SNSを起点とした「投稿コンテスト」は、ユーザーを巻き込む構造のため、話題を創出しやすい施策です。しかしコンテストの運営は、決して楽とは言えません。「ぜひその課題解決に、出版社のチカラを活用してほしい」と、講談社の投稿サイト3種を運営する、第四事業局 クリエイターズラボ 川野邊(かわのべ)周平は語ります。その理由とは。
「DAYS NEO」をはじめ、3種の投稿サイトを運営する、講談社 第四事業局 クリエイターズラボ 川野邊 周平
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2段階で盛り上がりを生み出せる「投稿コンテスト」
──コロナ禍のなかで、SNS起点のユーザー参加型のキャンペーンを見かける頻度が増えたように感じます。その背景をどう分析していますか?
川野邊 コロナによって、「リアルで人が集まる」ことにハードルが生まれてしまいました。そのため、自然とユーザーとオンラインでつながる動きが加速しましたよね。
ですが、通常のSNSの投稿は一方通行で、なかなかユーザーを巻き込むことはできません。そこでハッシュタグを絡めたキャンペーンや、投稿コンテストのニーズが高まったのではないでしょうか。
特に投稿コンテストの場合には、「募集」と「発表」の2段階で盛り上がりを作れるというのは、大きなメリットと言えます。
──メリットはあるものの、「投稿コンテストは手間だ」と考える企業の方もいるのではないでしょうか?
川野邊 そうですね。投稿コンテスト形式にすると、通常のSNS起点のキャンペーンにはない、さまざま工程が存在します。
まず、作品を「募集」する以上は、作品をアップロードできる専用ページが必要です。そして作品を募集したあとは<審査>が必要ですが、それを誰が行うのか。そうした課題解決の選択肢として、既存のプラットフォームと組むことで、運営はぐっと楽になると思います。
講談社でも、投稿コンテストの支援メニューをご用意しているので、ぜひ知ってもらえたらうれしいですね。
投稿コンテストに、総合出版社を活用する3つのメリット
──講談社だけでなく、さまざまな企業が投稿コンテストの運営支援を行っています。そのなかで、総合出版社と組むメリットとは、どのようなものなのでしょうか?
川野邊 大きく3つあると考えています。
1つめは、既存のプラットフォームの機能を活用できるため、画像やテキストの投稿・管理が容易であること。また募集ページも既存のプラットフォームを利用できるため、スピーディーに施策を実施可能です。
2つめは、講談社だからこそできる「質」の担保です。
総合出版社である講談社には、さまざまな分野の編集者が多数在籍しています。彼らが審査員を務めることで、コンテストの「格」、そして作品選定における「質」を担保できると考えています。
なお、講談社の投稿サイトでは、実際に講談社の編集者が作品を審査し、クリエイターの投稿から連載作品も生まれています。
3つめは、講談社が運営する媒体を投稿コンテストのプラットフォームとしてご活用いただくことで、コンテストの「企画立案」から「情報発信」までお手伝いできると考えています。
たとえば、講談社が発行・運営しているメディアや、マンガキャラクターとのコラボレーションによる話題創出など、さまざまな可能性がそこにはあります。
講談社の投稿サイト「DAYS NEO」では、『金田一少年の事件簿』シリーズとのコラボコンテストも開催
プラットフォームに活用できる講談社の投稿サイト3種
──講談社で「投稿コンテスト」のプラットフォームと使えるのは、「DAYS NEO(デイズネオ)」、「ILLUST DAYS(イラストデイズ)」、「NOVEL DAYS(ノベルデイズ)」の3種ですよね。
川野邊 はい。「DAYS NEO」は、将来プロのマンガ家として活躍を目指すクリエイターとマンガ編集者をマッチングさせるマンガ投稿サイトです。連載を目指すクリエイターと、新しい才能を探す編集者が、お互いの作品・経歴を明らかにして出会う場を提供しています。現在は、6社横断で31誌、約350人の編集者が参加しています。
マンガ投稿サイト「DAYS NEO」のスマホ画面
2018年のローンチ以降、「DAYS NEO」には約2万作品の応募があり、そのうち担当の編集者が決定した(マッチングした)作品は約1600組、さらに65作品の連載が決定しています。
多種多様な作風・ジャンルの作品が「DAYS NEO」から生まれている
「ILLUST DAYS」はイラストの投稿サイト。「NOVEL DAYS」は文章の投稿サイトです。画像やテキストを自由に投稿することができるほか、ユーザー同士が交流できる機能もあります。
「DAYS NEO」に比べるとプロ志向というよりも、楽しく創作したいという趣味性の強いユーザーたちが集まるコミュニティになっています。
現在、3つの投稿サイト合算で約3万5千人のクリエイターが登録しており、企業とのコラボコンテストを実施する場合は、彼らにメールで案内することも可能です。
講談社×企業の投稿コンテスト事例
──それぞれのサイトで企業や自治体とコラボレーションしたコンテスト事例を教えてください。
川野邊 複数ありますが、地方自治体、玩具メーカー、ラジオ局とコラボレーションした事例をそれぞれ簡単にご紹介します。
事例1:石川県×「ILLUST DAYS」
石川県さんと「ILLUST DAYS」がコラボレーションした「いしかわデイズ」は、同県と講談社が共同で開催したイラストコンテストです。北陸新幹線の敦賀開通を記念したPR活動をしたいというご要望から実施されました。
受賞者には賞金・商品の授与に加え、投稿作品を県内のPRポスターとして採用。質の高い作品が多数寄せられ、コンテストを通じて、認知向上と、PR活動そのものにも寄与しました。
「いしかわデイズ」のコンテスト大賞(左1作品)と優秀賞の3作品
事例2:タカラトミー「黒ひげ危機一発」×「テレビマガジン」×「DAYS NEO」
子どもに向けて、わかりやすく「黒ひげ危機一発」の魅力を届けたいというタカラトミーさんのご要望に対し、児童向けのヒーロー雑誌「テレビマガジン」編集部と「DAYS NEO」が同社とコラボレーション。4コママンガ連載コンペ(コンテスト)を実施しました。
コンテスト形式ということで、さまざまなアイデアを比較検討できたほか、「テレビマガジン」の読者である子どもたちにも広く情報を届けることができ、大変ご満足いただけました。
大賞に選ばれた、吉山みかんさんの作品
事例3:J-WAVE「SPARK」×「NOVEL DAYS」
J-WAVEの人気ラジオ番組「SPARK」と「NOVEL DAYS」が共同で実施した「深夜の"ほっこりショート"コンテスト」。月曜ナビゲーターの山本彩さんの人気もあって、非常にたくさんの応募が集まりました。
選考は講談社の編集者とSPARK番組ディレクター、月曜ナビゲーターの山本彩さんが実施。受賞作品は番組内で山本彩さんが朗読し、作者紹介も行いました。この企画は大変好評で第2弾も実施されました。
講談社の「コンテンツ力」は、投稿コンテストにも活きる
──人気マンガとコラボレーションした投稿コンテストなどは、SNSとの親和性も高そうですね。
川野邊 まさに講談社の強みとは、コンテンツメーカーであることですから、ぜひプラットフォームとしてのご活用だけでなく、幅広い視点でご検討いただけたらうれしいですね。
たとえば、『クッキングパパ』と食品メーカーがコラボレーションした、食マンガの投稿コンテストなどもアイデアとしてはあるでしょう。講談社のマンガIPのほかにも、事例にもあった講談社メディアとのコラボレーションは、施策効果を最大化できるフックになりえると考えています。
まずは「こんなコンテストをやりたい」というご要望やお問い合わせをいただければ、こちらから、さまざまなご提案が可能です。
ぜひ、講談社とクリエイターの力で、みなさまの想いを魅力的に届けるお手伝いをさせていただけたらうれしいです。お気軽にご相談ください。