2019.11.22

文学×マンガの話題作『月に吠えらんねえ』の世界を探る 清家雪子展

マンガ家・清家雪子さんの詩歌俳句ファンタジー『月に吠えらんねえ』の世界観を探る企画展が、11月27日(水)から、中原中也記念館(山口県)で開催されます。中原中也をモチーフとしたキャラクター「チューヤくん」を中心に、文学表現と清家さん独自の作品世界とのかかわりを紹介します。


清家雪子展は、近代詩人・中原中也の生家跡に建つ「中原中也記念館」(山口県)の開館25周年記念展として行われる企画展です。

同記念展は「文学表現の可能性」をテーマに、前期・後期で違う企画展が開催されています。前期(2019年9月26日~11月24日)は「ムットーニからくり文学館」として、中原中也の詩を題材とした新作を中心に、文学をモチーフとしたからくり展が開催されました。後期(2019年11月27日〜2020年4月12日)となる本展示会では、「清家雪子展──『月に吠えらんねえ』の世界」と題し、マンガ家・清家雪子さんとその作品『月に吠えらんねえ』が取り上げられます。

『月に吠えらんねえ』は、講談社「アフタヌーン」2013年11月号から連載が開始され、2019年9月号で完結したばかりの作品です。
実在した詩人の自伝ではなく、萩原朔太郎や北原白秋など、日本の近代詩人たちの作品から受けた印象から作者像をイメージした、まったく新しい、いわば真の二次創作ともいえる手法で創作された、詩人と近代日本の物語です。

作品世界をイメージ化したキャラクターを中心に、作品自体や文学史上のできごとなどを融合した『月に吠えらんねえ』は、歴史好きや文学好きの読者を中心に人気を博し、第20回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞を受賞するなど、高い評価を得ています。

日本の近代詩人たちが住むという設定の架空の街・□(シカク:詩歌句)街を中心的な舞台として、萩原朔太郎、北原白秋、三好達治、室生犀星、中原中也など、それぞれの詩人の作品世界をイメージ化したキャラクターを登場させ、作品自体や文学史上の出来事などが融合された世界が繰り広げられる、狂気と知性と業のこの物語は、『秒速5センチメートル』『まじめな時間』で高い評価を得た清家雪子さんのこれまでのイメージを一新する作品としても注目を集めています。

会期中は、数々のたくらみに満ちた『月に吠えらんねえ』の世界を参加者と一緒に読み解く『月に吠えらんねえ ファントーク』の開催(予約終了)や、チューヤくん、朔くんらと一緒に記念撮影ができるフォトスポットも登場。山口市内にある図書館の参加店舗では、中也を含む登場人物たちの書籍が読めるほか、参加店舗で配布するオリジナルの栞を持って記念館に入館すると、限定ポストカードがもらえるなど、展示会以外でも「月吠」の世界が楽しめます。

【概要】
■会場:中原中也記念館
■住所:山口県山口市湯田温泉1-11-21
■日程:2019年11月27日(水)~2020年4月12日(日)
■開催時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
■参加費:
【一般】 330円 【大学・高校専門学校の学生】220円 
※18歳以下、70歳以上無料(要証明書)
■休館日:毎週月曜日(祝日の場合は翌日)、毎週最終火曜日、12/29~1/3、2/12・13
■主催:公益財団法人山口市文化振興財団 中原中也記念館
■公式HP:http://www.chuyakan.jp/

詳細は、中原中也記念館公式サイトでご確認ください。

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