2021.10.29

あらためて、Web広告とは? 広告の種類やメリット、費用と課金方式まで解説

ネットにおけるユーザーとのコミュニケーション手段の拡大にともない、Web広告も多様化が進んでいます。はじめてWeb広告を使うとき、どんな種類があるのかわからず、混乱することが多いかもしれません。
そこで今回は、Web広告のしくみやメリットから、どんな種類の広告や課金方式があるのかまで、あらためて、ひと通り解説します。

Web広告とは

広告にはTV広告や新聞広告などさまざまなものがあります。そのなかでWeb広告とは、読んで字の通りWeb上で掲載される広告全般を指します。
国内のWeb広告費は、2019年には2兆円を超えて、TV広告費を抜きました。2020年も新型コロナの影響を受けつつも前年比105.6%と成長しました(出典:2020年 日本の広告費 電通 )。これは、多くの企業がWeb広告に予算を積極的に投じていることを示しています。

Web広告のメリット

多くの企業が利用しているWeb広告は、なぜこれほどまでに広がりを見せているのでしょうか。その大きな理由は、Web広告には他の広告にないメリットがあるからです。ここでは代表的なメリットを3つ解説します。

●細かいターゲティングができる

Web広告は、広告を出稿するときに「誰に広告を見せるか」を設定することができます。不特定多数に広告を見せるよりも、広告を見せる対象を絞り込む(ターゲティング)ことで、ムダに費用をかけず、効率的に広告を出稿できます。地域や言語、性別だけでなく、興味関心などの情報をもとにターゲティングができるのはWeb広告の大きなメリットです。

●低予算から広告を出稿できる

Web広告は、他の広告と比較して低予算でも出稿ができることも大きな特徴です。成果につながるかは別の話ですが、たとえばGoogle広告は1円から出稿することもできます。さらにWeb広告は、広告費が発生する「課金方式」にさまざまなバリエーションがあります。たとえば、広告がクリックされたら費用が発生する「クリック課金型(CPC)」や、広告が表示されたら費用が発生する「インプレッション課金型(CPM)」などです。
少ない予算でも、自社の広告に最適な「課金方式」を選択することで、ムダを抑えて効率よく広告を出稿できます。

●広告の効果測定ができる

Web広告では、出稿した広告が表示された回数、クリックされた回数といったデータの集計が可能です。また広告で使う文言や画像を複数用意することで、それによる成果の違いを知ることもできます。ウェブサイトのアクセス解析ツールと組み合わせることで、広告経由でウェブサイトへ訪問した人の成約率を把握することなども可能です。効果測定によって広告の成果を知り、、さらなる改善や次の施策へとつなげることができるのです。

Web広告の種類

Web広告には多くの種類があり、その豊富な選択肢から施策やターゲットに適した広告が選べます。対象の製品サービスやキャンペーンなどに最適な広告を選ぶためにも、Web広告の種類と特徴をしっかり把握しておきたいものです。

リスティング広告

リスティング広告はGoogleやYahoo!などの検索エンジンの検索結果に掲載される広告で、検索結果画面の上部と下部にある広告スペースに掲載されます。
リスティング広告は「検索連動型広告」とも呼ばれ、出稿する際に広告を表示させたい検索キーワードを指定します。特定の検索キーワードで情報を探している、「ニーズが顕在化している人」に広告を見せたいときに適した広告です。

リスティング広告を出稿するには: Google広告、Yahoo!広告 など

ディスプレイ広告

ディスプレイ広告は、ウェブサイトの広告枠に掲載される画像やテキスト、動画などの広告です。ウェブメディアやブログなどに、画像や動画の広告を掲載すれば、テキストよりも視覚的なアプローチが可能です。
性別や年齢、過去のウェブサイト閲覧履歴などで、ターゲットを絞り込むこともできるので、潜在的なニーズに対するアプローチとして適しています。
ディスプレイ広告の出稿形態としては、アドネットワークと呼ばれる複数のウェブサイトの広告枠を集めた広告ネットワークに対する広告出稿や、DSPと呼ばれるアドネットワークやWEB広告の一元管理ツールを使った広告出稿などがあります。

ディスプレイ広告を出稿するには: Google広告、Yahoo!広告 など

リターゲティング広告

リターゲティング広告は、過去に自社のウェブサイトを訪問した人に対して表示する広告です。ウェブサイトの訪問履歴をもとに、メディアサイトなどに広告を掲載します。
自社のウェブサイトに訪問したが、コンバージョンに至らなかった人に対し、その人が見ているメディアサイトなどのウェブサイトで広告を見せることで、商品やサービスを思い出させ、再訪問や購入につなげることができます。

リターゲティング広告を出稿するには: Google広告、Yahoo!広告 など

アフィリエイト広告

アフィリエイト広告はアフィリエイターが運営するWEBサイトやブログに掲載する広告です。ユーザーがその広告を経由して、商品を買う、会員登録するなどの成果が発生した際にアフィリエイターに報酬が支払われる「成果報酬型」が中心となる広告です。
成果が発生したときにだけ報酬が発生するため、広告主にとっては費用対効果が高いメリットがある一方で、意図しないアフィリエイトサイトに広告が掲載されてしまったり、アフィリエイトサイトが法律に抵触するような宣伝をしてしまったりなど、トラブルが発生する可能性もある点には注意が必要です。

アフィリエイト広告を出稿するには: A8.net、ValueCommerceなどのアフィリエイト広告サービス(ASP)

純広告・バナー広告

純広告(バナー広告)とは、特定のウェブサイトやウェブメディアに用意されている広告枠を使って、広告を掲載する広告です。各ウェブサイトの運営会社と契約し、一定の期間や表示回数で広告を掲載してもらいます。リスティング広告やディスプレイ広告は、同じ掲載場所に掲載されなくなることがありますが、純広告の場合は期間中、固定またはローテーションで同じ場所に広告が掲載されます。
純広告は広告主が希望する特定のサイトへの掲載を前提とするため、広告の成果に関わらず費用がかかります。また、他の広告と比較して広告費も高く設定される場合が多くなります。

純広告を出稿するには: 出稿したいウェブサイトに問い合わせる

ネイティブ広告

ネイティブ広告は、ウェブサイトのコンテンツの中に、同じような外観で掲載される広告です。あからさまな広告ではなく、ウェブサイトに溶け込む見た目のため違和感が少なく、ユーザーに自然な形で認知してもらえるメリットがあります。
ネイティブ広告にはメデイアの記事一覧の中に挿入される「インフィード広告」や、「おすすめ記事」などのレコメンドコーナーに置かれる「レコメンドウィジェット広告」などの種類があります。

ネイティブ広告を出稿するには: Google広告、Yahoo!広告 など

記事広告

記事広告は、ウェブメディアに依頼をして、商品やサービスに関する記事を編集掲載してもらう広告で、「タイアップ広告」と呼ばれることもあります。
そのウェブメディアの編集部が書き手となったコンテンツとして配信されるため、他の広告よりも自然に、またファンである読者に対して強力に、かつ高い信頼性を持ってアプローチできる広告です。編集権の半分はメディア側にあるため、広告主の好きなように何でも表現できるわけではありません。メディアの特性をふまえて最適な記事を書いてもらうことが重要になります。

記事広告を出稿するには: 出稿したいウェブメディアに問い合わせる

リワード広告

リワード広告は、アフィリエイト広告の一種です。広告のリンク先のWebサイトで成果が発生すると媒体側に報酬が支払われることは同じですが、リワード広告は設定された行動をしたユーザーに対しても報酬が支払われます。
ウェブサイトやスマートフォンアプリに掲載されているリワード広告を通じて、アプリダウンロードやアンケート回答などの行動をしたユーザーに、ポイントを付与するなどの形式で報酬が支払われます。

リワード広告を出稿するには: LINE、アドネットワーク など

SNS広告

SNS広告は、Facebook、Instagram、Twitter、TikTok、Pinterest、LINEなどの「SNS」に掲載される広告です。それぞれのSNSでユーザーの特性やコンテンツの種類などに違いがありますので、広告の内容や目的に適したSNSを選択することが重要です。
SNS広告は、各SNSのユーザーのデータをもとに、細かくターゲティングができるのが最大の特徴ですが、各SNSのタイムラインに溶け込んで届けられ、動画やストーリー構成などのクリエイティブ形式が豊富であることからも活用が進んでいます。

SNS広告を出稿するには: Facebook、Instagram、Twitter、LINE、TikTok、Pinterest など

動画広告

YouTubeに代表されるのが動画広告です。YouTubeでは動画を再生した際に、動画の冒頭や途中で広告が再生されますが、近年ではさまざまなメディアサイトでも動画広告が再生されるケースが増えています。
FacebookやInstagram、TwitterなどのSNSでも動画広告を出稿できます。動画を使うことで、テキストや画像では伝えきれない情報を伝えたいときに有効です。動画広告はスキップされやすいため、スキップされない工夫が必要です。

動画広告を出稿するには: YouTube、Facebook、Instagram、Twitter、TikTok、Pinterest など

デジタル音声広告(オーディオアド)

デジタル音声広告とは、ポッドキャストや音楽配信サービスなどで流れる音声による広告です。近年ではポッドキャストやインターネットラジオを誰でも簡単に配信できるサービスが増えています。Spotifyを筆頭にAppleやAmazon、Googleなどもポッドキャストに注力をしており、注目度が高まっています。動画広告と比べてスキップされづらいのが特徴です。

デジタル音声広告を出稿するには: Spotify、radikoなどポッドキャスト配信をしている会社

Web広告の費用と課金方式

Web広告の費用となる課金方式には、さまざまな種類があります。同じタイプの広告であっても、その広告メニューによって異なる課金方式となることもあります。代表的なものを以下にご紹介しましょう。

クリック課金型(CPC) 

クリック課金型では、広告が1回クリックされるごとに費用が発生します。広告が掲載(表示)されただけでは費用が発生することはありません。

クリック課金型の広告: リスティング広告、ディスプレイ広告、リターゲティング広告、ネイティブ広告、SNS広告

インプレッション課金型(CPM)

インプレッション課金型では、広告が表示されるごとに費用が発生します。

インプレッション課金型の広告: ディスプレイ広告、リターゲティング広告、デジタル音声広告

エンゲージメント課金型(CPE)

エンゲージメント課金型は、「シェアをする」「フォローをする」などのユーザー行動が発生した場合に費用が発生する課金方式です。

エンゲージメント課金型の広告: SNS広告

成果報酬型(CPA)

成果報酬型では、商品の購入やサービスの契約など、設定をした「コンバージョン」が発生するたびに費用が発生します。

成果報酬型の広告: アフィリエイト広告、リワード広告

広告視聴単価型(CPV)

広告視聴単価型では、動画が再生されるごとに費用が発生します。YouTube広告の場合は、広告をクリックしたなどの行動以外に、動画が30秒間視聴されると1カウントとなります。30秒未満の広告の場合は、動画の最後まで視聴されると1カウントです。

広告視聴単価型の広告: YouTube広告、SNS広告

期間保証型(CPD)

期間保証型では、広告の掲載期間に対して費用が発生します。

期間保証型の広告: 純広告

ページビュー保証型

ベージビュー保証型では、決められたページビューに達成すると費用が発生します。

ページビュー保証型の広告: 記事広告

WEB広告とターゲティング

WEB広告で成果を出すには「ターゲティング」が重要です。リスティング広告やディスプレイ広告などさまざまなWEB広告がありますが、誰に広告を見せるべきなのか? というターゲティングを考えずに広告出稿をしても成果にはつながりません。
ターゲティング全般については「ターゲティングとは? マーケティングにおける重要性と適切な設定方法」で解説していますが、こと広告に関しては、近年強力なターゲティング機能を持った環境も整い始めています。
たとえば「OTAKAD」は、講談社が運営するメディアを横断し、強力なターゲティングによる広告配信ができる広告プラットフォームです。講談社の持つ膨大なデータとAI解析技術で、より精度の高いターゲティングと最適な場所への広告掲出を実現します。また広告の配信後は、ウェブサイト別、クリエイティブ別、デバイス別などさまざまな角度から検証できる詳細な分析レポートが確認できます。

まとめ

Web広告は、広告の種類も課金方式も多岐にわたるため、最初は混乱してしまうかもしれませんが、種類が多いからこそ、いろいろな場面で適した広告を選ぶことができると言えます。
どんなユーザーにどのような目的で広告を見せたいのかをよく考え、最も適したWeb広告や配信環境を選び、さらにその目的に合った課金方式を選ぶのがいいでしょう。たとえばコンバージョンが目的ならクリック課金型、とにかく多くの人に見てもらいたいのならインプレッション課金型、というような選択が考えられます。
最適な広告と課金方式を選んだ後は、細かくターゲティングをする、広告を開始したら効果測定のデータをもとに改善をする、という一連の活動で、費用を抑えながら成果を出すことを目指しましょう。

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