2023.04.05

「創刊当時のDNAを引き継ぎ、『with』ブランドの正統性を見出したい」 with digital、with online編集長 香月鉄平 ── Make Future 2023

電通「2022年 日本の広告費」によれば、昨年、日本の総広告費は過去最高の7兆1,021億円を記録。うち3兆円以上が「インターネット広告費」でした。

デジタルシフトが進む広告業界。その象徴とも言える、インターネット広告費拡大の背景には、豊富な選択肢、アプローチも影響しているのではないでしょうか。現在、広告を"届けるだけ"ならば、昔に比べ、はるかに容易に可能です。しかし広告は、心に届いて初めて効果を発揮するものです。

そこで必要となるのが、良質なコンテンツです。インターネット広告費に限定すれば、雑誌デジタルの領域は伸長し続けています。その原動力となっているのが、出版社の持つコンテンツ力です。

編集者の視点、ノウハウをコンテンツに変え、新時代を歩む雑誌由来のデジタルメディア。各編集長たちは、2022年をどのように受け止め、いかにして2023年に新たな未来を切り拓くのか。「with digital」「with online」編集長 香月鉄平の回答は以下の通りです。

【Q1】 2022年は、「with digital」「with online」にとって、どのような1年でしたか?

41年の歴史を誇る総合女性誌「with」の定期刊行を終え、新たなビジネスモデルを模索した1年でした。

「外部環境の変化に合わせ、より今の時代に即したメディアとは何か?」を問い直す中で行き着いた答えは、「紙のオーソリティは簡単に手放してはならない!」。

その上で、新たに不定期刊行のヴィジュアルインタビュー誌「with」をリニューアル創刊すること。さらに、そこに紐づく新たなwebメディアとして「with digital」の立ち上げでした。「with digital」はインタビューメディアとしてより専門性を高めていきます。

他方、総合女性誌だった旧来の「with」に紐づく世界観を踏襲する「with online」は、今後もwithブランドのポータル的な機能を維持し、今まで以上により広い層にアプローチできる媒体になっていきました。

【Q2】 2023年、「with digital」「with online」が注目している話題、テーマを教えてください。

「with online」は引き続き総合女性メディアとして、あらゆる女性のニーズに応えられるような受け皿の広い媒体を目指します。一方で、「with digital」は新しい時代に即したヴィジュアルインタビューメディアとして、ハイクオリティの写真と読み応えのあるインタビューで読者の皆さんに新たな気づきを与えたり、ファンコミュニティの一端になれる事を目指します。

特に、最近気になっているのは「ブランドアンバサダー」など「『人』がメディアの一端として『ブランド』を物語る」現象が、年々より強くなっていることです。

新しく生まれ変わった「with」はヴィジュアルインタビューメディアなので、「モノ」より「人」にフォーカスした世界観を重視します。当然、その「人」に紐づくファン達が集まりやすいのですが、その先には「モノ」があるはずです。

「モノ」を見て「モノ」が欲しくなるのが旧来の世界だとしたら、逆説的ではありますが今の時代は「モノ」ではなく、「人」にフォーカスするからこそ、より「モノ」が動く世界なのだと思っています。今後は、よりその現象が顕著になっていくのではないでしょうか。

【Q3】 2023年、「with digital」「with online」、チャレンジしたいと考えていることは?

「with digital」には、不定期刊行のヴィジュアルインタビュー誌「with」と連動して上質なインタビューを掲載していきます。「親密」「多様性」「推し」を意識したヴィジュアルと取材で、41年前創刊当時の「with」が標榜していた「カルチャーマガジン」像と極めて親和性の高いメディアを目指します。

ここ数十年のwithは、総合女性誌としてOLさん達のために、美容、ファッション、読み物と様々なコンテンツを提供するイメージが強かったのですが、実は創刊当時、コンテンツの8割が読み物だった「カルチャーマガジン」でした。

今、私たちがチャレンジしている事は、まさに創刊当時のDNAを引き継ぎ、そこに「with」ブランドの正統性を新たに見出す作業なのです。2023年は紙、デジタルを、コンテンツが縦横無尽に行き来し、「ヴィジュアルインタビュー」メディアとしてのポジションをより明確にしていきたいと思っています。

また、「with online」はwithブランド全体のコンテンツが集まるポータルサイトしての機能をより強め、多様なコンテンツで読者のニーズに応えられるようなサイトを目指していきます。

当然のことながら、時代に合わせてメディアは顔を変えていきます。男女雇用機会均等法が成立以降、女性の社会進出が進み、その中で通勤服などの需要が高まったからこそ生まれた総合女性誌with」。そして今、そのお役目は終わり、新たな役割を求められている気がしています。

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