2019.06.05

成長が見込まれる電子雑誌に対応!  日本雑誌広告協会が「電子雑誌広告取引におけるガイドライン」を策定

日本雑誌広告協会は2019年5月24日、「電子雑誌広告取引におけるガイドライン」の策定を発表しました。今後も成長が見込まれる電子雑誌に対応し、電子雑誌広告の価値向上と安定的な運用を目的としてルールを設ける場合の「基本的な考え方」が、統一のガイドラインとして定められています。

近年、雑誌出版は厳しい状況にありますが、成長が見込まれる電子雑誌においても、プラットフォームの多様化や広告環境が整っていないなどの課題が見られます。今回、新たな市場でより付加価値の高い雑誌広告を目指して、電子雑誌広告ガイドラインが策定されました。

日本雑誌広告協会 電子雑誌広告ガイドラインの策定についての資料より抜粋

ガイドラインでは、電子雑誌を「出版社により制作された紙媒体の定期刊行物の誌面データを活用し、インターネット等を通じてスマートフォンやタブレットなどの電子端末で誌面の再生を行うと同時に、その発行物の誌名や表紙デザイン、目次等、当該の発行物として認識しうるもの」、また「誌面デザインを基本とし、当該の紙の発行物として認識できるもの」と定義しています。「出版社を販売元とする個別販売電子雑誌、読み放題サービスなど出版社外のコンテンツプロバイダーが行うもの」も含まれます。

一方で「誌面データの一部を切り出して活用するマイクロコンテンツ」についてはこれに含まれないとし、「今後の議題とする」としています。

電子雑誌広告については「掲載基準等の基本的な考え方は原則本誌に準じる」としています。しかしその頒布方法・広告再現性・電子雑誌の多様性に鑑み、「紙媒体の本誌とは異なるもの」と定義し、「予約型・運用型に大きく分類され、広告の仕様については電子雑誌原稿の掲載以外に動画・音声といった表現手法を組み込めるもの」さらに、「リンク機能・ダイナミッククリエーティブ・ネットワークなどインターネット独自での機能も織り込んだものとする」としています。

掲載基準は、「出版社を販売元とする電子雑誌については、日本雑誌広告協会の『雑誌広告掲載基準』及び各出版社の掲載基準に準拠しつつも、必要に応じてその内容を確認、指導するものとする」と定められていますが、事案によって、事業主体であるプラットフォーマーと出版社、もしくは日本雑誌広告協会倫理委員会を通じて判断を行うものと幅を持たせています。

電子雑誌広告における効果指標は、次のように定められています。
出版社を販売元とする個別販売電子雑誌については通常の紙媒体雑誌同様に日本ABC協会の算定に準拠する。
読み放題サービスなどについては、アプリのユニークユーザー数を広告到達最大値とする。
また、今後も「常に研究・検証を行い新たなノーム値化を検討していく」とあるように、効果指標は随時更新されていくことが予想されます。

ログデータ、タグ設定による広告評価測定、第三者配信等については、「広告商品に応じて主たる販売事業社が管理・運用を行うもの」としています。さらにデータの取り扱いについては十分な話し合いを行い、「出版社、プラットフォーマーなどにとって有効な利用環境となるよう相互に努力する」また、「外部連携などのデータの取り扱いについても関係社間で十分な話し合いを行い、利用者も含めた関係者に有益な環境が構築できるよう努力をする」と、努力目標として示されています。

その他「電子雑誌広告に関するアカウンタビリティー」「電子雑誌広告における入稿形態」「電子雑誌広告における台割」「広告掲載における計上について」「広告の掲載証明」「媒体資料の作成」「広告の有効期限とバックナンバー」「データの取り扱いについて」などが定められており、ガイドライン改正が必要な際にはリーダーもしくは企画委員会の招致によって再編成を行うと締めくくられています。

発表会の冒頭で挨拶した、同協会の片桐理事長は次のように語り、電子雑誌広告に対する熱意をアピールしました。
「携帯電話の値下げや5Gの導入など、デジタルインフラがより身近に使いやすくなり、折り畳み携帯やタブレットが普及する中、電子雑誌にも注目が集まっています。2018年度の協会による調査では、紙媒体の電子版率は53.8%と全体の半数を超え、読み放題、WEBサイト、LINE等のSNS、アプリ、メールマガジンなど多様化が進んでいます。電子雑誌出版の成長とともに、広告主にわかりやすく、効果的な広告媒体としてご活用いただくよう努力をしていきたいと思います」

この件に関してのお問い合わせ先
一般社団法人 日本雑誌広告協会
http://www.zakko.or.jp/

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