2023.03.15
「キーワードは『S-BEAUTY』。FRaUならではのビューティを提案していきたい」 FRaUweb編集長 新町真弓 ── Make Future 2023
電通「2022年 日本の広告費」によれば、昨年、日本の総広告費は過去最高の7兆1,021億円を記録。うち3兆円以上が「インターネット広告費」でした。
デジタルシフトが進む広告業界。その象徴とも言える、インターネット広告費拡大の背景には、豊富な選択肢、アプローチも影響しているのではないでしょうか。現在、広告を"届けるだけ"ならば、昔に比べ、はるかに容易に可能です。しかし広告は、心に届いて初めて効果を発揮するものです。
そこで必要となるのが、良質なコンテンツです。インターネット広告費に限定すれば、雑誌デジタルの領域は伸長し続けています。その原動力となっているのが、出版社の持つコンテンツ力です。
編集者の視点、ノウハウをコンテンツに変え、新時代を歩む雑誌由来のデジタルメディア。各編集長たちは、2022年をどのように受け止め、いかにして2023年に新たな未来を切り拓くのか。「FRaUweb」編集長 新町真弓の回答は以下の通りです。
【Q1】 2022年は、「FRaU」または「FRaUweb」にとって、どのような1年でしたか?
2022年は新しいことにチャレンジし、感動に震えた1年でした。
そして、FRaUが読者の方々の「自分の人生は自分で決める」に寄り添ってきた媒体であることを再確認した年でした。
FRaUwebの中で「FRaU the Earth」と「FRaU Edu」という2つの特設サイトをローンチしました。
地球のことも教育のことも、ずっとFRaUwebが大切にしてきたジャンルですが、どうしても読んでいただくのが難しい。だからこそより多くの方に届ける施策として、まとめてご覧いただけるサイトを作りました。前者は長濱ねるさんや美容ジャーナリストの森山和子さん、後者はおおたとしまささんやビリギャルの小林さやかさんなど、魅力的なレギュラー陣の執筆者が揃っています。
また、初の試みとして「FRaU SDGs eduこどもプレゼン・コンテスト」を開催しました。
教育や環境の記事を多く作ってきて、「子どもたちの自由な発想を聞く場所、そして評価し、発表する場所があるといいなあ」と思うようになりました。小学生から高校生までの幅広い「子どもたち」に「2023年にあなたが創りたい未来」をテーマにアイデアを募集したのです。ここで大切にしたのが、「限定しない」こと。年齢の幅広さもそうですが、作文でも、絵でも、動画でも、歌でも、2ギガ以内であればどんな形でも応募できるようにしました。
2022年5月にやりたい! となったところ、スタッフの気持ちが一丸となり、一気にシステムも構築。審査員には福岡伸一さん、小島よしおさん、青木裕子さん、長濱ねるさん、おおたとしまささん、島田由香さん、スコラボの前田智大さんと趙慶佑さんと20代から60代まで素晴らしい方々にご快諾いただきました。星野リゾートさまには、大賞受賞者の副賞として西表島のオリジナルツアーをご用意いただくという豪華なコンテストになりました。
そしてなにより、作品が素晴らしかった! 二次選考に進んだ作品はすべてこちらのページでご覧いただけますが、子どもたちの柔軟な発想ってなんて素晴らしいの! と希望を感じました。福岡伸一さんは以下のようにおっしゃっていました。
「どの提案もたいへんすばらしいものだと感じています。みなさんの意見が、FRaUというメディアを通じて、たくさんの人たちに告知され、社会を動かす契機となることを期待します。その意味で、このコンテストは大変有意義な試みだと思います」
200もの応募作品ひとつひとつ丁寧に見て二次選考に進む作品を選びましたが、本当に素晴らしいものが多く、涙するほどでした。
また、2022年はSRHR(Sexual Reproductive Helth & Rights=性と生殖に関する健康と権利)についても大きな進歩がありました。コロナを経て、社会情勢でも辛いことも多くありました。だからこそ読者のみなさまが現実を知り、今を少しでも笑って過ごせるお手伝いをしていきたい。固定観念にとらわれない生き方をご提案していきたい。その使命を改めて胸に刻む1年となりました。
【Q2】 2023年、「FRaU」または「FRaUweb」が注目している話題、テーマを教えてください。
こどもプレゼン・コンテストは2023年も開催します。教育についてはずっと大切にしてきたテーマでしたが、「大人の学び」も大切にしていきます。
その大人の学びにもつながるのが「JAXURY」です。
これは「Japan's Authentic Luxury」を合わせた造語で、「日本のほんもの」の素晴らしさを伝えていくというもの。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科のオーセンティック・ラクシュアリーラボのみなさまや外部のJAXURY委員会メンバーのみなさまとのコラボ企画で、2019年7月より立ち上がりました。
FRaU本誌やwebなどで日本の優れた技術、おもてなし、クリエイティビティ。化粧品や家具、ファッション、芸能、サービスなど幅広い「日本の素晴らしさ」を伝えてまいりましたが、3月には「Earth」「Edu」に続き、JAXURYの特設ページがローンチします。
2025年に開催される大阪万博に向け、大学の研究所とコラボした本当の「日本スゴイ」をお伝えしていきます。
もうひとつ、「S-BEAUTY」というキーワードでFRaUならではのビューティをご提案していきたいと思っています。
SはサステナブルのSですが、「Self」「Simple」「Sleep」「Story」など多くの意味を内包しています。1991年の創刊当時から、固定観念にとらわれない新しい価値観を伝えてきたFRaUならではの「美しさ」を、本誌とwebとの連動で多角的にお伝えしていきます。
【Q3】 2023年、「FRaU」または「FRaUweb」が、チャレンジしたいと考えていることは?
先ほども書きましたが、「S-BEAUTY」というキーワードで紙とweb共に「美しさ」の新しいご提案をしてまいります。読者のみなさまに「私地球もキレイになる」FRaUをお届けしたいと強く思っています。秋ごろを予定していますが、すでに大型企画のアイデアがどんどん出ています。持続可能で、新しくて、そして地球にも自分にも優しい「ビューティ」を是非一緒にお伝えできれば幸いです。
また、2021年の11月にはバービーさんの『本音の置き場所』、2022年11月には小林さやかさんの『ビリギャルが、またビリになった日』、2023年1月にはにしおかすみこさんの『ポンコツ一家』と、FRaUweb人気連載陣の書籍が刊行となりました。2023年も自信をもってお薦めできる書籍を刊行予定です。
読者の方にも、クライアントの方にも喜んでいただけるものを提供していくことを引き続き大切にしていきたいと思います。
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【make future 2023 記事一覧】
- 「言うは易しのグローバル展開を、ViViらしく実行したい」 NET ViVi編集長 平本哲也
- 「2023年の目標は、"ミドルエイジといえばmi-mollet"と、皆さんに認識していただくこと」 mi-mollet編集長 川良咲子
- 「2023年は、『大学同好会』というカテゴリーにも挑戦します」 ゲキサカ編集長 西山紘平
- 「共働き世帯に大きな影響力を持つメディアになりたい」 with class編集長 岡本朋子
- 「創刊当時のDNAを引き継ぎ、『with』ブランドの正統性を見出したい」 with digital、with online編集長 香月鉄平
- 「唯一無二の"360°美容デジタルメディア"へ」 VOCEウェブサイト編集長 三好さやか