2023.07.14
アジア初開催。女性たちの多彩な活動を表彰する「Future is Female Awards」 ──「Advertising Week Asia 2023」レポート
6月6日(火)から6月8日(木)の3日間、東京ミッドタウンを舞台に開催された、アジア最大級のマーケティング&コミュニケーションのイベント「Advertising Week Asia 2023」。初日に開催された、アジア初開催の世界的にも有名なアワード「Future is Female Awards」、最終日に行われたYouTubeの広告賞「YouTube Works Awards Japan 2023 受賞式」。そして会期中、会場で配信された「Amazon Ads Studio」の様子をご紹介します。
個性際立つファイナリストが勢揃い。アジア初開催「Future is Female Awards」
今回注目のアワードのひとつが、アジア初開催となる次世代の活躍を担う優れた女性リーダーを表彰する「Future is Female Awards」です。ニューヨークやヨーロッパ、アフリカでも開催されている世界的にも有名なアワードで、次世代のリーダーとして相応しい女性を選出し、表彰します。
会場となったのが六本木ミッドタウン内にあるBillboard Live TOKYO。11名の審査員により、最終選考に進んだ20名のショートリストの発表が行われた後、ファイナリスト10名がステージに呼び込まれ、トロフィーの授与が行われました。
ファイナリスト10名。左から今西由加氏、北田静美氏、工藤萌氏、小林涼子氏、中島明美氏、永田佑子氏、半澤絵里奈氏、堀田夏実氏、満木夏子氏、若月貴子氏
<ファイナリスト10名>
・今西由加氏(キュリオジャパン株式会社 代表取締役社長/一般社団法人 One Young World Japan 理事/株式会社TOW 社外取締役)
グローバル体験や組織のグローバル化を支援するキュリオジャパン株式会社の代表取締役、次世代リーダー育成プラットフォーム「One Young World」の日本支部である一般社団法人One Young World Japanの理事、そしてイベントプロモーションを手掛ける株式会社TOWの社外取締役という3つの肩書きを持つ今西氏。
「株式会社TOW初の社外取締役として、社内でメンタリングやコーチングなどを行っています。もっと人が輝ける会社にしていきたいです」
・北田静美氏(株式会社ウエス 執行役員、CREATIVE5 チーフプロデューサー)
株式会社ウエスは北海道で行われるコンサートやイベントの企画・制作・運営を手掛ける企業です。
「北海道でライジングサンロックフェスティバルなどを主宰しています。音楽に限らず、宮内庁の仕事や高度人材の輩出など、エリアをまたいで女性の活躍ができるよう、サポートできればと考えております」
・工藤萌氏(株式会社ユーグレナ 執行役員/株式会社スープストックトーキョー 顧問ブランディングアドバイザー ヘルスケアカンパニー/顧問ブランディングアドバイザー)
工藤氏は、ユーグレナを活用したバイオベンチャーである株式会社ユーグレナの執行役員、そしてスープ専門チェーンを運営する株式会社スープストックトーキョーでブランディングアドバイザーを務めています。
「マーケティングでは人の認識や行動をどう変えるかが重要です。売れるほど社会がよくなるマーケティングを目指していきます」
・小林涼子氏(株式会社AGRIKO 代表取締役)
モデルや女優として活動する傍ら、2014年に世田谷で循環型農業や福祉を行う企業・株式会社AGRIKOを起業しました。
「家族の体調不良をきっかけに起業し、世田谷の屋上で循環型農業と福祉に取り組んでいます。雇用を通して、障害者雇用を支援していきます」
・中島明美氏(株式会社オリコム 代表取締役社長)
創業100年の歴史を持つ広告代理店のオリコム。中島氏は新卒のプロパー社員から女性社長となりました。
「プロパーから社長というのは異色ですが、そういう人間が自由にやっていくと、おのずと後ろから人がついてくるのではないかと考えています。今日はいい機会をいただけたので、皆様と楽しいひとときを過ごせたらと思っております」
・永田佑子氏(Zホールディングス株式会社/ヤフー株式会社 執行役員)
ポータルサイトYahoo! JAPANを運営するヤフー株式会社の執行役員を務める永田氏。ネットマーケティング歴は20年になると言います。
「会社が変わってもインターネットは技術で、いろいろな制限を取り払い、人の可能性を最大化すると信じています。男性女性関係なく、その可能性があれば、世界が元気になるのではと思っています」
・半澤絵里奈氏(株式会社電通グループ dJサステナビリティ推進オフィス シニア・マネージャー)
電通グループにおける日本事業全体の戦略などを担う企業dentsu Japanで、半沢氏はDE&I推進に取り組んでいます。
「会社がDE&I推進をやるべきと思い、チームを起こして、どのように経営層を動かすかということに対して一生懸命向き合ってきました。今経営層と一緒に、JAAA DE&I委員会を立ち上げ、変えたいと考えている人たちを巻き込んで新しい世界を作っていきたいと考えています」
・堀田夏実氏 (花王株式会社 上席執行役員/ハイジーン&リビングケア事業部門)
ヘアケアやフェイスケアなどのケア用品から生活のお手入れ品、食品まで幅広く取り扱う花王。堀田氏は2021年、執行役員に就任しました。マーケティング歴は30年強になると言います。
「目の前のことをコツコツ取り組んできた結果、今日このような華やかな場にださせていただいて、大変うれしく思っております」
・満木夏子氏(Pivot Tokyo 株式会社 取締役)
グローバルビジネスコミュニティの日本誘致などを行っているPivot Tokyoを主宰する満木氏。Web3を国内に対して推進する場をつくるカンファレンスの開催や、関連する書籍の執筆などもされています。
「日本のグローバル化に微力ながらも貢献していきたいと思っており、まだ日本ではちょっと早いというものをもってきて、世界を広げたいと考えています」
・若月貴子氏(クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパン株式会社 代表取締役社長)
アメリカで創業したドーナツチェーンで、2006年より日本で展開をはじめました。一時期勢いを落としていましたが、最近の売上は絶好調。盛り上がりを見せている企業です。
「今回選ばれると思っていなかったので非常に驚いています。弊社は女性が普通に活躍する会社で、私が評価して頂いたと言うより、環境が評価されたと感じています」
今回のアワードでは、mi-mollet編集長 川良咲子も審査員として参加。授賞式後に感想を聞きました。
審査員としてステージに立つmi-mollet編集長 川良咲子
「式終了後、すぐに交流が始まり、今回のアワードがコミュニティのスタートになると感じました。マーケティングで活躍している女性が繋がる意味があると、今回実感しています。エントリーされた方はどの方も素晴らしく、経歴もすごい方ばかりで刺激を頂きました。取材で出会えない人たちに会うことができて、勉強になりました」(川良)
YouTube Works Awards Japan 2023 受賞式では「『電気よ、動詞になれ。』ピクセルアート」篇がグランプリに
最終日には、YouTubeで高い効果をあげた動画広告を表彰するYouTube Works Awards Japan 2023の授賞式も開催されました。日本での開催は3回目となります。審査対象は、2022 年に実施されたYouTube を活用したキャンペーン。「Action Driver」「Best Brand Lift」「Best Sales Lift」「Best Target Reach」「Breakthrough Advertiser」「Creative Effectiveness」「Force for Good」「YouTube Creator Collaboration」の8部門で審査が行われました。
Grand Prix及びBreakthrough Advertiserを受賞したのは、「『電気よ、動詞になれ。』ピクセルアート篇」この動画広告では、月間サイト訪問数が20 倍以上という驚異の結果を出したと言います。BtoB企業が若者との接点を作る設計をした点や秀逸なコピー、KPIの達成などが評価されました。
広告主:明電舎
広告会社:読売広告社
制作会社:太陽企画
ブランド:明電舎
広告フォーマット:TrueView インストリーム広告
その他の賞については、下記が受賞しました。
・Action Driver「学パ、あげてこ⤴︎」
・Best Brand Lift「ドコモ『卒業生100万人の答辞』/『あの恋をもう一度』」
・Best Sales Lift「最強どん兵衛 最強地下CMッッ!」
・Best Target Reach「ファストCM『かけがえのない人生に、たしかな安心を。』篇」
・Creative Efectiveness「ほろよい飲んで、なにしよう?」
・Force for Good「おうちの中のモンスター」
・YouTube Creator Collaboration「ずっと無理だと思ってた電話ができるようになりました。」
会場と会場の間のスペースを活用した「Amazon Ads Studio」の配信も
スタジオ側からもカフェスペースや往来する人々を見ることができた
また会場と会場の合間のスペースを活用し、設置されたのが「Amazon Ads Studio」です。こちらでは、スケルトンの臨時スタジオが設置され、オンライン配信されている放送の収録現場を誰でも見ることができました。
通路側からはこのようにスタジオを眺めることができた
今年初めての試みという「Amazon Ads Studio」について、Advertising Week Asiaエグゼクティブ ディレクターの吉井陽交氏に聞きました。
「Advertising Week Asiaは会場とオンラインで観覧できますが、それとは別に独自のオンラインチャンネルとして『Amazon Ads Studio』があります。これまでグローバルでは展開してきましたが、アジアでは初の試みです。また、DJブースのようなデザインも初の試みとなります」(吉井氏)
業界人のインタビューの場合、1番組の長さは15分。オンデマンドでも見ることができます。
ブース横のカフェスペースに設置されたディスプレイでも見ることができ、休憩する人たちや通りすがりの人たちが、興味深そうに放送を眺めていました。
Future is Female Awards
開催日時:2023年6月6日(火)
会場:Billboard Live TOKYO
YouTube Works Awards Japan 2023 受賞式
開催日時:2023年6月8日(木)
会場:東京ミッドタウン ホールフロア
Amazon Ads Studio
開催日時:2023年6月6日(水)〜8日(木)
会場: 東京ミッドタウン ホールフロア
筆者プロフィール
C-station編集部
マーケティングの基礎知識、注目キーワードの解説やマーケティングトレンドなど、日々の業務に役立つ記事をお届けします。