マーケティング施策を進めるなかで、課題解決へのプロセスを決めるために役立つのがフレームワークです。本記事では、22のフレームワークを紹介し、どの場面でどのような目的で使用すれば成果につながるかを解説します。テーマに応じて最適なフレームワークを取り入れることができれば、成功への道筋が見えてくるでしょう。
マーケティング フレームワークとは
マーケティングにおけるフレームワークとは、マーケティング上のさまざまな要素や情報を整理し、全体像や課題、さらには解決までの道のりを把握するための枠組みのことを指します。
マーケティングには数多くのフレームワークがあり、それぞれ役割も異なります。状況に合わせてうまく活用することで、その時の事業や製品の状況に適合したマーケティング戦略の立案や実施を可能にしてくれます。
古くからあるフレームワークの中には、時間とともに時代に合わなくなっていくものもあり、あまり囚われすぎると柔軟性を失ってしまう危険性もあります。しかし長年にわたって活用されてきた枠組みは、いまでも課題解決のヒントとなる非常に有効なツールになり得ます。
現状の課題を解決する糸口はどこにあるのか、新しいビジネスチャンスの可能性はあるのか。それらを探るとき、どんな視点で分析し検討すればいいのかを示してくれるのです。
マーケティング フレームワークをどう活用するか
フレームワークを利用することで得られる、具体的なメリットを考えてみましょう。
第一に、課題や目標が可視化され明確になるということです。チームに多くの人材が集まるほど、考え方や意識にずれが生じる可能性も高くなります。フレームワークによって、関わるメンバーが共通の認識を持つことができれば、回り道や余計な衝突を防ぐことができるでしょう。
複数の要素が絡み合う難しい場面で、情報の適正な配置を促し、解決の糸口を示してくれるメリットもあります。情報や思考を過去の成功パターンに基づいて整理することができるため、混乱を防いだり正したりする効果があるのです。力を注ぐポイントが見えてくることで、意思決定にも説得力が生まれます。
フレームワークによる分析が、必ず現状に当てはまるわけではありません。しかし、課題解決ための何らかのヒントが与えられるケースは多いのです。
フレームワークはあくまで課題解決をサポートするものであって、使うことが自体が目的ではありません。フレームワークから導かれた情報をもとに、どのような戦略を立てて実行していくのかが重要であることは言うまでもありません。それでは、さまざまな目的別にフレームワークをご紹介していきましょう。
環境分析や市場分析に役立つフレームワーク
SWOT分析
SWOT分析とは、企業や事業の現状を把握し、戦略の基盤を作るときに用いられるフレームワークです。
SWOT分析では、次の4つの項目から、戦略立案のベースを組み立てていきます。
- 強み : Strength(内部環境で好影響と思われる要因)
- 弱み : Weakness(内部環境で悪影響と思われる要因)
- 機会 : Opportunity(外部環境で好影響と思われる要因)
- 脅威 : Threat(外部環境で悪影響と思われる要因)
新しい戦略を打ち出していくために、自社が市場の中でどのような立場にいるのかを正しく認識することがこのフレームワークの狙いです。まず4項目それぞれに、どのような対応をするかを決め、次に「機会×強み」「脅威×弱み」などのようにかけ合わせながら戦略を練る「クロスSWOT分析」を行います。
これによって、自分達ではコントロールできない外部要因も含めて、プラス要因を活かしマイナス要因を減らしていくのか、具体的な戦略へと反映させることができます。現状分析とともに、新たなビジネスチャンスを探ることもできるのが特徴です。
5フォース分析
5フォース分析は、考えられるリスクを5つに分類し、市場における競争状況を分析するフレームワークです。競争状況を決めるとされている次の5つの要因から市場全体を分析することで、自社の立ち位置を把握するのに役立ちます。
- 市場内の競合他社 : どのような市場であり、どのような特徴を持つ競争相手が存在するか(ブランド力・技術力・資金力 etc.)
- 新規参入の脅威 : 異業種からの新規参入は容易かそうでないか(技術力・資金力・流通 etc.)
- 代替品の脅威 : 代替品や代替サービスによって自社の商品が奪われる可能性はあるか(代替品の質・価格・利便性・乗り換えの手間 etc.)
- 買い手の脅威 : 生活者やユーザーの満足を得ながら収益(適正価格)を確保できるか
- 売り手の脅威 : サプライヤーや代理店などの力が、販売力や収益性に悪影響を与えないか
市場を客観的に理解し、自社に影響を及ぼす要因を見つけることで、新規参入・拡大・撤退などの判断材料として機能します。リソースをどこにどの程度配置すれば収益を上げられるのかを見極めるためにも欠かせないフレームワークです。
3C分析
3C分析は、以下の3つの視点から自社の置かれた現状を分析し、戦略を決定するためのフレームワークです。
- Customer(市場・顧客) : 市場規模/成長性/顧客プロフィール/ニーズ/顧客の行動 etc.
- Competitor(競合) : ポジショニング/シェア/製品やサービスの特徴/ブランドイメージ etc.
- Company(自社) : ポジショニング/シェア/製品やサービスの特徴/ブランドイメージ etc.
この3つの切り口から、環境を検証・整理し、自社の強みや弱み、現在行っている戦略や成果などを可視化していきます。3C分析はマーケティングの最初のステップである環境分析において、シンプルで使いやすいフレームワークですが、特に自社の分析では主観や希望的観測の影響を受けやすくなるため、フラットな視点で分析を進めることが求められます。
3C分析はBtoBビジネスに適しているともいわれます。顧客となる企業の価値を高めるためには、その企業の価値を正しく見極める必要があり、その際に有効です。
PEST分析
PEST分析は、企業を取り巻く外部環境を、4つのマクロ視点から分析するフレームワークです。PEST分析の視点は次の4つです。
- Politics(政治)
- Economy(経済)
- Society(社会)
- Technology(技術)
非常に大きな視点であるため、分析が抽象的になりがちですが、社会全体からその業界の潮流や動向を探るのに効果的です。マーケティングのプロセスで最初に用いられることも多く、今後起こりうる変化を予測する際にも役立ちます。企業活動は常に外部環境に影響を受けており、数年先まで予測しながら中長期的視点で検証することが求められます。新規事業のチャンスやリスクを把握する際にも役立つでしょう。
新規事業や新製品開発に役立つフレームワーク
4P分析
4P分析は、プロダクトアウト(企業視点)で、マーケティングの各構成要素における適正な戦略を立案するためのフレームワークです。4Pとは、次の4つの要素を指します。
- Product(製品)
- Price(価格)
- Place(流通)
- Promotion(販売促進)
環境・市場分析を行った後、4P分析によってマーケティング各要素における戦略を立て、ターゲットにアプローチしていきます。4P分析のように構成要素を組み合わせて展開していくことを「マーケティングミックス」と呼んでいます。
下の図は、地方の自社工場でワインを生産するワイナリーを例とした4Pの設定例です。
なお、4P分析で企業の視点に立ったマーケティング活動を行うことは必要ですが、これだけに偏ると顧客視点を見失ってしまうこともあります。そのため、次に挙げる4C分析を同時に行いながら進めていくことで、より確かな戦略する方法があります。
4C分析
4C分析は4P分析と対をなすもので、顧客視点による要素の分析を行い、マーケティング戦略を立案するためのフレームワークです。4Cは次の4つの要素を指します。
- Customer Value(顧客価値) ※Product(製品)と相対
- Cost(顧客が費やすコスト) ※Price(価格)と相対
- Convenience(顧客にとっての利便性) ※Place(流通)と相対
- Communication(顧客とのコミュニケーション) ※Promotion(販売促進)と相対
4つの要素を売り手側の視点で分析していく4P分析に対し、買い手側の視点を重視したのが4C分析で、顧客ニーズの多様化に合わせ4P分析から派生したフレームワークです。
買い手と売り手それぞれの視点を取り入れ、セットで分析することで、双方にとっての合意点を探ることができます。また、4Cは3C分析と同様にBtoBビジネスに適したフレームワークでもあります。
顧客へのアプローチ戦略の立案に役立つフレームワーク
STP分析
STP分析は、アプローチすべき顧客を明確にするためのフレームワークです。STP分析では、次の3つのステップから、ターゲットを絞って戦略を立てていきます。
- セグメンテーション(S) : 市場・顧客をニーズに注目して細かく分類(セグメント)する
- ターゲティング(T) : セグメントされた中から最もアプローチすべきところを市場として定める
- ポジショニング(P) : 市場における自社の立ち位置を明確にする
セグメンテーションとターゲティングのイメージ
市場を年齢や性別などさまざまな切り口で分類し、どの市場へアプローチしていくのかを決定します。そして、競合における自社製品やサービスの立ち位置を分析し、差別化を図ります。
絞り込んだターゲットに対し、自社の強みを活かしながら効果的なマーケティングを行うために有効なフレームワークです。
RFM分析
RFM分析は、3つの指標を用いて顧客をデータベース化し、効果的なプロモーションを行うためのフレームワークです。RFMは次の3つの要素を指します。
- Recency(最終購買日)
- Frequency(購買頻度)
- Monetary(累積購買金額)
これらの過去の購買状況と、住所、年齢、興味関心など、既存顧客のさまざまな情報をデータベース化し、それぞれの顧客に合ったマーケティングを行うことで、効率よく施策を打ち出すことができます。
REM分析が効果的に働くのは、購入頻度が比較的高く、また繰り返し購買されることが多い価格帯の製品です。高額製品や購入機会の少ない製品の分析や戦略立案には不向きといえるでしょう。
顧客行動を分析するためのフレームワーク
マーケティングファネル
マーケティングファネルは、認知してから購入に至るまでのプロセスを図式化したものです。基本的なマーケティングファネルは、次の段階を踏んでいきます。
- 認知 → 興味・関心 → 比較検討 → 購入
ファネルは「漏斗(じょうご)」という意味があり、顧客が購入に至るまでに減少していくことを示す逆三角形の形と似ていることから、こう呼ばれるようになりました。ターゲットとしている顧客層がどのプロセスにいるかを仮定し、プロセスごとにマーケティング施策を行う際に活用されます。
ただ近年では消費者の購買行動が多様化しており、必ずしも同じプロセスをたどるわけではないことを考慮して戦略を立てていく必要があるでしょう。
AIDMA
AIDMAは、顧客が購買決定に至るプロセスを示すフレームワークです。AIDMAは次の5つの要素を指します。
Atention(注目する) : 消費者がさまざまな情報源から製品やサービスを認知する
Interest(興味を持つ) : 消費者がその製品やサービスに興味を持つ
Desire(欲求が生じる) : 製品やサービスの内容に納得し購買意欲が生まれる
Memory(記憶する) : 製品やサービスについて記憶する
Action(行動する) : 購買意欲が高まり購入に至る
それぞれのプロセスにいる消費者に対して、どのようなアプローチが必要かを戦略的に考えることができるのがAIDMAです。自社の製品やサービスにおいて、消費者のモチベーションはどうあるのか、次の行動を起こさせるポイントは何かを場面ごとに検証し、適切な施策でコミュニケーションをとっていくといいでしょう。
AIDMAは1920年代にアメリカで提唱された購買モデルですが、消費者の購買行動が大きく変化した今も応用が可能なフレームワークです。
AISAS
AISASは、インターネットによる影響を反映しながら消費者の購買プロセスを示すフレームワークです。AISASは次の5つの要素を指します。
- Attention(注意) : 消費者がさまざまな情報源から製品やサービスを認知する
- Interest(関心) : 消費者がその製品やサービスに興味を持つ
- Search(検索) : 検索エンジンなどで製品やサービスについて調べる
- Action(購買) : 製品やサービスを購入する
- Share(情報共有) : 製品やサービスに関する情報をネットや口コミで共有し合う
AISASはAIDMAと同じように購買までの流れを示すものですが、AIDMAの考え方にインターネットよる影響を反映した形で提唱されたものです。消費者が自ら検索行動を行い、製品の購入やサービスの利用後にSNSなどで共有するプロセスが含まれていることが特徴です。企業から発信するプロモーションよりも、顧客から発信する口コミ情報が重要視される昨今では、欠かせない考え方となっています。
DECAX
DECAXは、主にコンテンツマーケティングに対応する購買行動モデルです。DECAXは次の5つの要素を指します。
- 発見(Discovery)
- 関係構築(Engage)
- 確認(Check)
- 行動・購買(Action)
- 体験共有(Experience)
購買行動の最初のステップが「発見」から始まっていることが示しているように、AISASやAIDMAが企業視点で進んでいくのに対し、DECAXは消費者視点であるのが特徴です。他の購買行動モデルにはない「関係構築」のステップがあることも注目すべき点です。
このプロセスは、顧客に有益なコンテンツを提供して製品やサービスに共感を持ってもらい、購買行動促進やリード獲得につなげていくコンテンツマーケティングとぴったり重なります。
SIPS
SIPSは、SNSが消費行動に与える影響を考慮した行動モデルで、次の4つの要素を指します。
- Sympathize(共感)
- Identify(確認)
- Participate(参加)
- Share&Spread(共有・拡散)
「共感」から始まることが大きな特徴で、消費者が発信した情報が起点となって拡散されることで、より多くの共感が生まれることを示しています。購買はプロセスにもゴールにも入っていません。
情報の拡散を企業ではなく消費者が担うことで、「共有・拡散」から新たな「共感」が生まれやすくなります。また、購買には至らなくてもSNSで「共有・拡散」という行動をとる消費者も増えていることから、「参加」のプロセスが入っています。マーケティングにおける売上拡大よりも、コミュニケーションを主眼においたフレームワークと言えるでしょう。
アイデアを発展させていくためのフレームワーク
KJ法
KJ法は、データやアイデアを整理するための、よく知られたフレームワークです。
具体的な手順としては、まず付せん等に1枚につき1つのアイデアや情報を記入します。それを関連する内容ごとにグループ化し、各グループに名前をつけます。1960年代に生まれたデータの整理法で、企業研修や教育の現場など、ビジネスに限らずさまざまな場面で使用されています。
マンダラート
マンダラートは、アイデアを整理・発展させながら課題解決や目標達成を目指すためのフレームワークです。
3×3の9マスを用意し、中心にテーマを記入します。その周りの8マスにテーマから連想される単語を記入していきます。さらに3×3のマスを8個複製して、中心に8つの単語を入れてさらに思考を発展させ、目標までのプロセスを明確にします。シンプルな方法なので、気軽に取り組みやすく、ビジネスや教育の現場で取り入れられています。
メジャーリーグで大活躍中の大谷翔平選手が、高校一年生のときにマンダラートを作成し、そこに描いた夢を実現させていることでも大きな話題となりました。
6W2H
6W2Hは、情報や目標を明確に整理し、正確に伝えるためのフレームワークです。6W2Hには、次の要素が含まれます。
- When(いつ)
- Where(どこで)
- Who(誰が)
- Whom(誰に)
- What(何を)
- Why(なぜ)
- How(どのように)
- How much(いくらで)
よく知られている5W1Hの「誰が」に当たる部分が、「誰が」と「誰に」となり、マーケティング施策を提供する側と提供される側に分けて考えることができる点が特徴です。
例として、駅周辺で最近設置が増えている小さなワークブースのサービスについて、あてはめて考えてみましょう。
When(いつ):ビジネスマンの移動時における空き時間
Where(どこで):乗り換えが発生するターミナル駅やビジネスマンの多い駅の構内・地下道など
Who(誰が):空きスペースを有効に使いたい駅事業者
Whom(誰に):移動の途中で時間を有効に使いたいビジネスマン
What(何を):ひととき静かな環境で仕事やWEB会議ができる環境
Why(なぜ):業務のスピード化/WEB会議の日常化
How(どのように):手軽に設置でき、遮音や空調、電源、WIFIを完備したボックススペース
How much(いくらで):細かい時間単位で支払える価格設定
このように、新規事業における全体戦略などを明確にする際などで特に有効なフレームワークです。
シナリオグラフ
シナリオグラフは、4つの切り口からストーリーを作り、アイデアを生み出すフレームワークです。シナリオグラフでは、次の4つの要素をつなげてストーリーを作っていきます。
- Who(誰が)
- When(いつ)
- Where(どこで)
- What(何をする)
まずテーマを設定し、次に複数の列の中に要素を埋め、さらに図の黄色の部分のように各要素をランダムに選んでストーリーを作ります。そのストーリーから、製品やサービスが利用される具体的なイメージなどを描き出します。(ここでは「商店主が平日の午後、●○●○●○で●○●○●○をする」)
シナリオグラフの表
アイデアをゼロから生み出そうとするとハードルが高くなってしまいますが、シナリオグラフを使えば、思ってもみなかった組み合わせによってこれまで気づかなかったシチュエーションからアイデアが生まれやすくなります。
思考を整理するためのフレームワーク
MECE(ミーシー/ミッシー)
MECEは、事象を整理するための、ロジカルシンキングの基礎となる考え方です。
MECEは「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の頭文字をとったもので、「モレなく、ダブりなく」という意味があります。
モレている層はないか、重なる層はないかを検証していくことで、見逃している大事なことはないか、重複によってムダとなっていることはないか、などを探ることができます。
ターゲットを分類する時や事象を整理する時に欠かせない考え方であることはもちろん、そのほかのフレームワークを扱う場合でも共通して考慮すべき考え方といえます。
MECEな状態の概念図
ロジックツリー
ロジックツリーは、原因や課題、要件などの構成要素をツリー状に書き出すことで、課題解決へ導くフレームワークです。
MECEと同じように、ロジカルシンキングをサポートする手法のひとつで、一見複雑な事象もロジックツリーで整理することで、解決や選択肢、結論などへと可視化されます。
例として「体を動かす趣味を始めたいが、何が自分に向いているか」を考えるときの選択までをロジックツリーにしてみます。
優先事項やなぜその選択がふさわしいのかが明確になり、無駄のないステップで解決につなげていくことができます。
目標設定や改善のためのフレームワーク
SMARTの法則
SMARTの法則は、目標を達成するためのチェック項目として活用できるフレームワークです。SMARTの法則は次の5つの要素を指します。
- Specific(具体的)
- Measurable(計測可能)
- Achievable(実現可能)
- Relevant(関連)
- Time-bound(期限)
目標達成を評価するためには、実現されるべき内容や実現までのプロセスがあいまいになってしまうことを避けなければなりません。たとえば、達成までの期限が設定されていなければ、そもそも施策によって達成されたのかどうかもわかりません。
SMARTの法則は、目標が適切であるか、そして達成の可否や事後の評価を判断するのための指針として有効です。
PDCAサイクル
PDCAサイクルは、目標達成やスキルアップなどを成功させるため多くの場面で用いられるフレームワークです。
PDCAサイクルは、Plan(計画)を立て、Do(実行)し、それに対してCheck(評価)、Act・Action(改善)していくという過程をまとめたものです。
マーケティングにおけるPDCAは、一度だけサイクルを回してもあまり意味がありません。何度も繰り返し回していくことで、課題を見つけ、製品やサービスの質を高めていきます。実行と修正を繰り返す中で、マーケティングの精度を高める助けになります。
KPIツリー
KPIツリーとは、最終目標であるKGIを頂点とし、目標実現のために必要な要素であるKPIを明確に視覚化したものです。
KPIは「Key Performance Indicator」の頭文字をとったもので、KGI(企業の目標値)に影響を与える指標です。それをKPIツリーによって視覚的に分かりやすく示すことで、目標と指標が明確になり、チーム内で共有しやすくなります。
作り方としては、まずKGIを起点とし、続いてKGI達成のために必要な要素を確認します。大まかな要素から細かい要素へと分解し、それぞれに目標値(KPI)を設定することで、最終的にはKPIの積み上げによってKGIに至るツリーができあがります。
KPIツリーを設定する際には、どこに着目して要素を分解すればKGIの達成につながるのかを考える機会が生まれます。さらに事後には、それぞれのKPIを検証することでどこに問題があったのか、KPI自体の設定自体に間違いはなかったか、などを見極め、今後の改善につなげることができます。
フレームワークは、これまで紹介した以外にもまだ多くの種類が存在します。その中から、自社の製品やサービス、外部環境に適合したフレームワークを組み合わせながら、適切に活用することが大切でしょう。
目まぐるしい変化と複雑化が進むこの時代において、フレームワークは思考を整理し、課題解決に向けた施策を打ち出すための心強い味方となってくれるでしょう。
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筆者プロフィール
C-station編集部
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