2019.04.09

動画マーケティング基礎の基礎③ 実例・先進企業の動画プロモ成功例

動画広告を活用した企業のプロモーション事例が大幅に増加しています。これをふまえてC-stationでは、これから制作に取り組むというユーザーの方向けに、動画マーケティングの基礎情報をシリーズで紹介しています。今回のテーマは「近年成功した動画プロモーション」。4つの動画の成功ポイントをレポートします。

存在感を増している動画プロモーション

近年、動画市場は大いに盛り上がりをみせ、テレビCMとの相乗効果を狙った展開やSNSとの連動企画など、アプローチも多彩になってきています。工夫次第で事業規模や実績を問わず、成功を引き寄せやすいチャンスツールとして活用できる点も、Web動画の大きな魅力です。

ただその一方で、費用をかけて制作しても思ったように効果が上がらず、注目されずに終わってしまったり、"バズる"ことを狙うあまり、予期せぬ炎上を招いてブランド毀損につながってしまう失敗事例も見受けられます。

どのような動画コンテンツと展開が、理想のプロモーションを生み出すのか、拡散され共感される成功動画の秘訣はどこにあるのか、今回は4つの厳選事例をもとに探ります。


アロンアルフアの『君に、くっつけ!』

アロンアルフア 胸キュン接着ラブストーリー『君に、くっつけ!』 フルver
(←アロンアルファじゃなくてアロンアルフア)

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最初の事例は、東亞合成株式会社の「アロンアルフア」CMとして展開された、胸キュン接着ラブストーリーの『君に、くっつけ!』動画です。2019年2月26日現在で、YouTubeにおいて10,453,922回の視聴を記録、1万のいいねを獲得しています。

ゲームアプリなどでも人気の、王道胸キュン・学園ラブストーリーアニメで制作されていますが、単純な企業CM、動画コンテンツという枠にはおさまらない高いクオリティで、キャラクター設定はもちろん、詳細な相関図やプロフィール、ギャラリーまで特設サイトで案内する力の入れようです。

登場人物の名前から設定、ストーリー内に登場する細部にいたるまで、徹底して"接着剤"にこだわって絡めた小ネタで占められ、全力で愛される振り切ったアイデアが話題を呼び、TwitterなどSNSユーザーを中心に爆発的な広がりをみせました。

まさかの急激な展開、効果音、テーマソング、印象的すぎる迷言(名言)と、どこをとっても飽きさせることがなく、テンポ感まで全体が抜群の仕上がりで、何度見ても、誰が見ても無条件に笑える、楽しめる作品となっています。

強力接着はもちろん、仮止めにも使用可能。剥がすこともできる、こうするとさらにしっかり接着させられるといった、知っていそうで知らない「アロンアルフア」の商品スペックに関する知識も盛り込まれている点などは、CMとしてもよくできています。

おなじみの商品だけれど、やや地味な印象のある「アロンアルフア」、東亞合成というどちらかといえば硬い雰囲気と思われやすい企業イメージをいい意味で脱却し、「どうした?笑」という反応を広く引き出した点も、拡散・バズの大きな要因となりました。

感動を届ける「ノムコム」のストーリーCM

「パパ、大丈夫よ」編ノムコム【ありがとう、わたしの家キャンペーンCM】

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2例目は、ノムコム(野村不動産アーバンネット)が「ありがとう、わたしの家キャンペーンCM」で展開した『パパ、大丈夫よ』編動画です。こちらはYouTubeで1,342,517回視聴され、1,917のいいねが付きました。(2019年2月26日時点)。

実際に投稿されたエピソードを元に作成された、家族と住まいを温かく描き出すメッセージ動画で、直接商品をPRするのではなく、企業イメージの向上やブランドに対するファンの醸成につなげることを目指しています。

リアルに寄せられた題材から採用することで、子育て経験者はもちろん、誰にとっても自分に引きつけてとらえやすく、感情移入しやすい、共感をもって拡散したくなる良質なコンテンツとなりました。

手作り感のあるタッチや、じっと見つめる小さな女の子の視線など、構成する演技、演出も優れており、「いじらしさが泣ける」「心が締めつけられるよう」「ほんとに泣けるやつ」といった反響を呼ぶところとなっています。

単体としても、繰り返し泣けると"泣けるCMの代表格"という評価を受けましたが、親子・家族の動画シリーズとして、同様にアップロードされた一連のコンテンツでも人気が高く、幅広い層に拡散されていきました。

販売したい商品を直接的に宣伝訴求するのではなく、温かな住まいと暮らし、家庭像を描き出すことにより、ブランドイメージを向上させて、自然な形での購買意欲アップにいたる動線をつくり出している点がポイントです。


いくつ当てはまる? LINEの『【共感】JKのLINEあるあるww【実況】』

【共感】JKのLINEあるあるww【実況】

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3例目は、コミュニケーションアプリとして絶大な人気を誇るLINEの『【共感】JKのLINEあるあるww【実況】』です。YouTubeで4,767,294回の視聴回数、5.9万のいいねを獲得、コメントも4,193件と多数寄せられました(2019年2月26日時点)。

恋する女子高生の日常を覗くように、"LINEあるある"を紹介するというシンプルな発想から作られていますが、スポーツや将棋、オンラインゲームなどの実況中継仕立てとした点をはじめ、ディテールの演出と意外性で笑いを誘うユニークな展開などで差別化を図り、ありがちに終わらないコンテンツとしています。

いまや幅広く膨大なユーザー層を誇り、生活に不可欠なインフラのひとつともいえるLINEらしく、公開直後から"共感の嵐"と話題になり、女子だけでなく、男性にも「女子高生じゃないのにすげーわかる」と共有されていきました。何気ない日常、ありそうなちょっと恥ずかしいポイントなどをうまく取り込んでいた点が巧みです。

可愛らしさと変顔のギャップを全面に表現し、現代ならではのヒロインとして、男女問わず好感度の高い女子高生・吉田役を演じた其原有沙さんにも注目が集まり、「あの子は誰?」という話題性も拡散力を支えました。

「めっちゃわかる」「共感しまくり」と、SNSで共有しやすく、笑えて共感できる、リアルすぎると思える日常感に、まさかの"瓦割り"のような振り切ったところをかけ合わせた点は、誰かと楽しみたくなるニーズをよくとらえているといえるでしょう。

LINEは公式ブログで築かれたコミュニティも強く、そこから発信された情報をフックに動画へアクセス、共有・拡散するという流れも上手く定着させています。

SNS機能を効果的に利用!『1本満足バー 草彅剛弾き語り』

#1本満足バー_草彅剛弾き語り

動画はこちら

最後の例は、アサヒグループ食品の『1本満足バー 草彅剛弾き語り』動画です。こちらはTwitter上で公開されたコンテンツで、2019年2月26日時点のデータでは1,518の返信、22,346件のリツイート、39,215件のいいねを獲得しています。

動画投稿ツイートでは、冒頭部分のみが再生されるようになっていて、草彅さんが登場するところまでを"チラ見せ"。続きが見たくなる気持ちを喚起する仕掛けを作りました。これは「インスタントアンロックカード」というTwitter広告の機能が有効活用されたもので、ツイートすると該当動画のフルコンテンツを視聴できる仕組みです。

"見たいからツイートする"という行動誘因で自然にTwitterでの拡散を加速度的に成功させ、注目度を上げていき、豊富な動画バリエーションを展開、CMとしての定着と購買意欲向上につなげるというロードマップが機能しました。

公開された動画そのものはシンプルな作りですが、SMAPの解散によりこうした映像が解禁となった「草彅剛」ブランドも生き、自然体で支持される雰囲気がファンはもちろん幅広い層に受けて、好感度も高い状態で情報拡散が進んだといえます。

どの作品も、誰かに伝えて共有したくなる作り

直近で大きな成功例となった代表的事例4件を紹介しました。アプローチはそれぞれ違いますが、どこかしら振り切ったポイントを効果的にコンテンツ内に取り込んでいる点や、誰かに感想を伝え、ともに楽しみたくなる、共有したくなる、SNSを意識したポイントで話題性、拡散力を強化している点などに共通点が見受けられます。

ノムコムのように、商品やサービスを直接売り込まないメッセージ動画のスタイルも、宣伝の押しつけといったイメージで嫌悪されることなく受け入れられ、最後まで視聴されやすい、好感度アップにつながるものとして注目されています。また「1本満足バー」のような、SNSの機能を効果的に使う手法も、今後さらに力を発揮していくと見込まれます。

ニーズをつかんだコンテンツの質と、展開手法の設計。その両方をうまく組み合わせて動画プロモーションを一連のものとして構築し、ターゲットやリアルタイムのトレンドを意識しつつ進めていく──そんな姿勢が成功を引き寄せるカギといえそうです。

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