2023.09.19

2500名超の"美容好き"を大調査!タイプ別のツボを徹底解説 ── VOCE25周年特別ウェビナー レポート|PART1

美容メディア「VOCE」が読者を中心とした大規模な調査を実施。調査から見えてきた"美容好き"さんの実態を解説するとともに、より効果的なマーケティング手法について、ゲストをお呼びして解説する特別ウェビナーを先日開催しました。今回は<大規模調査「VOCE白書」から見る"美容好き"さんの実態>をお届けします。【VOCE25周年記念 特別ウェビナー レポートPART1】

本ウェビナーで発表した「VOCE白書2023」をご覧になりたい方は、
下記よりダウンロードができます。

創刊25周年、大規模な読者調査を実施した「VOCE」

講談社「VOCEウェブサイト」編集長 三好さやか(以下、三好) 「VOCEウェブサイト」編集長の三好さやかです。「VOCE」はおかげさまで今年創刊25周年を迎えることができました。日本ではじめての美容雑誌ということでスタートした「VOCE」は、創刊以来「キレイになるって面白い」をキャッチフレーズに掲げています。この変わらないキャッチフレーズを大事に、コンテンツづくりをしています。

今年創刊25周年となる「VOCE」は、日本ABC協会が発表した「雑誌発行レポート」(2022年下半期)でも美容誌実売数1位(※)となるなど、美容業界を牽引してきたメディアです。

この「実売1位」という結果は、誌面に限らず、あらゆるプラットフォームを活用して、時代の変化に合わせてコンテンツ提供をしてきた結果だと思っています。これからもみなさまに美容情報をお届けできますよう、「VOCE」として今後何をしていくべきかを見極めるために、今回、大規模な読者調査を実施いたしました。本日はその結果をみなさまにお届けいたします。

PART1では、「VOCE」読者2500人のみなさまにご協力いただき作成した美容白書を題材にした"美容好き"さんの実態報告。そしてPART2では、"美容好き"さんにアプローチするためのマーケティング手法についてのクロストーク「全方位マーケティング時代の攻略法とは」をお届けします。最後まで楽しんでご覧ください。

※一般財団法人・日本ABC協会が発表した「雑誌発行レポート」(2023年5月19日発表)において、2022年下期(2022年7~12月)の雑誌販売部数「美容誌部門(女性ビューティ・コスメ誌部門)」で、「VOCE」は販売部数1位を記録(月刊平均販売部数9万6331部) 詳細はこちら

大規模調査「VOCE白書」に見る"美容好き"ユーザーの実態

講談社 VOCE編集部 関野桃子(以下、関野) ここからは共に調査を行った株式会社ヴァリューズの海野秋生さんと一緒にお届けしていきます。海野さん、よろしくお願いいたします。

株式会社ヴァリューズ 海野秋生氏(以下、海野) 海野と申します。ヴァリューズという調査会社でリサーチャーとしてアンケート調査の設計やレポートの作成などを行っています。今回は「VOCE」編集部のみなさまと一緒に、"美容好き"さんの深掘りをしていくという楽しい経験をさせていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。

関野 "美容"は衣食住と同じように、誰もが日常的に行うものです。ただ、本当に"美容"が好きな人たちと、生活のために"美容"に取り組んでいる人とでは、情報感度や購買活動に大きな違いが見られます。

また、濃いファンとそのファンによる情報発信が重視されている今の時代、「質」の高い"美容好き"さんと重点的に関係性を築いていくことは、ブランドにとって資産にもなります。

そこで「VOCE」では今回、"美容好き"さんの「質」を、データとして可視化することを目的に、約100問に及ぶ読者アンケートを実施しました。さらに、「VOCE」読者と一般女性を比較するために、パートナー企業さまにもご協力いただき、日常的にスキンケア・化粧を行っている一般女性にもアンケートを行いました。

"美容好き"の「VOCE」読者と、一般女性層の違い

関野 まず、"美容好き"さんが多い「VOCE」読者と一般女性層の比較です。美容を「楽しい」と思う瞬間が多く、情報感度や発信頻度、投資金額が大きく上回っています。

"美容好き"が多い「VOCE」読者と一般女性層の比較

では、なぜそのような違いが生まれるのでしょうか。
その違いを明らかにするために、今回私たちが注目したのは、読者ひとりひとりの「美容に対する価値観」です。数年前に実施した美容に関するアンケートの回答結果も踏まえて、15パターンの「美容に対する価値観」を抽出しました。

本調査では、この15個の「美容に対する価値観」のうち、どれにあてはまるかを選んでもらい、その結果をもとにセグメンテーションを行いました。この調査方法について、海野さん、どのように思われますか。

海野 一般的なマーケティング調査ですと、性別や年齢、商品の購入回数、購入金額で回答者の軸を分類することが多くなります。今回「VOCE白書」では「質」に着目して可視化した点が大変ユニークだと思いました。

ひとくちに"美容好き"さんといっても、価値観の違いで美容に対する向き合い方がこんなに違うのかというのは、リサーチャーとしても大きな発見でした。また、今回の調査で使用した「VOCE」編集部が作成した「美容価値観」の分類は、"美容好き"さんの思いをしっかりとらえたものになっていると感じました。

関野 具体的にどのような点でそのように感じられましたか?

海野 たとえば、美容について、

1.おまじない、モチベーション・やる気を高める、頑張れる
2.お守り、自己肯定感を高めたり、強くしたりしてくれる

という回答は、どちらもポジティブなものですが、微妙にニュアンスが違います。美容に向き合う女性の価値観を細やかに表現されているのがポイントだと感じました。

また、「VOCE」読者はアンケート回答への熱量がものすごく高いことにも驚かされました。通常、100問ものアンケート調査となると、途中で離脱してしまう方が大半です。しかし「VOCE」読者は自由回答に至るまでしっかり回答していただいており、読者の深い"美容愛"が伝わってきたのが印象的でした。

三好 「VOCE」読者は、熱量の高い方が多く、今回のアンケートも積極的に参加してくださったのだと思います。

関野 海野さん、プロの目線でのご回答、ありがとうございました。続いて、そのアンケート結果について解説します。

"美容好き"ユーザーの6つの美容価値観

"美容好き"ユーザーが多い「VOCE」読者と、一般女性層のアンケート結果比較

関野 アンケート結果から、「VOCE」読者と一般女性を比べると、特定の価値観を持つ女性の構成比に差があることがわかりました。

表は上から順に価値観の差のギャップが大きかったものを並べています。なかでも、黄色い背景がついた部分は、とくに差が大きかった上位6項目になります。この上位6項目(6パターンの価値観)について、詳しく解説します。

一般女性と「VOCE」読者で大きく差が出た6つの美容の価値観

01「コスメ推し活」層
とにかく美容が生きがいで、コスメ活動をしている方たちです。情報感度も投資額も高く、「ザ・美容ヲタク」といったらこの層、という方たちです。

02「癒し」層
美容がストレスを解消するご褒美で、心の栄養剤にしている方たちです。調査結果からは、「スキンケア好き」ということも見えてきました。

03「お守り」層
美容は、自己肯定感を高めたり、心を強くしてくれたりするものというものです。悩みを解決し、自信を培うアイテムと考えているため、お手本となるイエベ・ブルベ診断やお悩み解決系のコンテンツなどの美容ネタを好む傾向がありました。

04「おまじない」層
美容は、モチベーションややる気をアップするためのものです。化粧品自体が好きというよりは、化粧という「行為」自体が力になっている方々です。そのため、必ずしもデパコスでなければならないなどのこだわりは、これまで紹介した層ほどは見られません。

05「もっと素敵に」層
もっとおしゃれに、キレイに、素敵になりたいと考えている方たちです。スリムな体型やファッションなど、結果として見た目が美しくなることを重視しているので、化粧品に対する姿勢としても、最新の化粧品、化粧情報が好きというよりは、評価が安定した化粧品を好む傾向があります。

06「身だしなみ」層
美容はマナーであり、TPOにあわせることが重要と考えている方々です。お財布はいちばん小さく、情報発信、取得意欲も低い結果となりました。この「身だしなみ」層のボリュームが、「VOCE」読者と一般女性の構成比でいちばん差が出ました。

さらにこの6タイプを、「ポジティブ層」「中立層」「ネガティブ層」の3つに分類できることが、この後紹介する調査結果から見えてきました。

6つの美容に対する価値観の分類

今回の調査では、「VOCE」読者は一般女性と比べるとポジティブ層の比率が多く、一般読者はネガティブ層の比率が多い、ということがわかります。

では、この「ポジティブ層」「中立層」「ネガティブ層」にどのような違いがあるのでしょうか。ここからは一般女性との比較ではなく、「VOCE」読者のみの調査結果となります。

「VOCE」読者における美容価値観の違いによる傾向差

美容情報への感度の違い

「VOCE」読者における「美容ポジティブ層」「中立層」「ネガティブ層」の美容情報への感度

関野 普段どのように美容情報を取っているかをたずねたところ、「ポジティブ層」では赤く囲った「人気有無を問わず、最新情報をチェックする」という人たちの割合がVOCE読者の全体平均を大きく上回る結果となりました。一方、「必要な時だけトレンドをチェックする」という人は、「身だしなみ」層で半数を占める結果となりました。

美容情報の発信度の違い

「ポジティブ層」「中立層」「ネガティブ層」の美容情報発信度

関野 続いて情報発信度の違いについての調査結果です。「ポジティブ層」は真ん中で囲っているSNSへの投稿を約7割の方が行っており、クチコミサービスへの投稿も4〜5割が実施しています。一方、「ネガティブ」層は、SNS発信やクチコミ投稿に積極的ではないことがわかりました。

三好 「VOCE」読者は、「こんなコスメを見つけた」であるとか「限定品はここで買える」などの情報を、発信したい欲求をお持ちの方が多くいます。その投稿内容もいい意味で「ヲタク感」があるとメーカーさんから注目されています。

いま発売中の「ベストコスメ号」(2023年6月22日発売)では、発信したい欲求が高い読者に向けて、「マイベスコス」、つまり、自分ならではのベスコスを発表するツールを開発しました。非常にたくさんのユーザーにご参加いただき、「発表したかった、うれしい」などのお声をいただいています。

海野 "美容好き"さんと一般の方の違いがすごく現れているのが、美容情報の発信度でした。特に「ポジティブ層」の方は、SNSやクチコミサービスへの投稿が半数以上いらっしゃるということで、もはや生活行動の一部となって定着しているというのがよくわかりました。

ちなみに、比較対象として行った一般女性への回答では、SNSやクチコミサービスへの投稿を行っている方は7%程度でした。「VOCE」読者の"美容好き"さんは、情報発信度が高く、インフルエンサーのような存在であることもわかりました。

スキンケアアイテムの投資金額の違い

「美容ポジティブ層」「中立層」「ネガティブ層」のスキンケアアイテムの投資金額

関野 続いて、スキンケアアイテムの投資金額です。「ポジティブ層」の中でも、「コスメ推し活」層と、「癒し」層はとくにお金を使っています。月額1万円以上使うと答えた方が、3割以上いました。

さらにメイクアイテムについても見てみると、「推し活」層は、月あたり1万円以上使う方が3割以上。スキンケア同様に「推し活」層の投資金額の大きさがわかりました。

化粧品の購入場所

関野 実際に化粧品をどこで購入するかについても調査しました。

スキンケア、メイクアイテムの購入先調査結果

「ポジティブ層」は、店舗やECの両方で百貨店を利用している一方で、バラエティストアやドラッグストアも利用しています。さらにポジティブ層の中でも「推し活」層は、ブランドの通販サイトも積極的に利用しているようでした。これに対し「ネガティブ層」は、ドラッグストアの利用が目立つ結果となりました。

三好 「VOCE」読者は、デパコス好きの方が多いという印象があります。一方で、どこで買うかより、いいコスメを買いたいという方も増えています。値段ではなく、効果効能や自分の気持ちにフィットするものということで、デパコス、バラエティストア、ドラッグストアの垣根なく「ほしいものを買う」という方が多いのではないでしょうか。

"美容好き"ユーザーが好むコンテンツ

関野 それでは前半最後に、"美容好き"さんの好むコンテンツを簡単にご紹介していきます。まずは「ポジティブ層」からご紹介します。

1.コスメ推し活層
美容感度も情報発信度も高い彼女たちがいちばん喜ぶコンテンツは最新美容情報です。

2.癒し層
最新情報もお好きですが、加えて特徴的だったのがエビデンス重視の化粧品情報を好む点です。

3.お守り層
パーソナルカラー診断や、年代や肌質といった自分の悩みに近い属性の方のクチコミを重視する傾向が見られました。

続いて「中立層」「ネガティブ層」です。

4.おまじない層
美容のプロの知識以上に、SNSのクチコミ、なかでもTwitter情報を重視している傾向が見られました。

5.もっと素敵に層
ファッションやダイエット情報に加え、恋愛や結婚ネタも好む傾向があることが見えてきました。

6.身だしなみ層
トレンドは追わず、必要な時に美容情報をリサーチするセグメントです。検索ニーズをしっかり押さえたコンテンツを提供していくことが重要なことが見えてきました。

三好 今回の調査で6タイプ並べてみて、検索ニーズに対応するものから、パーソナルカラー的な「私に合うもの」を調べやすい機能をWebサイト内に設けるなど、それぞれの層が求めるコンテンツを、「VOCE」でご提供できていたことが確認できました。

それぞれの層に響くもの、それぞれのプラットフォームでどう出していくかを常に意識してコンテンツを作っているので、答え合わせができたようで、うれしく思いました。

感度の高い"美容好き"ユーザーを深掘り

関野 ではここからは、後半パートに入ります。

ここまで"美容好き"さんの中でも、とくに購買意欲も発信欲も高い「美容ポジティブ層」の存在を明らかにしてきました。ここからは、情報感度の高い"美容好き"さんと効果的にコミュニケーションを取るために、どのようなアプローチが有効なのか、調査した結果をお伝えします。

前半でもご紹介した最新情報に関する設問のなかで、「人気有無を問わず、最新情報をチェックする」と答えた方を「最新情報全般チェック層」と定義し、この層の方たちがどのように美容情報と接しているかを深掘りしました。

海野 この分析軸も、"美容好き"さんをよく知る「VOCE」編集部さんならではの定義だなと思いました。最新情報のチェックというと、一般的にはアーリーアダプターといった「イノベーター理論」を連想される方が多いと思います。しかし今回の調査で「最新情報全般チェック層」は、イノベーター的な新しいもの好きという側面だけでなく、広く美容への関心があって、商品についてもっと知りたいという、より"美容好き"の実態に沿った分類になっていると感じました。美容への愛が情報収集の仕方にも表れているユニークな定義になっていると思いました。

関野 ありがとうございます。「VOCE」読者のうち、「最新情報全般チェック層」は36%となっています。それでは、トレンドを生み出すパートナーでもある「最新情報全般チェック層」とどう接点を創り出すかを探っていきたいと思います。

「最新情報全般チェック層」の情報収集の傾向は?

「最新情報全般チェック層」の美容の情報収集頻度

関野 美容情報の収集頻度を見ると、1週間に1回以上情報収集している方が7割におよび、そこからさらに毎日情報収集している方々が全体で3割程度存在します。

続いて好きな美容情報を問う設問では、美容専門誌はもちろん、ブランドの公式サイトやSNSを参考にしている方も多くいました。また、3割以上が美容部員さんからの情報を重視していました。SNSについては、インフルエンサーというよりは美容の専門家の発信を好む傾向があり、全体的にプロからの発信が響いていることが見えてきました。

欲している情報の中身を問う設問では、売れ筋商品というよりは、新製品情報を求めています。あとは肌のメカニズムや配合成分の詳細など、知識コンテンツへの欲求も高く見られました。

三好 いま配合成分は本当にみなさん大好きなので、成分の特集や成分と処方のブックなどのコンテンツはすごく人気です。

「最新情報全般チェック層」が見ているSNS(プラットフォーム)

「最新情報全般チェック層」がほぼ毎日見ているSNS

関野 続いて、「最新情報全般チェック層」がほぼ毎日見ているSNSについてです。Instagramを見ている方が多いのは想定内ですが、意外だったのはYouTubeの閲覧状況にも差が見られたことです。ここから、YouTubeが「最新情報全般チェック層」へのリーチに有効な手段であることがわかりました。

海野 YouTubeをほぼ毎日見ている方が多かったですね。一般の調査で20〜30代の女性が毎日YouTubeを見ている割合は、3〜4割という結果だったので、そちらと比較してもずいぶん高い数値が出たなという印象です。

三好 「VOCE」は早くからYouTubeチャンネルを運営していて、最近ではそこから購入する方も増えてきています。今回の結果を見て、YouTubeに注力してきてよかったと思いました。

関野 ではそのYouTubeまわりを深掘りした結果をご紹介します。

「全方位マーケティング」に欠かせないYouTube

「最新情報全般チェック層」のSNS利用状況

関野 Instagram、Twitter、YouTubeの利用者の重複状況を見てみると、YouTubeの浸透率の高さが明らかになりました。また、もっとも参考にしているSNSも、Instagramに次いで、YouTubeという結果となりました。

なぜいま「全方位マーケティング」なのか

ここからは、動画をどんなふうに活用しているか、さらに深掘りしていきます。その前に、なぜいま「全方位マーケティング」なのか解説します。

今回の調査では、認知、興味・関心、比較・検討のそれぞれのフェーズに1対1で対応するメディアはもはや存在せず、ユーザーは自分の使いやすいツールでそれぞれ情報を取得していることがわかりました。海野さん、この結果について、いかがでしょうか。

ユーザによって異なるメディア・SNSの提供価値

海野 この調査結果は、2600人の自由回答の読み込みによって導かれた結晶だといえます。さらに、ひとくちに「認知」といっても、それが新商品かトレンド商品かで得たい情報は異なります。また、興味・関心にしても、商品の詳細情報なのか、活用情報なのかで情報の質が異なります。そういう、漠然と思っていた感覚も可視化された、よくできた図だと思います。

関野 ありがとうございます。やはり、雑誌だけでもデジタルだけでもなく、全方位へのマーケティングが必要になっているのではないかと思います。そこで、YouTubeがどのような使われ方をしているのか、調査しました。

「最新情報全般チェック層」に刺さるYouTube

関野 認知フェーズだと、従来雑誌が提供していたような、商品認知の役割をYouTubeが果たしています。もちろん、情報の発信者によっても変わってきますが、YouTubeは一般人によるコンテンツというよりは、一定のプロによる美容メディア(コンテンツ)として活用されている印象を回答から受けました。

また、興味・関心、比較・検討フェーズでなされる、アイテム情報の詳細を調査したり、メイクテクニックを学んだりすることが、動画だとわかりやすく、詳しく知ることができるという価値を提供します。加えて、自分に近い存在による発信ということで「リッチなクチコミ」としての役割も果たしていることがわかりました。

「最新情報全般チェック層」に響くYouTubeコンテンツの傾向

関野 具体的に人気の高いコンテンツを見ると、デパコスの新商品情報レビュー、トレンドメイクのハウツー、お悩み解決コンテンツといった、単なるアイテム紹介ではなく、動画表現に適したリッチコンテンツがランクインしていました。YouTuberの発信者がやはり人気ですが、この方たちをたとえば「VOCE」にゲストでお呼びしても同じような効果が出るわけではないですよね。

そのあたりの「VOCE」のコンテンツづくりのポイントを教えていただけますか?

"美容好き"ユーザーに人気の高いYouTubeコンテンツの傾向

VOCEとYouTube/メディアだからできる長尺動画を意識

VOCEYouTube長尺動画事例

三好 はい。たとえば、すごく人気のYouTuberの方が「VOCE」で同じような発信をしても、数字が伸びなかったりします。これは、個人がメディア化していく時代において、メディアがすべきことは何かということを視聴者のみなさんも感じているからだと実感しました。

つまり、誰をキャスティングして、誰とかけあわせるのかという「人×人」だったり、「人×もの」だったり、「人×テーマ」だったり、メディアがストーリーを生み出して伝えていかないと、「個人のYouTubeチャンネルを見ればいいよね」となってしまうのだと感じました。

ですから、ここにも「500万回再生突破」とサムネイルをご紹介していますが、安達祐実さんにすっぴんからメイクをしていただく過程を動画であげていただくなど、エンタメ化しやすいテーマの切り口を提案しました

また、「ベースメイク座談会」では、もともとYouTuberとして人気の3人を掛け合わせることで、3人のさらなる魅力を引き出せたことが人気の秘訣だったのではないかと思います。

このように、美容のエンタメ化の最先端がYouTubeだと思っており、メディアだからできるご提案をしていきたいと思っています。

VOCEとYouTube/短尺動画では縦型動画にも注力

関野 ありがとうございます。せっかくなので、長尺動画に続き、短尺動画のアンケート結果もご紹介します。長尺動画の人気ランキングと比較すると、お悩み解決コンテンツや、トレンドメイクのやり方というコンテンツの人気が下がり、パッとみられる新商品レビューのようなコンテンツが支持される傾向にあります。

「VOCE」も日々、短尺動画づくりに奔走していますが、こちらについても編集部が作る上で意識しているポイントや事例を教えていただけますか?

VOCE」のYouTube短尺動画事例

三好 はい。短尺の縦長の動画が各SNSで主流になってきており、ここ数年は私たちもYouTubeのショート動画やTikTokなどにも力を入れています。

また、ここにあげた事例は編集部が制作した動画に限らず、"美容好き"さん集団・VOCEアンバサダーで構成された、「縦長動画研究部」が制作した動画も含まれています。

当初はTikTok用につくって、リールとYouTubeショートにも同じ動画を出そうとしていましたが、やっぱりちょっと違うね、ということになり、アンバサダーのみなさまと一緒にいま、各社のプラットフォーム研究から進めているところです。

関野 部活みたいにひたすら研究していますよね。短尺動画は一過性のものではなく、定番化した表現になっていると思います。

まとめ

関野 では、今回の調査のまとめです。今回、2500名超えの"美容好き"さんを分析し、読者の「質」をデータとして可視化することにチャレンジしました。

結果、特定の"美容への価値観"を持っている層は、情報感度や発信意欲が高く、購入意欲が高いことがわかりました。それぞれの特性を抑え、ツボを刺激する情報発信が重要となります。

いまや、「認知」や「比較・検討」といった、マーケティングファネルごとに一対一で対応するようなメディアは存在せず、全方位マーケティングの時代です。そのなかで、情報感度の高い層に効果的にリーチしたいとなった時に、有効な手段はYouTubeや動画です。

「個」の発信が強い時代ではあるものの、「企画」「コンテンツ」の力で、メディアもブランドもコミュニケーションを取ることは可能です。

三好 日頃から「VOCEを見て買った」「VOCE売れ」というようなことを化粧品会社さんから言われていましたが、今回この調査をして、読者特性を可視化することができました。さらに今回は、ヴァリューズさんというプロの方と一緒に調査を進めたことで、より解像度が高く見えるようになったと思います。

海野 今回調査に関わってみて、「VOCE」読者のみなさまの美容に対する思いや、情報収集の仕方の解像度の高さに驚きました。思いが言語化されているので、フリーアンサーを読むことで、深いインサイトに気づける機会がたくさんあって、興味深く読ませていただきました。また、コスメメーカーさまや事業会社さまにとっても有益なマーケティング情報をくれる方たちだということがわかり、今回調査をご一緒させていただけたこと、あらためて御礼を申し上げたいです。ありがとうございます。

三好 私たちの大事な読者をそう言っていただき、とてもうれしいです。本日はありがとうございました。

※PART2【全方位マーケティング時代】美容ヲタクの攻略方法とは?は、こちら

本ウェビナーで発表した「VOCE白書2023」をご覧になりたい方は、
下記よりダウンロードができます。


VOCE読者2500名超えの声を徹底分析 全方位マーケティング時代の美容ヲタク攻略 最前線!
PART1 大規模調査「VOCE白書」から見る"美容好き"さんの実態

【開催概要】
・名称:VOCE読者\2500名超/の声を徹底分析
全方位マーケティング時代の美容ヲタク攻略 最前線!
・日時:2023年7月14日(金) 15:30〜17:10
・形式:Zoomウェビナー
・お申し込み:事前エントリー制(無料)
【プログラム】
●Part1:大規模調査「VOCE白書」から見る"美容好き"さんの実態
登壇者:
海野秋生/株式会社ヴァリューズ ソリューション局 リサーチャー
三好さやか/講談社 「VOCEウェブサイト」編集長 
モデレータ−:関野桃子/講談社 VOCE編集部 

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筆者プロフィール
C-station編集部

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