最強のビジネスマンから、最強の公務員へ。11月14日(火)、早稲田大学の大隈記念講堂にて、島耕作の佐賀県副知事就任式が行われました。その様子をご紹介します。
佐賀県副知事に任命された島耕作 Ⓒ弘兼憲史/講談社
佐賀県、最強のビジネスマン「島耕作」に異例の人事を発表
これまでに多くの企業やコンテンツとのコラボレーションを行ってきた佐賀県が、シリーズ40周年を迎えた人気ビジネスマンガ「島耕作」シリーズの主人公・島耕作を副知事に任命。その就任式が、島耕作の母校でもあり、佐賀県が輩出した大隈重信が創設した早稲田大学の大隈記念講堂にて開催されました。
民間企業経験者採用の割合が15%で全国1位となっている佐賀県。今回、マンガのキャラクターである島耕作を"中途採用"したのも、多様な人材活用の一環だといいます。
当日は、島耕作がLive2D(CG)にてリアル登壇。島耕作シリーズに秘書として出演経験があり、「大ファン」と公言している中川翔子さんを「一日秘書」としてお招きし、プレゼンテーションが行われました。
はじめに、山口祥義佐賀県知事が挨拶。情報発信プロジェクトとしてすすめてきた「サガプライズ!」の第38弾として、島耕作とのコラボレーションを発表しました。
同プロジェクトでは過去にも『ヴィンランド・サガ』など講談社コンテンツとのコラボを行ってきました。今回新たに、CGの力を借りながら、講談社マンガのキャラクターとコラボすることについては、「激動の時代にふさわしい」と表現。新たな取り組みへの意欲を語りました。
山口祥義佐賀県知事
副知事就任は、新たなチャレンジ。地方自治体を盛り上げていく
続いて、副知事に任命された島耕作がLive2D(CG)でステージに登場しました。
ステージに登場した島耕作 Ⓒ弘兼憲史/講談社
サラリーマンとして、販売広告宣伝部門などに長年携わったほか、ワイン事業やレコード会社の経営の立て直しなど、幅広い分野で仕事をしてきた島耕作。「佐賀県副知事という身に余る重責の打診をいただき、最初は正直、びっくりしました」と打ち明けながらも、「人生100年時代のキャリアを考えた時に、これまでの私の経験を生かし、次は公務員として地方自治体を盛り上げていくというチャレンジに、今はとてもわくわくしています。本日はどうぞよろしくお願いいたします。佐賀ばがばい盛り上げるばい!」と力強く挨拶しました。
山口知事(左)から副知事の辞令書を受け取る島耕作 Ⓒ弘兼憲史/講談社
島耕作の一日秘書として、中川翔子さんが登場。副知事の公務を紹介
その後、島耕作の大ファンという中川翔子さんが登場。島耕作の一日秘書として、副知事の公務を紹介しました。
幼稚園の頃から、繰り返し島耕作シリーズを読み返しているという中川さん。「業務の前に島さんに怒られたい」とリクエストし、島耕作から「中川くん、君はクビだ」と言われて大喜び。「そんなことおっしゃらず、一生懸命やらせてください!」と直訴して、公務の発表を行いました。
島耕作の一日秘書として、副知事の公務を紹介した、中川翔子さん
公務1. スポーツビジネス
メインで担当する公務のひとつはスポーツビジネスの推進。佐賀県では、2018年から佐賀から世界に挑戦する新しいスポーツシーンを作ろうという思いのもと、SAGAスポーツピラミッド構想(SSP)をスタート。トップアスリートの育成とスポーツ文化の裾野拡大に取り組んでいますが、その推進を島耕作がサポートします。
その一環として、11月14日(火)から、特設サイトにてオリジナルマンガ「副知事 島耕作」を公開。島耕作がなぜ佐賀県副知事を引き受けたのか、そしてスポーツビジネスにどう関わっていくのかを、オリジナルストーリーで紹介しています。
特設サイトで公開中のオリジナルマンガ「副知事 島耕作」 Ⓒ弘兼憲史/講談社
講談社のスポーツマンガを積んだ「スポーツマンガ号」が都内と佐賀県を走行
さらに、マンガを通じてスポーツに興味を持ってもらうために、講談社のスポーツマンガ約750冊を積んだ「スポーツマンガ号」が、東京都内と佐賀県内で走行し、マンガを通じてスポーツの楽しさを島耕作がお届けしました。
島耕作が描かれた「スポーツマンガ号」
公務2.半導体産業
半導体産業の情報発信にも取り組みます。今、多くの企業が佐賀県への進出を検討しています。なかでも特に多いのが半導体関連産業です。こうした産業の盛り上げを発信し、佐賀県での就業・キャリアを選択肢に入れてもらうことを目指します。
公務3.「副知事 島耕作」の執務室大公開展
島耕作の佐賀県副知事就任と島耕作シリーズ連載40周年を記念して、佐賀県庁内の県庁CLASS(旧知事室)にて、期間限定で副知事 島耕作の執務室大公開展を開催しています。島耕作のこれまでをふりかえる展示のほか、連載40周年を記念した複製原画の展示や、最新CGの技術により島副知事に会える企画など見どころ満載です。
開催期間:2023年11月27日(月)〜2023年12月19日(火)9時〜18時(土日祝:9時30分〜18時)
原作者も登壇した、トークセッション
ここで、「島耕作」シリーズを生み出した、原作者の弘兼憲史さんがふたりめのゲストとして登場。山口知事、弘兼さん、中川さん、島耕作の4人でのトークセッションが行われました。
(左から)山口祥義佐賀県知事、島耕作、中川翔子さん、弘兼憲史さん Ⓒ弘兼憲史/講談社
スポーツビジネスへの取り組みについて、島耕作が「世界に目を向けると、ICT教育観光、飲食などさまざまな産業でスポーツを活用した新しい商品やサービスの創出が行われています。スポーツを活用して、課題解決や新たなビジネスを創出する地域風土を作っていきたい」と抱負を語ると、一日秘書を務めた中川翔子さんは、「かっこいい」とうっとり。
「島さんはどんなお仕事でも楽しみ、自分なりの考え方を貫き通す強さがありながら、全ての人への優しさもある。佐賀県の副知事としても、絶対にいいお仕事をされると思う」と期待をみせました。
山口知事は、「佐賀県の中途採用の採用率は15%で全国一位。いろいろな経歴の人が集まっている本県に、島さんの人生観が加わるのは、まさに千人力。世界にくらべ、まだ取り組みが遅れているスポーツビジネスや半導体事業で島さんのお力を借りられるのは心強い」と話しました。
さらに、原作者の弘兼憲史さんは、「社外取締役の島耕作に、新たに『副知事』という大役を与えられたことで、意欲を燃やしています。佐賀県のPRにも協力したいので、佐賀の話も来年から描いてみようかなと思います」と展望を語りました。
最後に、ゲストの中川翔子さんと島耕作による、オリジナルマンガの朗読が行われ、無事にイベントは終了。なお、この就任式の様子はテレビをはじめ、1000以上のメディアで取り上げられ、大きな話題となりました。
(左から)島耕作の一日秘書に就任した中川翔子さん、佐賀県副知事に就任した島耕作、山口祥義(よしのり)佐賀県知事、原作者の弘兼憲史(ひろかね けんし)さん Ⓒ弘兼憲史/講談社
●島耕作について
1982年に読み切り漫画『係長 島耕作』(講談社)として掲載され、翌年から『課長 島耕作』として『モーニング』にて連載開始。松下電器産業(現・パナソニック)に勤務経験がある漫画家・弘兼憲史氏が、家電メーカーに勤める主人公のリアルなサラリーマン世界の模様を描く。作中では部長、取締役、常務、専務、社長、会長と昇進を重ねて、シリーズ累計発行部数4,700万部を超える人気マンガとなった。
シリーズ40周年となる現在は『社外取締役 島耕作』を連載中。 作中では塗建会社「UEMATSU塗装工業」、宅食サービス「アントパス」の社外取締役を務める中、このたび佐賀県の副知事にも就任。