2021.03.31

共感を生み出す「読者コミュニティ」の有用性【後編】──読者と深くつながる〔ミモレ編集室〕のポテンシャル

出版社メディアの強みは読者コミュニティを起点とした、ユーザーとのエンゲージメントとの高さにあります。ミドルエイジの女性たちの共感を集めるウェブメディア『mi-mollet(ミモレ)』の編集長・川良咲子に、「読者コミュニティの有用性、活用事例」について、聞きました。【後編】

熱量の高い読者コミュニティによって、"つながり"を強化

──有料の読者コミュニティ〔ミモレ編集室〕には熱量の高い読者が集まり、『mi-mollet』との"つながり"をさらに強化していると聞きます。誕生の経緯や活動概要について教えてください。

川良 『mi-mollet』5周年を迎えるにあたり、読者のみなさまに何か新しいサービスを始めたいという思いから、昨年4月に有料課金コミュニティ〔ミモレ編集室〕を開設しました。

月額5000円ながら「好きを伝え、つなぎ、つながる」のコンセプトに共感した約160人のメンバーが集結。日本全国はもとより、海外からもたくさんの会員が集まり、家庭でも職場でもない、「サードプレイス」として、メンバーと交流を重ねながら、「編集会議」「編集・ライティング講座」「部活動」などに参加し、「好きの深め方・伝え方」について学んでいます。

「編集・ライティング講座」は『mi-mollet』で実際に活躍しているライターやカメンラマン、編集者が講師としてメンバーに実践的なライティング・撮影・編集ノウハウを教えています。

これは、一般的な「上手い文章の書き方」という類の講座ではありません。たとえば、「"好き"を伝える時にいちばん気をつけなくてはいけないのは、誰も傷つけないことです。Aを褒めるためにBを貶めるのではなく、Aのよさを素直に伝えましょう」というように、実際の記事制作に応用できる、実践的な内容になっています。

(中央)オンライン開催された〔ミモレ編集室〕の編集・ライティング講座の様子

こうして〔ミモレ編集室〕を通して、メンバー同士が刺激し合った結果、1年間で〔ミモレ編集室〕から4人のブロガーやライター、イラストレーターが誕生しました。

──熱量の高いファンが集まっているコミュニティ〔ミモレ編集室〕を活かした、コンテンツはあるのでしょうか。

川良 〔ミモレ編集室〕のメンバーによるブログ記事では、筆力の高い10〜20名がコラボ商品について執筆していて、メンバーブログはすでに500本に到達しています。それぞれのメンバーが読者目線でつづるブログは好評で、ブログを通じて、読者同士のつながりも深まっている印象を受けています。

〔ミモレ編集室〕のメンバーブログ

特によく読まれているのは「〔ミモレ編集室〕コスメお試し隊! 話題のコスメ、これ買いです」という連載です。

〔ミモレ編集室〕のメンバーが実際にコスメを試し、写真も自分で撮影して記事化しています。リアルな共感力と編集室で培った文章力で、公開されると必ず人気記事ランキング入りする人気連載となっています。

連載「〔ミモレ編集室〕コスメお試し隊! 話題のコスメ、これ買いです」

さらに最近では、〔ミモレ編集室〕による新商品の開発やコラボ企画など、企業との新しい取り組みも生まれており、4月には第1弾として、〔ミモレ編集室〕で開発したマスクが発売されます。

今後さらに、〔ミモレ編集室〕の熱量を、さまざまな形で拡張していけたらと思っています。

心を動かしモノを動かす読者コミュニティ『mi-mollet』

──タイアップでは高CTRを実現するなど、読者の心を動かす『mi-mollet』。読者と近い距離でいるために、大切にしていることがあれば、教えてください。

川良 『mi-mollet』では、女性がおしゃれや化粧品にお金や時間を使うのは決して見栄や体裁ではなく、年齢にとらわれずに自分をずっと好きでいるために必要な投資だと言い続けてきました。

身体や肌の変化はもちろん、仕事でも年齢とともに責任感や周囲の評価は変わってきます。ファッションも美容も仕事も、ちょっとずつアップデートしていくことが、自己肯定感を持ち続けるためにはとても重要です。

また、大草直子さんが編集長だった頃から、自分が何を持っているかいないか、人と比べて自分を責めないように」「自分が好きだと思うこと、幸せだと思うことにフォーカスし、他人軸ではなく自分軸で生きましょう」という発信を続けてきたことが、読者の共感と信頼につながり、頻繁にサイトを訪れてくれる読者が増え、「コミュニティ」として成長できた理由のひとつだと感じています。

──最後に。『mi-mollet』と〔ミモレ編集室〕の今後の展望について聞かせください。

川良 昨年9月に発売した「大草直子監修・ミモレ5周年特装ボックス」(定価8万円)と10月に発売した「福田麻琴監修・ホリデーボックス」(定価5万8000円)はどちらもすぐに完売するほど人気を博しました。

100名限定の8万円の特装ボックスには、300名を超える応募があった

こうしたスペシャルパッケージは1年に数回ですが、今年はスペシャルボックスに限らず、ピアスとイヤリング、アウターなどの単品販売等も予定しています。商品の販売に関しては、受注販売という形でオンラインショップ「ミモレスタイル」内で購入できるようにしたいと思っています。

そして〔ミモレ編集室〕については、オンラインサロンのように感じる方もいるかもしれませんが、私たちは『mi-mollet』の価値観を一緒に発信してくれる頼もしいサポーターであり、重要な戦力であると考えています。

なぜなら、メディアは、読者とともに価値観を育て広めていくものだからです。そのつながりを今後、さらに深くしていくことで、社会や企業の抱えるさまざまな課題の解決にも寄与できたらと思っています。

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