動(2)
第17回:地域によって異なる? キャラクターやマンガへの好意度と関連行動(1)
第16回:調査で解明する、エンドーサー(宣伝マン)としてのキャラクターの可能性(3)
第15回:調査で解明する、エンドーサー(宣伝マン)としてのキャラクターの可能性(2)
第14回:調査で解明する、エンドーサー(宣伝マン)としてのキャラクターの可能性(1)
第13回:純粋想起による2023年の好意度ランキング(ご当地キャラ&タレント・有名人&Vtuber編)
第12回:純粋想起による2023年の好意度ランキング(キャラクター全般&企業キャラ編)
第11回:さまざまなタイプのキャラクターファンが、どのようなプロフィールを持つのか分析する(3)
第10回:さまざまなタイプのキャラクターファンが、どのようなプロフィールを持つのか分析する(2)
第9回:さまざまなタイプのキャラクターファンが、どのようなプロフィールを持つのか分析する(1)
第8回:2023年トレンド予測・キャラクター活用は5つの流れで進む
第7回:拡がるVtuberの活動領域とその実像を分析する(前編)
第6回:拡がるVtuberの活動領域とその実像を分析する(前編)
第5回:Z世代のマンガ原作コンテンツへの支持傾向と消費行動(後編)
第4回:Z世代のマンガ原作コンテンツへの支持傾向と消費行動(中編)
第3回:Z世代のマンガ原作コンテンツへの支持傾向と消費行動(前編)
第2回:ティーン・ヤング層に人気のマンガは、ターゲットにどんな体験を提供するか
第1回:男子ティーン・ヤング中心に人気のマンガコンテンツ。女子ティーンからコアな支持を集める作品も
<第1部 バックナンバー>
第1部 連載記事一覧
野澤 智行(のざわ ともゆき)
栃木県宇都宮市出身。1987年千葉大学文学部卒業、(株)ビデオリサーチ入社。98年旭通信社(現ADKグループ)入社、研究開発部門、マーケティング部門で広告効果やブランディングの研究、企業のマーケティング・プロモーション支援を、キャラクター総研リーダーとしてアニメコンテンツの戦略支援、キャラクターに関する開発・活用提案を行う。2013年に日本百貨店協会主催「ご当地キャラ総選挙」実行委員として、企画立案およびキャンペーン・イベント総指揮を担当。デジタルハリウッド大学院で客員教授を、駒澤大学や福井工業大学で講師を務め、法政大学経営大学院でMBAを取得して、キャラクターやアニメコンテンツに関する企画提案・分析業務でも活動中。2022年4月からは、福井工業大学の環境情報学部経営情報学科でマーケティングやメディア論の教授として着任。