2020.12.11

「編集長ホンネトーク! withコロナ時代の読者コミュニケーションとは」──講談社メディア・カンファレンス 2.0 ライブレポート②

ライブ配信と事前収録を組み合わせたオンラインイベント「講談社メディアカンファレンス 2.0」。11月4日(水)の開催日、2番めのライブセッションで、『mi-mollet(ミモレ)』と『VOCE』の両編集長が、読者とのコミュニケーションやコミュニティの醸成に関する取り組みについて紹介しました。

(左)株式会社講談社 第二事業局 『VOCE』ウェブサイト 編集長 三好 さやか
(中)
同 第二事業局 『mi-mollet 』編集長 川良 咲子
(右)MC 杉浦 舞

ミドルエイジに愛される、5周年を迎えた『mi-mollet(ミモレ)

『mi-mollet』編集長 川良 咲子(以下、川良) ウェブオンリーのメディアとして誕生した『mi-mollet』は今年、5周年を迎えました。『mi-mollet』は、既婚・未婚、子どもや仕事の有無など、属性に関わらずに読んでいただけるミドルエイジ向けのデジタルメディアです。

先月10月には2300万PV(※)、490万UUを達成。ミドルエイジではナンバーワンのメディアになれたのではないかと思っています。
※その後、11月期に2500万PVを達成

『mi-mollet 』編集長 川良 咲子

『mi-mollet』にはコメント欄があります。日頃からいただいたコメントには編集者がほぼすべてお返事することで、読者と良好な信頼関係を構築しています。

2年前に、意識の高い読者向けに「ミモレ大学」を立ち上げ。キャリアや家庭でも人生の第二ステージに入っていく年代に向けたさまざまな講義や、年間100回を超えるオンラインとリアルのイベントなども毎年行ってきました。

読者の"愛の深さ"が『mi-mollet』の強み

加えて、ミモレの5周年事業のひとつとして、今年の4月に有料コミュニティ「ミモレ編集室」を開設いたしました。月額5000円と非常に高額な会費ですが、現在約140名のメンバーが活動をしています。

月1回のオンライン編集会議とオンライン編集ライティング講座のほかに、ファッション班、美容班、読み物班に分かれての活動や、インテリア部、エンタメ部などの部活動を行い、「職場でも家庭でもない生きる場所」として会員のみなさまのサードプレイスになっています。

『mi-mollet』ではサイトオープン時から、「紹介するとモノが売れる」と言われていました。モノが売れるのは、強く心を動かされるからです。これまでは、編集者が主導して読者の共感を呼ぶコンテンツを発信してきましたが、有料コミュニティ「ミモレ編集室」ができたことで、より販売につながる大きな共感の輪ができたと思っています。

このコミュニティを通して、共感メディア、コミュニケーションメディアとしての『mi-mollet』を、さらに発展させていきたいと思っております。

月刊誌、ウェブサイト、SNS、すべてまとめて『VOCE』

『VOCE』ウェブサイト 編集長 三好 さやか(以下、三好) 『VOCE』は美容に特化したメディアです。紙で22年、ウェブサイトで今年20周年を迎えました。

『VOCE』が考えているコスメ好きは「美容が趣味・生きがいの人」です。呼吸をするように毎日の美容生活を楽しんでいる方や、コスメの予約日やどの店舗で予約したかなどを手帳にメモし、SNSやウェブサイトのクチコミなども活発に書き込みをする。そんな「美容が趣味・生きがい」という、いわゆる"美容オタク"が、私たちの考えるコスメ好きさんです。

『VOCE』では、月刊誌、ウェブサイト、SNSをすべてまとめて『VOCE』ブランドとして展開しています。紙の編集部とデジタルの編集部が一緒に会議を行ったり、プランを出し合ったりするなど、シームレスに『VOCE』ブランドを運営しています。

『VOCE』ウェブサイト 編集長 三好 さやか

最近特に注力しているのが、動画とライブコミュニケーションです。2017年頃からインスタには非常に力を入れているのですが、インスタライブは現在とても人気の企画です。タイアップのご発注もたくさんいただき、本年は27社のご発注をいただきました。

コロナ禍で動画配信が加速した『VOCE』。
YouTubeのライブ配信も始めており、来年に向けてさらに強化していく予定

9月17日には、『VOCE』ウェブサイトを5年ぶりに大リニューアル。『VOCE』の強みである記事エリアとコスメのデータベースエリアの回遊性が高まるよう改修しました。さらにブランドをつなぐコミュニティである「コスメLOVERSクラブ」をより進化させ、"VOCEオフィシャルブランド"として改め、このメニューにご加入いただきましたブランド様のコスメページを、すべてECサイトのページへ誘導する動線も整備しました。

ユーザーにとっても、便利な機能を搭載しています。ひとつはカスタマイズページ。自分の好きなブランド、そして好きな美容のプロなどをフォローする機能を搭載し、自分だけのタイムラインを作れるようにしました。

自分のお気に入りコスメの発売日が登録できるマイコスメカレンダーにも新機能を搭載。ログインすると自分の好きなブランドだけの「マイコスメカレンダー(通称「Myコスカレ」)」が使えるほか、記事やコスメの「お気に入り」登録も可能

2021年は「コスメ好きさん」に刺さるナンバーワン美容メディアとして、さらに進化してまいります。デジタルのみならず、紙とも連携してより立体的に『VOCE』ブランドを盛り上げていくつもりです。

コロナ禍で増えたオンラインイベント──『mi-mollet』

川良 『mi-mollet』はもともとリアルイベントを多く開催しているメディアなのですが、コロナ禍でオンラインイベントにシフトしたことで、回数自体も増えました。基本的に週2回くらいやっています。

Zoom編集会議や懇親会、編集・ライティング講座、講師の方をお招きしてのオンラインイベントなども実施しました。加えて、コンセプトディレクターの大草直子さんによるコロナ時代のファッションや生き方のお悩みに答えるイベントも行いました。

なかには、有料イベントもあったのですが、占いのイベントでは、7700円の会費に300人以上が参加されるなど、オンラインでも高額イベントへのニーズがあることが分かりました。ほかにも、メイク本の刊行にちなみ、事前にご自宅にお送りしたメイク用品を使って、画面に向かってみなさんで一緒にメイクをするという有料イベントも盛り上がりました。

もともと読者との距離感は近かったんですが、オンラインイベントを通じて、さらに近くなったと感じています。

届け方を変えて出会った、新たな発見──『VOCE』

三好 コロナ禍でライブ配信が増えましたが、『VOCE』のYouTubeライブは、実は出演者と編集者、カメラマンととても少人数でやっています。

コロナ以前の動画配信はスタジオで撮影していたのですが、緊急事態宣言以降は、編集部員が自宅で自らが出演して美容を語るというスタイルに変わりました。美容のプロではない編集部のスタッフがセルフメイクを見せることで逆に親近感が湧くなど、美容コンテンツの届け方を変えたことで見つかった"新たな発見"もありました。

コロナ禍では、ビューティを一緒に楽しむことでモチベーションを上げるお手伝いができたと思っています。インスタでネイルやおうち美容のリレーをしたときも、たくさんのユーザーが参加してくれて、すごく距離感が近くなったように感じました。

【VOCEYouTubeライブ第3弾】VOCEエディターズのポーチの中身&激推しプチプラコスメをご紹介!

2021年以降も、心を動かす取り組みを進めたい──『mi-mollet』

川良 『mi-mollet』はコミュニケーションメディア、共感メディアとしての特性を持っていますので、読者の皆様の心を動かすコンテンツをたくさん配信していきたいです。

たとえば、ミモレ編集室の中にブランドや商品のファンコミュニティみたいなものを作ったり、新商品を試してその実感コメントをオウンドメディアの方で使っていただいたりするなど、新しい取り組みにもチャレンジしていきたいと思っています。

また、有料イベントや商品を販売する「ミモレスタイル」いうオンラインストアを新たにオープンしました。人気スタイリスト福田麻琴さん監修による、MARIHAの2つのネックレスとSLOANEのニットの計3点をセットにした「特装ボックス」は大人気で、あっという間に完売しました。

来年は、『mi-mollet』の購買力の高い読者の方をアパレルやコスメのECサイトに直接誘導できるようなライブコマースにも挑戦してみたいなと思っています。

発売後すぐに完売した「ミモレ特装ホリデーボックス」


いちばん新しいことに取り組むメディアとして、テクノロジーも積極的に活用──『V
OCE』

三好 店頭で自由にテスターを試すことや、気軽にお店に出かけることが難しい状況のなか、ライブ配信やオンラインイベントを増やしていくことで、コスメ好きの皆様のお気持ちに答えていきたいと思っています。

来年度は、『VOCE』本誌を教科書として、本誌を見ながらデジタルでのオンラインイベントを楽しんでもらうような、紙とテクノロジーが合体したコンテンツも考えています。

『VOCE』は常に、いちばん新しいことに取り組むメディアを目指しています。インスタライブへの取り組みも美容メディアでは早かったですし、ARスウォッチ(コスメの色見本を自身のスマホで試せる機能)の取り組みはもちろん、最近は動画内に映っている人物や商品にタップするだけでその情報にアクセスできるインタラクティブ動画「TIG(ティグ)」もいち早く採用しました。新しいテクノロジーを試すなら『VOCE』と思っていただき、ぜひ一緒に新しい企画をさせていただけるとうれしいです。

トークセッション後に行われた「公開質問会」

トークセッションの後は、Zoomウェビナーで、『mi-mollet』『VOCE』両編集長にチャット機能で直接質問ができる「公開質問会」が開催。多くの質問が寄せられました。一部をご紹介します。

視聴者からの質問に答える川良編集長(右)
司会進行役のコミュニケーション事業第二部 部次長 田島真由(左)


Q.今後『mi-mollet』として、注力していきたい施策は?

川良 コロナ禍でも、オンラインイベントを通してより読者の方と近くなれたと思っています。私たちはものを紹介する時に、ストーリーを描き、それを読んでくださる方の情緒に訴えてきました。

おかげさまで、『mi-mollet』でタイアップをやるとCPRが高い、ものが非常に動くというお言葉をいただくことが多いので、来年は、より一人ひとりの心に響くコンテンツを配信し、ミモレにしかできないライブコマースにもチャレンジしていけたらと思っています。

PV等の量的な成長をうながすしかけや、熱量の高いファン獲得の秘訣、継続の工夫などについても丁寧に答える川良編集長

続いて行われた『VOCE』でも、質問が多数寄せられました。一部をご紹介します。

次々寄せられる質問に目を通しながら答えていく三好編集長

Q.オンライン施策において、『VOCE』がキャスティングで意識していることは?

三好 拡散を期待する場合、ある程度のフォロワー数がある方を起用するのは必要だと思います。ただし、フォロワー数が多ければいいということではなく、きちんとコスメが好きな人、美容が詳しいという『VOCE』の軸はぶれないことは前提です

ビューティ業界では、同じ美容家やヘアメイクさんが登場されることも多いことから、新しい美容人材の発掘も常に心がけています。若手のメイクさんや新しいインフルエンサー、非常にコスメに詳しいTwitterのコスメアカウントの方など、多方面のジャンルから美容人を発掘してご提案しています。

両メディアとも、答えきれないほど多くの質問が寄せられるなか、「公開質問会」は終了となりました。

ライブレポート:「withコロナ時代の読者コミュニケーションとコミュニティの醸成」
登壇者:
・株式会社講談社 第二事業局 VOCEウェブサイト 編集長 三好 さやか
・同 第二事業局 mi-mollet 編集長 川良 咲子
・進行(公開質問会):同 第二事業局 コミュニケーション事業第二部 部次長 田島 真由
・MC:杉浦 舞
日 時: 2020年11月4日(水) トークセッション/14:05〜14:35 公開質問会/15:00〜16:00
形 式:ライブ配信(トークセッションのみ後日オンデマンド配信)

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