2022.09.16

【MCL】編集者は、読者の声を「宝物」に変えることができる ── 読者との共創によって生まれた大ヒット商品!「エブリデイバッグ」

講談社メディア・コミュニティ・ラボ(略称MCL)」は、メディアの読者コミュニティを活用し、企業のさまざまな課題解決を目指す講談社の新プロジェクト。読者の声を活かした、ヒット商品開発もそのひとつです。
今回は、ミドルエイジの女性から支持されるウェブマガジン「mi-mollet」編集長の川良咲子が、"読者の声"をヒアリングし、ヒット商品を生み出したフェリシモとのコラボ事例を中心に、読者コミュニティと商品開発の親和性について解説します。

購買力が高い、働く40代の女性をコアユーザーに抱える「mi-mollet」

──まずは、「mi-mollet」の読者層と、その特徴について教えてください。

川良 「mi-mollet」は2015年にオープンしたウェブマガジンです。ミドルエイジ(35~45歳)の女性のリアルとチェンジを叶えることをコンセプトに、「あなたはあなたのままでいい」「人と比べない」「年齢を重ねることは楽しいこと」という価値観を、ファッションやビューティなど幅広いテーマを通じて発信しています。

コアユーザーは、購買力が高い、働く40代の女性です。

「mi-mollet」のユーザープロフィール

サイトのユニークユーザー数は月間約400万人、会員(※)登録者数は約9万2000人で、うちメルマガ会員がおよそ5万人。メルマガ開封率が高く、26〜36%となっているのは、「mi-mollet」というメディアと読者の距離が近い証だと感じています。(数字はすべて、2022年8月時点のもの)
※「mi-mollet」には、記事へのコメント機能があり、会員になると記事へのコメント、限定イベントの参加などが可能になる。

なかでも熱量の高い読者が集まっているのが、月額5000円の有料課金コミュニティ〔ミモレ編集室〕です。

熱量が高い読者が集まる有料コミュニティ〔ミモレ編集室〕

──「mi-mollet」では、記事コメントへの返信など、編集者と読者の交流により距離の近さを生み出しています。なぜ、熱量の高い読者に向けて〔ミモレ編集室〕を立ち上げたのでしょうか?

川良 「mi-mollet」には、"ミモレにもっと深く関わりたい"と考える熱量の高いユーザーがいることは以前から知っていました。彼女たちと共創することで新しい可能性が生まれるのではないかと思い、有料のコミュニティを立ち上げました。

コンセプトは「好きを伝え、つなぎ、つながる」。現在約170名のメンバーが参加し、家庭でも職場でもない居心地のいい第3の場所「サードプレイス」として機能しています。

活動内容としては、さまざまな意見交換を行う「オンライン編集会議」や、ゲスト講師を招いた「実践講座」などがあります。ほかに会員から自発的に生まれた「メンバーイベント」などもあります。

読者の声をヒットにつなげた「mi-mollet×フェリシモ」コラボ

──その〔ミモレ編集室〕のオンライン会議から、フェリシモのファッションブランド「IEDIT(イディット)」とのコラボによる大ヒット商品「エブリデイバッグ」は、生まれたそうですね。

川良 通信販売の大手「フェリシモ」社は、以前からユーザーの声を吸い上げた商品開発を行っていました。そのなかで、「mi-mollet」と読者の距離の近さに注目いただき、〔ミモレ編集室〕とのコラボレーションが実現しました。

目指したのは、ミドルエイジの女性たちのリアルな声を反映した商品です。そこでまずは、〔ミモレ編集室〕で「どんな商品を開発したらよいと思うか」をテーマに簡単な聞き取りを実施しました。

すると、〔ミモレ編集室〕の1期生で、その後ブログ「介護ダイアリー」が人気を博した、会社員の小黒 悠(おぐろ・ゆう)さんから、「快適で機能的なホスピタルバッグ(通院バッグ)」というアイデアが出てきました。

後日、〔ミモレ編集室〕メンバーが集まり行われた、オンライン座談会の様子

そのまま開発コンセプトになった「読者の声」

──そのアイデア(読者の声)が、「エブリデイバッグ」の開発にどのように寄与したのですか?

川良 快適で機能的なのに、見た目はおしゃれなバッグは以外とないので、ほぼそのままコラボバッグの開発コンセプトとなりました。

目指したのは、多機能で、育児や介護など、ミモレ読者のリアルに寄り添いながら、利用シーンを限定しない、毎日使えるマルチユースなバッグ。その実現のために必要な要素も、〔ミモレ編集室〕のメンバーから意見を募りました。

・ナイロン製で軽い
・やわらかい
・収納が多い
・濡れた傘やペットボトルも収納できる

ほかにも、「仕事帰りのジムに行くときに使いたい」や「子どもの習い事の送迎に使いたい」といった声も反映し、日々の暮らしに寄り添い、毎日使える「エブリデイバッグ」が完成しました。

自身のアイデアが形になった「エブリデイバッグ」を持つ、〔ミモレ編集室〕の小黒悠さん

共感が広がり、わずか2ヵ月で、受注累計1万個を突破

──〔ミモレ編集室〕メンバーの声をヒアリングして生まれた「エブリデイバッグ」の反響はいかがでしたか?

川良 販売開始からわずか2ヵ月間で受注累計数が1万個(2021年10月末時点)を突破する大ヒットとなりました。

大容量・多機能でマルチに使える「エブリデイバッグ」は、大ヒットを記録。
2022年4月末には、受注累計1万3000個を突破した

──今回のコラボが成功した理由はどこにあると思いますか?

川良 いちばんは、「mi-mollet」読者と、フェリシモユーザーの親和性が高かったことではないでしょうか。「mi-mollet」読者のリアルな声がそのまま、フェリシモユーザーの共感につながったからこそ、ヒットしたのだと考えています。

加えて、「mi-mollet」上では、さまざまなPR記事を展開しました。

「mi-mollet」編集者や〔ミモレ編集室〕メンバーが、実際にバッグを毎日使った感想とコーディネートを紹介する記事や、「with online」「共働きwith」岡本編集長による6パターンのコーディネート記事を公開するなど、マルチで使えるバッグの利便性をさまざまな角度から届けたことも、共感につながったと感じています。

コラボバッグのPRとして、「mi-mollet」上では、リアルな使用感などを届ける記事が8本公開された

「作る」から「届ける」までを実現する「mi-mollet STORE」

──最近ではECショップ「mi-mollet STORE(ミモレストア)」もオープンし、さらに読者とのタッチポイントを増やしています。その理由を教えてください。

川良 「mi-mollet STORE」は2022年6月10日にオープンしたコンセプト型のメディアコマースサイトです。

コンセプト型のメディアコマースサイト「mi-mollet STORE

"メディア"と付いているのは、ただ売るだけでなく、「それを手にした先にあるおしゃれや暮らしのスタイル」を提案したいからです。ラインナップも厳選し、商品にまつわる物語やスタイリング提案を読むだけでも楽しいショップを目指しています。

「mi-mollet」ではこれまでにも、サイトオープン3周年、5周年のタイミングでいろいろなブランドとコラボした「特装ボックス」を販売し、毎回大きな反響を生み出してきました。

5周年記念の特装ボックスは、定価8万円。100名限定だったが、応募者が殺到し、即完した

ECショップをオープンしたことで、読者に「mi-mollet」が"いま"いちばんお伝えしたいおしゃれや暮らしのスタイルを、より丁寧にお届けできるようになったと考えています。

また、これまでメディアとして築いてきた読者との信頼関係を、「mi-mollet STORE」を通じてさらに深めることができるのではないかと期待しています。

編集者は、読者の声を「宝物」に変えることができる

──ECショップが誕生したことで、「mi-mollet」と企業のコラボレーションの幅は、さらに広がりそうですね。

川良 はい。「作る」から「届ける」まで担えるようになったことは大きな変化だと考えています。ぜひ多くの企業の方に、「mi-mollet」読者のポテンシャルを知ってほしいなと思います。

ユーザーの声をヒアリングすることは、メディアでなくても可能です。しかし私たち編集者は、読者の声からさまざまなヒントを抽出し、その価値を「宝物」に変えることができます。それを記事であったり、商品であったり、イベント企画であったりと、さまざまなアウトプットにすることが可能です。

加えて「mi-mollet」には、アイデアを生み出せる熱量の高い読者の集まるコミュニティが存在しています。その熱はきっと、企業のさまざまな課題解決に寄与できるはずです。ぜひお気軽にご相談ください。

左・mi-mollet STOREのバイイングディレクターを務めるスタイリストの福田麻琴さん。
右・mi-mollet編集長の川良咲子

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