1500を超える海外メディアから一流の記事を厳選し、既存の日本メディアでは手に入らない「世界標準」の情報を届けてきた『クーリエ・ジャポン(COURRIER JAPON)』。2016年からは有料会員制のウェブメディアへと変貌を遂げ、順調に会員数を伸ばしてきました。会員ビジネスを成功させるコツはどこにあるのでしょうか。
日々変わりゆく世界を理解するヒントがここにある!
『クーリエ・ジャポン』は2005年の創刊以来、『ニューヨーク・タイムズ』『ル・モンド』『ガーディアン』など、1500を超える世界各国のメディアから厳選された、日本ではまだ出ていないニュースをいち早くピックアップし、独自の視点でお届けしています。2016年3月1日からは、現在の有料会員制のフルデジタルメディアへと形態を変え、デイリーで記事を配信しています。
海外と仕事をする機会が増えたいま、日本の報道だけを判断基準にしていては世界の潮流を読み取ることはできません。ワールドワイドな出来事を海外のメディアはどう報じているのか、世界は日本をどう見ているのか、いま知っておくべきキーパーソンは......など、日々変わりゆく世界を理解するヒントとなる記事を、完全デジタル化により、より速く、より広い拡散力で提供しています。
過去の気になる記事を何度でも読み返すことができる「保存機能」も評判
創刊当初から、「ワインから国際政治まで」を編集方針に掲げていたクーリエ・ジャポン。そのスタンスは今も変わらず、ビジネスに関する情報だけでなく、日々の暮らしをより楽しむための話題が充実しているのが特徴的です。
海外メディアの多くは、政治や経済だけでなく、アートやファッションなど文化的な話題についても大きく紙面を割いています。クーリエ・ジャポンも、仕事に役立つ話だけでなく、海外のビジネス相手との会食などの際に話題にできる、幅広いトピックをラインナップ。世界中のメディアから厳選した記事に加え、既存のメディアがカバーしきれない編集部オリジナル記事も掲載しています。
クーリエ・ジャポンは、英語、スペイン語、フランス語、ロシア語、中国語、韓国語など、さまざまな言語の記事を翻訳しています。たとえば、同じカルロス・ゴーン逮捕を報じた記事でも、国によって視点が異なります。フランスメディアがカルロス・ゴーンを側近に裏切られたカエサルや織田信長になぞらえた記事を報じた時に、ロシアメディアでは、「アフトワズの元会長が日本で逮捕」とロシアの自動車業界にとっても救世主だったゴーン逮捕の衝撃を報じています。いろいろな海外記事を読むことで、読者にとっては、偏見にとらわれず多様性に富んだ、よりグローバルな考え方を身につけることができます。
向学心の強い良質な有料会員が多い
デジタルメディアの中には、一記事ごとに課金をしている媒体もありますが、クーリエ・ジャポンは月額980円(税別)ですべての記事が読めるようになっています。一記事ごとの課金だと興味のある記事だけを読むことになりますが、月額制にすることで、「もともと興味はなかったけれど読んでみたら面白かった」という "記事との出会い"を提供したいと考えているからです。
また、デジタルメディアの特徴として、軽く読める短めの記事が多い中、クーリエ・ジャポンではあえて読み応えのある長文も多く掲載しています。2018年9月21日には「バラク・オバマ『ネルソン・マンデラ国際デー』スピーチ」というタイトルで、25000文字を超えるオバマ前大統領のスピーチ全文和訳を掲載しました。一般に、ネットの記事は長いと読まれません。しかし、そうした「常識」に反して、クーリエ・ジャポンの長文記事は、よく読まれています。ニュース性の高い記事よりも、ニュースの背景や歴史などを語る物語性の高い内容が多いことが共感を生み、SNS拡散による新規の会員獲得にもつながっています。編集部発信のSNS投稿も行っていますが、読者からの「クチコミ」拡散は特に大きな影響力があります。
PVや話題性よりも「良質で読み応えのある記事」にこだわることで、本当に記事を読みたい「良質な」会員が集まり、結果として多くの企業からも注目される読者層を抱えるメディアに成長しています。
このようなメディア特性を持つクーリエ・ジャポンの有料会員には、海外に興味を持つ30代から40代の会社員が多く集まっています。クーリエ・ジャポンは紙媒体(月刊誌)の時代から、自分たちの主張を示すのではなく、複数の視点を提示することで読者の意見や考えをうながしてきました。デジタルメディアになったことで、SNSでのコメントの投稿や記事のシェアなど、より身近にかかわりを持てる存在へと進化して、読者からの支持を一層集める媒体へと進化しています。
こうした有料会員向けに、有識者によるトークイベントや、オフラインで自由に意見交換が交わせる場があるのも、クーリエ・ジャポンの特徴です。職場で海外に関わる機会がなくても、クーリエを購読し、イベントに参加して意識向上に努めることで、ステップアップや人脈拡大につなげる会員も多くいます。また、イベントをきっかけにした新規会員の獲得も順調に進んでいます。
こうしたイベントには毎回向学心の強い方たちが集まるため、企業からの注目も高まっていて、最近ではコラボイベントのお問い合わせも増えています。
コラボイベントのお問い合わせが増加中
2018年、クーリエ・ジャポンは、東京・青山の英語コミュニケーションスクール「SPARKDOJO」とのコラボイベントを行いました。「SPARKDOJO」は英語で「伝える力」を自分の武器として身につけるためのトレーニングを専門とする語学学校です。「"What do you THYNK?" 英語で飲みニケーション」と題し、あえてゆるい枠組みで、英語でディスカッションすることに「慣れる」場づくりをめざしました。この取り組みは大変好評で、2019年はさらに深いディスカッションができるようになる場づくりを主目的とした「パート2」を始動。それまで20分×4セッションだったものを40分×2セッションにし、創造的なディスカッションの仕方、批判的なディスカッションの仕方といった枠組みで、参加者にもファシリテーター(会議の進行役)や発題者になってもらいながら、一緒に場を作り上げていく試みを行っています。
コラボイベントは回を重ねるごとに、さまざまな背景・職種の方々と知り合える貴重な場として参加者を増やしています。
2018年11月から12月にかけては、これからの地域に必要な「自ら考え、発信することができるクリエイター」を、"学び"を通して日本中に創出していく「Rethink Creator PROJECT」などを推し進めているJTの協力を得て、クリエイターの創作の舞台裏に迫るイベントを開催。「RETHiNK」というタイトルで、クリエイティブな仕事を手がけている方々に創作の舞台裏を語ってもらう3回シリーズのトークイベントを行いました。
このイベント開催のきっかけは、JTのイベント担当の方が、クーリエ・ジャポンの別のイベントに参加したことでした。
「Rethink」は身近なことについて少しだけ視点を変えて考えることで、日常の中にある魅力を再発見することです。クーリエ・ジャポンの有料会員には、まさにこうした既存の考えを新たな視点で見つめ直し[Rethink(リシンク)]、世の中に発信[Create(クリエイト)]できる"人財(Rethink Creator)"が集まっています。実際のイベントに参加してそれを実感したJTの担当者から、ぜひ一緒に何かやりたいと相談を受け、イベント開催につながりました。
このトークイベントは大成功に終わり、参加者の満足度はもちろん、クライアントからも、自分たちだけでは広げられない客層を集められたと、大変高い評価をいただきました。
大盛況だった写真家の佐藤健寿さんと、漫画家・コラムニストの辛酸なめ子さんのトークイベント
2019年の夏からは、東京・丸の内の三菱一号館美術館の協力を受け、連続美術講座の開催が決まっています。
「ルネサンス以降の500年の西洋美術を学ぼう」というテーマで、5回連続の講義を行った後、実際に内覧会に招待して、絵画を見る力がついたことを実感してもらう内容になっています。その様子を後日レポートとして記事掲載する予定です。
丸の内のビジネスパーソンに美術をもっと身近に感じてほしいという要望を持っていた企業から、まさにそうした読者層を多く持つクーリエ・ジャポンに相談が持ち込まれて、開催が実現しました。
このように、クーリエ・ジャポンでは、ある商品を売り出すための「タイアップ広告」や「コラボ企画」だけでなく、グローバルな価値観に基づき、「幸せな世界をどう作っていくか」というような企業の理念にかかわる部分に関するご相談を多くいただいています。
最近では、民間企業にとどまらず、国境なき医師団(Medecins Sans Frontieres=MSF)日本事務局や、特定非営利活動法人 日本国際ボランティアセンター(JVC)とご一緒する機会も増えています。
もちろん、通常のタイアップ企画のご相談も受け付けています。2018年11月1日に、Googleのリファレンススマートフォン、Pixelシリーズの新モデル「Pixel 3/3 XL」が日本初上陸した時は、トップページと記事ページ全部にGoogle Pixelを表示するコラボ企画を行いました。同じタイミングでクーリエ・ジャポンのサイトリニューアルを行ったこともあり、よりクリエイティブなビジュアルで読者に見せることができました。Google Pixelの広告デザインがかっこよかったこともあり、読者にも違和感やストレスを感じさせることなく受け入れられました。このように、デザインや先進性を意識しているクライアントは、クーリエとのタイアップにより、よい相乗効果が生み出せると思います。
2019年はさらに新しいビジョンを考えていて、読者参加型の「ツアー」などにも挑戦していく予定です。
現在は海外メディアの情報を日本に紹介することが主軸ですが、こうした会員向け施策の充実により、将来的には、地方自治体や伝統工芸の企業や職人などとの協業により、日本の情報を海外に積極的に発信していくアウトバウンド対応も広げていきたいと考えています。
国際貢献やグローバルな視点での発信を検討中の方は、アイデアから一緒にご提案できるクーリエ・ジャポンをぜひご活用いただければと思います。