子育て世代のママパパから注目を浴びている、Webメディア『コクリコ』。 児童書や絵本、図鑑など子ども向け書籍やキャラクター系の雑誌などを長年扱ってきた講談社第六事業局が、各編集部を横断するプロジェクトとして立ち上げたサイトです。コクリコは 読書や絵本を起点とした効果的な知育から、コロナ対策までと幅広く子育てのお悩みの解決方法を提案しています。メディア全体の統括・服部徹は、支持されている理由を「子育て世代のママパパならではの悩みに対するヒントや解決策に共感がある」からだと分析。スタートから1年半、どんどん進化する同メディアの魅力を深堀りします。
(左から)コクリコの立ち上げに関わった、幼児図書編集チーム部次長・日下部由佳 、運営を統括しているコクリコ事業チーム担当部長・服部徹と、担当副部長・大矢真史。コクリコのチーム長は第6事業局の那須奈美子局長が兼任している。
子ども向け総合出版の蓄積されたノウハウで
子育て悩み解決を多角的にアプローチ
──はじめに『コクリコ』というサイトの概要と現況を教えてください。
服部 「コクリコ」は、講談社の児童書・図鑑・絵本・幼児雑誌・ディズニー情報などを長年にわたり刊行してきた第六事業局で、2021年3月に立ち上げたWebメディアです。
毎日の子育てに役立つトピックスや、日々子育てする中でつまずいたり、迷ったりするリアルな悩みに対し、役に立つ、ヒントになる、あるいは癒やしになるような情報を発信しています。ターゲットは幅広く、絵本を読む赤ちゃん世代の保護者から、図鑑や児童書を読む小中学生を持つ子育て世代の保護者までフォローしていて、妊娠中や産前産後の方にもご支持いただいています。
大矢 ローンチから約1年半で、立ち上げ当初からおよそ10倍(PV)の成長をしており、子育て世代のママパパからの支持をますます獲得し続けている状況です。
──では、そんな『コクリコ』の、メディアとしての強みを教えてください。
服部 子育て真っ只中の保護者世代には、不安や困りごとが日々出現します。「コクリコ」では、講談社が100年以上前から児童向け出版で子どもたちとその保護者に寄り添い続け蓄積してきた、子育てのさまざまなノウハウが展開されています。ノウハウにあふれている記事に触れることが、課題解決のヒントになる。知育やエンターテインメント性も含め、そのあたりで、ユーザーの共感を得られていると思います。たとえば、どのような記事が人気かというと、産前産後のヘルスケア、未就学児層に向けた健康や体の成長に関する記事、絵本の選び方、お受験情報や知育情報、小学校入学事情、最新のランドセル情報や小1の壁をどう乗り越えるか、パートナーとの子育てや家事分担などなど......。本当に多岐にわたっていて、お子さんの年齢でいえば、出産前から思春期前後までをカバーしています。結果として、幅広い子育て世代に活用いただいている、と。
保護者世代のお悩みに対し、信頼できる立場からのコメントという形で解決策を提案。
ランドセル情報の記事は、昨今のランドセル多様化に合わせて、読者の趣向別に5回連載でじっくり紹介。写真は第二弾のランドセル記事。
子どもがコロナに感染したら実際どうなるのだろう? という不安に対しては、感染対策や、感染した場合の対応について多数の記事を配信。
医師のアドバイスや感染者の体験談を盛り込み、様々なシチュエーション別に具体的な対策・解決策を提案。
子どものいる保護者世代から共感を得た
『コクリコ』での効果的な取り組み
──子育て世代を支援するメディアとして、順調に成長している状況ですね。となるとこの先、彼らをターゲットとする企業からも、徐々に注目が集まりそうですね。
服部 はい。今現在、子育て世代から「コクリコに来れば、子育てのリアルな悩みを解決できる」と認知され、どんどん支持が集まっています。そしてそれと並行して、子育てのお悩み解決をしたい読者の集うサイトとして、彼らをターゲットとする企業からの注目も集まり始めています。
──企業からの注目に関連して、『コクリコ』でタイアップの実績がすでにあれば教えてください。
大矢 たとえば、知育・教育玩具メーカーのアガツマ様のケースが挙げられます。アガツマ様のこむぎねんど「ねんDo!」は、発売から間もなく30年を迎える人気シリーズで、一般的な認知は取れているものの、新たな顧客をいかに獲得するかが課題となっていました。
ねんDo!ねんどにゅるにゅる めんたろうセット/株式会社アガツマ 価格:税込3,300円(税抜3,000円)
日下部 我々が刊行している絵本や幼児雑誌にも同じことが言えますが、こういった幼児向けの市場では特に、子ども達の日々の成長に伴ってどんどんターゲットが入れ替わるので、作り込んだ商品を"どうやって新しい層に知ってもらうか"が肝心ですよね。コロナ禍の外出自粛シーズンや、長期休暇、冬季など、屋内で遊べる粘土は「おこもり需要」も狙えるはず。
大矢 はい。しかし需要が見込まれる一方で、外出自粛や感染対策の影響で、店頭施策の機会が減ってしまったこともあり、より一層、新たなアプローチ方法を模索されていました。そこで、雑誌「おともだち」に、ねんDo!のオリジナル付録セットが付く号で、誌面のタイアップと同時に、コクリコでのWEB記事タイアップを実施し、コクリコの記事では、長年知育書籍の監修等でお付き合いのある脳科学者の澤口俊之先生への取材を通して、「脳に効果的な粘土の遊び方」を紹介しました。
事例記事:こども雑誌『おともだち』と子育てWebメディア『コクリコ』連動による初のタイアップ企画で、商品の知育的要素の訴求を実現!| 広告主:株式会社アガツマ。
タイアップ記事は掲載期間が終了したが、粘土造形家の森井ユカさんを起用した記事は現在も公開中。ねんDo!コラボ付録の遊び方を動画で楽しく紹介している。
──アガツマ様はこの企画の実施後、なんと言っていましたか?
大矢 雑誌では、子どもたちにねんDo!の実物を触ってもらうことで、感触や色、におい、型を使った遊びのバリエーションなど、その楽しさをダイレクトに伝えつつ、Web記事でより多くの層にリーチ。さらに、テレビ番組にもしばしば出演し、広く知られる脳科学者・澤口先生の起用により、ねんDo!の知育的要素を保護者にしっかりアピールできたのではないか、という感想をいただいています。コクリコ読者にとっても、知育は関心の高い分野です。専門家に語ってもらうことや、読者の興味に合わせた切り口で商品の魅力を紹介できるというのは、第三者的な視点を持った記事メディアならではの強みだと自負しています。
服部 今回のように、お子さんターゲットの商品開発・販促を行うメーカーさんは、どうしたら子どもにアプローチできるか、ということをお考えかと思いますが、そこは我々、児童書部門の編集者も同様です。ターゲットとする子ども層がどんなことが好きか、どんな遊びを求めているか、などの課題を共有する同志と言ってもいいですね。同様に、そのお子さんたちの保護者世代へいかに届けるか、という認識や手法についても、通じるところがあると思っています。
──書籍監修等でのお付き合いが、こういったところに生きてくる。児童書部門が培ってきた、長年の信頼や安心感により実現した企画、と言えそうですね。保護者世代へのアプローチという点で他に事例はありますか?
大矢 子を育てる親を知っている『コクリコ』だからこそできる保護者世代へのアプローチという点では、株式会社 FiNC Technologies(フィンクテクノロジーズ)様のダイエット・健康管理アプリFiNCの事例が挙げられると思います。
大矢 新しいユーザー層の開拓というお客様の課題をうけて、サイトにいるママパパ層に向けてアプリの紹介をしました。
通常、美容アプリなどのご紹介は、VOCEのような美容ニーズの高い雑誌で展開します。けれども産後の体の不調や復職予定のママ、子育てで忙しいママパパだからこそ、こういったアプリがお悩み解決に役立つと考えました。子育て中でジムに通う時間もなく、自分のメンテナンスまで行き届かないというお悩みに対して、このアプリを使えば時間がない中でも、子どもの寝た後や隙間時間におうちでAIによる専属トレーナーの提案する効果的なフィットネスが可能になることを訴求しました。
楽しておトクに、手軽だけれど本格的に健康管理できるアプリであることを認知してもらえるように注力し、コンテンツを制作しました。その結果、反響も大きく、FiNCアプリの新たなターゲット層掘り起こしの一助になったのではと思います。
コクリコの大矢真史。企業の課題に合わせて最適な企画を立案する。
読者にも企業にもより親和性と実効性のある
情報とソリューションを提供
──今後、「コクリコ」はますます拡大予定だそうですね。
服部 『コクリコ』では、今後、絵本・児童書のコンテンツの充実、こども雑誌サイトからの独自企画の増加、オリジナルキャラクターを創造する新プロジェクトがスタートします。これらのサイト群を横断するポータルとして「講談社コクリコ」というサイトを新たに整備し、従来の「コクリコ」は子育て世代の問題解決メディアとなります。我々も、クライアントさんも、ターゲットとするところは、同じ年齢層の子どもとその保護者たち、合致しています。そのマーケットを一緒に開拓すべく、ノウハウや知見を出し合いながら、お役に立てる場面が多くあると私は感じています。
長年数々の編集部を経験し、そのノウハウでコクリコを成長させる、服部徹。
子育て世代の悩みは、カテゴリ分けや細分化が難しく、日々の保護者の生活やきょうだいの有無、さらには子どもの成長とともに新たな問題や悩みも次々に湧き出てきます。とても複雑で流動的、悩みの深刻度も人それぞれで厄介きわまりないものです。けれども、さまざまな児童書のノウハウを持つ第六事業局が、部署の垣根を越えて情報やノウハウを「コクリコ」に結集することで、すべてのステークホルダーがハッピーになる。取材を通じてそんな取り組みが生まれる予兆を感じました。事実、サイトスタートから1年半ながらも、いただいたお問い合わせに対して、商品訴求や認知拡大など、クライアントが悩んでいる施策にフレキシブルに向き合い、着々と事例が積みあがってきています。
タイアップ記事、児童書監修者による新たな切り口、ワークショップやオンラインセミナー、サンプリング、講談社のあらゆるメディアとのクロスメディア記事など......。「コクリコ」を使ってどんな取り組みができるか、まだまだ可能性は無限大。子育て・知育情報を扱う編集のプロたちが、お客様のお悩みをうまく取材・編集して、子育て世代に届ける方法を見つけられるはず。ぜひ、一緒に新たな訴求をしてみませんか。