日本的な美しさ、日本発のラクシュアリー「Japan's Authentic Luxury(ジャンパンズ・オーセンティック・ラクシュアリー」=略称JAXURYというフィロソフィーによる初のアワード「JAXURY AWARD2021」が先日3月25日に開催。JAXURY委員会のメンバーと、各地から集う本物の美の作り手たちによって、これからの時代に必要な価値に光が当てられました。
「JAXURY AWARD 2021」は、感染拡大予防のため最大限の対策をした上で開催された
日本発のラクシュアリーの価値を讃えるアワード
日々を豊かにしてくれる「日本発のラクシュアリー」。その価値を広く伝えたいという思いから、JAXURY委員会は2019年に発足しました。
「JAXURY(JAPAN'S AUTHENTIC LUXURY)」=略称JAXURYとは、日本発(JAPAN)、ほんものの(AUTHENTIC)、心地よさ(LUXURY)を体現する「もの」「こと」「サービス」を指します。その対象は、ファッションや食、美容にホテル、カルチャーなど、オールジャンルに亘ります。
今回、初の開催となるアワード「JAXURY AWARD 2021」は、本質的な豊かさを提供する商品やサービスに光を当て、これらのブランドの素晴らしさや価値を讃え、広く社会に伝えていくことで人々の生活や社会をより豊かにしていくことを目指した取り組みです。
審査は、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科オーセンティック・ラクシュアリーラボで研究された「JAXURY10の視点」を基に、各界の有識者で結成されたJAXURY委員会(※)にて実施。厳正なる審査の上、選出された100社の中から部門賞20社とJAXURY大賞社が決定しました。
※JAXURY委員会
ひとりひとりが「ほんもの」の自分の人生を心地よく豊かにしていくことこそが本当のラグジュアリーであるという考え方に賛同する各界の有識者で結成。アワードの実施のほか、学術機関との連携による調査・研究および勉強会の実施や、それらの活動報告を通じてAuthentic Luxuryの概念を日本から世界へと羽ばたかせることを目指している。
<メンバー>
前野隆司(慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授)
小山薫堂(脚本家、放送作家)
重松 理(ユナイテッドアローズ名誉会長)
奈良宗久(裏千家今日庵業躰)
齋藤 薫(美容ジャーナリスト、エッセイスト)
森岡 弘(ファッションディレクター、スタイリスト)
隅谷彰宏(テイラーアンドクロース株式会社代表取締役)
川合寛妥(株式会社赤坂柿山代表取締役社長)
吉岡久美子(講談社 FRaU JAXURY号 編集責任)
始めに、JAXURY委員会の発起人であり、テイラーアンドクロース株式会社代表取締役 隅谷彰宏理事より、挨拶とともに授賞式の開催主旨とJAXURYについて説明がありました。
隅谷彰宏さん
慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科(SDM) 附属 システムデザイン・マネジメント研究所オーセンティック・ラクシュアリーラボ研究員。テイラーアンドクロース株式会社代表取締役
隅谷彰宏さん(以下、隅谷) "Luxury"を英英辞典で調べると、「とても心地がいい」とか「めったに出会えない喜び」とあります。加えて、日本では本当に価値のあることについて"Authentic(本物)"と呼ぶことがあります。そこで日本人にとってのLuxuryとは、「Authentic Luxury」であると定義しました。
その後、ラボの研究を進めるなかで、JAXURY(JAPAN'S AUTHENTIC LUXURY)の指針となる10の視点を導き出しました。
【JAXURY 10の視点】
1.クラフトマンシップ
2.感性
3.信頼
4.本来感
5.唯一無二
6.美
7.日常的な上質さ
8.神話・歴史
9.幸運・僥倖
10.利他
この視点をもとに、100のブランド様と部門賞、大賞という形で今回アワードを選出させていただきます。
部門賞「クラフトマンシップ」 開化堂、グランドセイコー/プレゼンター・小山薫堂さん
部門賞「クラフトマンシップ」は、作り手やサービスの提供者が「心から良いと思うものを」を嘘いつわりなく追及し、そうして創造れたものやサービスが彼らの信念を世界に具現化しているという視点で選出されました。
1. 100年使える茶筒「開化堂」
・選評:
「開化堂さんの茶筒は理屈抜きに美しくて、one of themではなく、すべてがone of oneの作品になっているのが素晴らしい」(小山さん)
・開化堂 受賞コメント:
「使われる方がどのような思いで使うのかを考えながら物を作るクラフトマンシップによって、心地よさが生まれてくると、あらためて思いました」(株式会社開化堂 六代目 代表取締役社長 八木 隆裕さん)
2.独自の世界最高技術の時計「グランドセイコー」
・選評:
「圧倒的なもの作りの姿勢と、細部にまで行き届いた日本的な美意識が魅力。ジャパニーズブランドの次なるレガシーになる予感がします」(小山さん)
・グランドセイコー 受賞コメント:
「世界最高峰の腕時計を作るという志で誕生してからずっと、一丸となって、ただひたすらに腕時計の本質を追求し続けてきました」(セイコーウオッチ株式会社 執行役員 種村清美さん)
部門賞「感性」 ACRO、サントリー/プレゼンター・齋藤薫さん
部門賞「感性」は、かかわるすべての人が、本質的な価値を感じ取る感性を持ち合わせていることで、クラフトマンシップにより具現化された信念が体感、理解され、愛されているという視点で選出されました。
1.新しい価値を社会に投げかける4つの新コスメブランドを開発「ACRO」
・選評:
「グレーを憧れの色へ変えた『THREE』を始め、コスメ界にACRO以前、以後という考え方を生むほどの影響力を与えました」(齋藤さん)
・ACRO 受賞コメント:
「日本の叡智をキーワードに、ACRO社ができて13年。『FRaU』JAXURY号で日本ラグジュアリーの真髄についてお話させていただきましたので、ぜひご覧ください」(株式会社ACRO ファウンダー&ブランドアドバイザー 石橋 寧さん)
2.世界を魅了するジャパニーズウイスキー&クラフトジン「サントリー」
・選評:
「『響』は蒸留酒の頂点を極めたお酒。100万樽の原酒から選り抜きのお酒をブレンドした、日本人の繊細な感性がなければ生まれてなかった日本の味です」(齋藤さん)
・サントリー 受賞コメント:
「日本人の繊細な感性に合うウイスキーを作ることから始めた事業が、世界の人々の感性に少しでも触れられたことで、このような賞をいただけたのだと思います」(サントリースピリッツ株式会社 執行役員ウイスキー事業部長 鳥井憲護さん)
部門賞「信頼」 一澤信三郎帆布、日本橋 千疋屋総本店/プレゼンター・森岡弘さん
部門賞「信頼」は、提供する側と受け取る側とが互いのクラフトマンシップと感性を信頼し合っており、その双方向の信頼が存在することで、ものやサービスに宿る信念が人から人へ継承されていくという視点で選出されました。
1.職人が支える100年続くかばんづくり「一澤信三郎帆布」
・選評:
「1年間使用し、もう一度見直して初めて商品化される。この業界ではこれほど時間をかけて世に生まれてくるものはありません」(森岡さん)
・一澤信三郎帆布 受賞コメント:
「モットーは、時代に遅れ続ける。手間暇を惜しまずにいい素材を使って作るオンリーワンでありたいと願っています」(株式会社一澤信三郎帆布 代表取締役社長 一澤信三郎さん)
2.高級フルーツを世に広めてきた「日本橋 千疋屋総本店」
・選評:
「非常にフェアプライス。いつでもおいしいと、満足して幸せな気持ちになります。これがプライドであり、信頼感のある商品だと思います」(森岡さん)
・日本橋 千疋屋総本店 受賞コメント:
「私どもは果物を作っていません。果物を作っているのは、日本の素晴らしい生産者の皆さんです。日本の果物を応援するためにも皆さんに召し上がっていただきたいです」(株式会社千疋屋総本店 常務取締役 大島 有志生さん)
部門賞「唯一無二」 ガンツウ、京都宇治茶房 山本甚次郎/プレゼンター・奈良宗久さん
部門賞「唯一無二」は、その価値は、ほかの何かと比べることのできない唯一無二の何かであるという視点で選出されました。
1.瀬戸内クルーズの新機軸「ガンツウ」
・選評:
「瀬戸内の雄大な海を、和と洋の融合した舟の中で過ごすことは、素晴らしい価値観を生み出すはず」(奈良さん)
・ガンツウ 受賞コメント:
「瀬戸内の海に浮かぶ小さな宿をコンセプトにした客船、ガンツウは、他では体験できない唯一無二のサービスの提供を心がけています」
2.百余年にわたって茶園を営むブランド「京都宇治茶房 山本甚次郎」
・選評:
「古来からの、よしず製法にこだわった、唯一無二の努力と価値というものが素晴らしい。日常にはない価値を感じられるはず」(奈良さん)
・京都宇治茶房 山本甚次郎 受賞コメント:
「宇治茶は700年ほど歴史がありますが、お茶に関わる人々が研鑽してきた技術や文化のおかげです」(京都宇治茶房 山本甚次郎 六代目山本甚太郎さん ※オンライン参加)
部門賞「美」 中川木工芸、マメ クロゴウチ/プレゼンター・吉岡久美子
部門賞「美」は、ものやサービスが想像され享受されるまで、通底して美が成り立ち、そのすべての瞬間が人々の情動に訴えかける美的体験であるという視点で選出されました。
1.シャンパンクーラーとして世界的に有名な木桶「中川木工芸」
・選評:
「小山薫堂さんの評にもありましたが、シャンパンクーラーに限らず、木工芸の魅力をすべての国の人間の美意識に訴えかける。挑戦を続ける中川さんに拍手を送りたいと思います」(吉岡)
・中川木工芸 受賞コメント:
「工芸はテクノロジーが進んだ今、生活を便利にするためのものから美意識を育てていく役割に。自分の目で美を見つけ出す、新しい生き方の提案です」(中川木工芸比良工房 主宰 中川周士さん)
2.複雑美のレース、ドレス「マメ クロゴウチ」
・選評:
「日本の着物文化を継承しており、もはや工芸のレベル。若い女性にも訴え、世界のブランドをも惹きつける、生き物のような複雑な美しさに感動します」(吉岡)
・マメ クロゴウチ 受賞コメント:
「私たちのもの作りには長い背景があります。日常の中の美を大切にすくい上げ、女性に優しく寄り添うタイムレスなもの作りを続けられるよう精進いたします」(株式会社黒河内デザイン事務所 PR & Communications Manager 小島佑太さん)
部門賞「日常的な上質さ」 朝日焼、ジャクソン/プレゼンター・奈良宗久
部門賞「日常的な上質さ」は、特別な日や特別な出来事に限らず、日々の暮らしにも上質さと豊かさをもたらすという視点で選出されました。
1.見て触って、心を満たす器「朝日焼」
・選評:
「朝日焼は『わびさび』に明るさと優美さを加味した『綺麗さび』がコンセプト。当代十六世の綺麗さびブルーは、これまで人が作っていない色だと感心させられます」(奈良さん)
・朝日焼 受賞コメント:
「日常、あるいは日常の中にある非日常、非日常の中にある日常、そんな人生そのものを豊かにするもの作りを、お茶を通してやっていきたいです」(朝日焼十六世窯元 松林豊斎さん)
2.檜とアクリルが融合した現代の檜風呂「ジャクソン」
・選評:
「日本の入浴文化をデザインの力で世界基準へと高めた点を、大変評価させていただきました」(奈良さん)
・ジャクソン 受賞コメント:
「日本の風呂文化を世界に発信することを企業理念に掲げ、水の豊かな日本ならではの文化を発信するために続けてきたブランドです」(blisspa japan株式会社 代表取締役社長 鈴木祐二さん(JAXON事業部))
部門賞「本来感」 資生堂、スノーピーク/プレゼンター・齋藤薫さん
部門賞「本来感」は、そのものやサービスを享受することは受け取る側にとって自分らしいと感じられることで、享受するほどに本来の自分へもっとも近づいていく、あるいは還っていくことができるという視点で選出されました。
1.生粋にして最強のJAXURY「資生堂」
・選評:
「時々、資生堂というブランドがこの世に『もしなかったら』と考えます。圧倒的な技術力、創造性。これ以上の本来感を極めたブランドはないのではないでしょうか」(齋藤さん)
・資生堂 受賞コメント:
「これからも、ART & SCIENCEで期待と想像を超える価値づくりをモットーにサステイナブルな社会に貢献してまいります」(資生堂ジャパン株式会社 執行役員 チーフクリエイティブオフィサー 兼 社会価値創造本部副本部長 山本尚美さん ※オンライン参加)
2.洗練アウトドア&体験型施設「スノーピーク」
・選評:
「自然と交わるという最も贅沢な世界を高次元の形で表現され、そこにやっと時代が追い付いてきた。物によって事の素晴らしさを際立ていく、未来のラグジュアリー」(齋藤さん)
・スノーピーク 受賞コメント:
「自然と人、人と人とがつながり、人が人らしく生きるすべての時間にキャンプの力が豊さを与えてくれることを信じて精進していきます」(株式会社スノーピーク 代表取締役社長 山井 梨沙さん)
部門賞「神話・歴史」 仁和寺 松林庵、とらや/プレゼンター・森岡弘さん
「神話・歴史」は、その価値に触れることは神話や夢を想起させ、長い時間と歴史の中に自身を位置づけることができるという視点で選出されました。
1.1泊100万で泊まれる世界遺産「仁和寺 松林庵」
・選評:
「さまざまな思いを空想して時間という枠を飛び越えていくのではと、驚きました。世界中でここでしか体験できない空間、時間を持てます」(森岡さん)
・仁和寺 松林庵 受賞コメント:
「世界文化遺産の仁和寺 松林庵に宿泊し、さまざまな体験をしてもらえる事業です。国内のコンテンツの充実と創出は、この社会情勢において急務と考えております」(総本山 仁和寺 執行長 吉田正裕さん)
2. 5世紀にわたり、和菓子とともに歩む「とらや」
・選評:
「歴史、風格、そして革新それぞれの部門で非常に研ぎ澄まされた感性をお持ちです。安心感を担保しながら顧客の気持ちも理解し、前へ進んでいくスタイルを評価したいです」(森岡さん)
部門賞「幸運・僥倖」 ショウナイホテル スイデンテラス、LEXUS/プレゼンター・川合寛妥さん
部門賞「幸運・僥倖」は、めったに得られない喜びを感じさせ、その幸運さに感謝し、祝福したくなるという視点で選出されました。
1.田んぼに浮かぶホテル「ショウナイホテル スイデンテラス」
・選評:
「ソフィスティケートされた建物の中で地産地消の食べ物をいただき、過ごす時間は日本人にとっての原体験的な幸福感だと思っています」(川合さん)
・ショウナイホテル スイデンテラス 受賞コメント:
「晴耕雨読の時を過ごす田んぼに浮かぶホテルがコンセプトです。世界に誇れる日本の地方都市の資源や魅力が証明され、より多くの地域に希望をもたらすことを願っています」(ショウナイホテル スイデンテラス代表 山中大介さん)
2.レクサスが、若き匠をサポート。社会とつなげ、未来につなげる「LEXUS」
・選評:
「快適さやラグジュアリーな点については外国製の後塵を拝していましたが、レクサスは日本車の歴史を塗り替えた。日本の匠の技術を応用しているところが非常に素晴らしい」(川合さん)
・LEXUS 受賞コメント:
「LEXUS NEW TAKUMI PROJECTをはじめ、あらゆる取り組みを通じて、お客様により多くの幸せを届けたいと考えております」
部門賞「利他」小布施堂、勇心酒造/プレゼンター・川合寛妥さん
部門賞「利他」は、心づかいや他者への思いやりを醸成し、そのあらわれとして良い影響が周囲へと波及していくという視点で選出されました。
1.名産の栗を使ったスイーツを開発「小布施堂」
・選評:
「非常に優雅な和栗のモンブランを使い、地域の発展に貢献。同業他社と協力して街づくりを行っている点にも拍手を送りたい」(川合さん)
2.老舗の造り酒屋が生み出した美容成分「勇心酒造」
・選評:
日本古来の発酵の技術を化粧品やその他の部分にも転換させている。生かされているという哲学を持ち、人の内面の力を引き出すもの作りは、まさに日本らしい利他」(川合さん)
・勇心酒造 受賞コメント:
「醸造発酵の技術と日本人が親しんできたお米には、日本人の価値観や自然感が凝集されており、この化粧品には肌との付き合い方をも変えていく力があると信じています」(勇心酒造株式会社 常務 徳山孝仁さん)
「JAXURY大賞」Time&Style、パレスホテル東京、HOSOO
1.職人のクラフトマンシップを生かす感性を磨き続けるインテリアブランド「Time&Style」
・選評:
「代表の吉田さんは、全国80ヵ所の職人さんにまず会いに行く。そしてその土地が育んだ感性やクラフトマンシップを活かし、日常的な上質さに合うものを探し始める。これは本当に利他だなと感じました。日本の風土に根差した工芸をよい形でリファインして世界中に届けてくれます」(吉岡)
・Time&Style 受賞コメント:
「伝統をベースにした物作りに共感していただき、昨年イタリアのインテリアブランドとパートナーシップを結び、世界の70都市で共同プロジェクトとなる家具コレクションの販売を開始しました。これからも日本の物作りから学び、後世に伝えられるようなもの作りを続けていきたいです」(Time&Style プレステージジャパン代表取締役 吉田 龍太郎さん)
2.開業60年を迎える名実ともに日本を代表するホテル「パレスホテル東京」
・選評:
「世界のVIPが訪れたときも、きちっとしているのにフレンドリーで、都会なのに皇居が見えて緑がある。高級なのに、入りやすいというホテルです。外国のお客様が、和の物はないのに洗練されていて和だ、と言います。まさにオーセンティック・ラクシュアリーな、日本を代表するホテルだと思います」(前野さん)
・パレスホテル東京 受賞コメント:
「国産のホテルブランドとして最上質の日本を世界に発信していこうと、2012年にリニューアルオープンをいたしました。JAXURYとは、ホテルスタッフひとりひとりの真心、あるいはその感性の中にJAXURYの視点が自然に醸成されていき、品格や気品のようなものが自然に溢れ出てくるようなものと考えています」(パレスホテル東京 総支配人 渡部勝さん)
3.元禄時代創業の老舗による、ハイエンドなテキスタイルブランド「HOSOO」
・選評:
「これぞ、伝統と革新の雄。西陣に新しい挑戦をしている会社があると紹介していただいたのが15年前です。私は和装が好きで西陣の織物が大変好きで、すごいなと思ってずっと見てきました。日本を代表するJAXURYブランドとして世界に出ていってほしいです」(重松さん)
・HOSOO 受賞コメント:
「西陣織の歴史を振り返ると1200年になります。その中で変わらず大事にしてきているものが美です。戦争や明治の遷都など激動の瞬間にも、未来に繋いでいくために革新を起こして協業してきました。先人たちが受け継いでくれた最高峰の美のバトンを手に、今の時代にしかできない西陣織を追求していきたいと思います」(株式会社細尾 代表取締役社長 細尾真孝さん)
総評 「本物は人を幸せにする」(小山薫堂)
小山 JAXURYは、ただの精神論でも概念だけでもなく、きっちりとした研究のもと、世界に発信するというところに、価値があると思います。
本物って何だろうと、自分なりに考えました。本という字の最後の横線の部分は木の根っこを指していたようです。では何が根っこのものだろうと考えたときに、やはり、人を幸せにするもの、幸せになるものこそが本物ではないかなと思いました。
魯山人が「坐辺師友(ざへんしゆう)」という言葉を残しています。
「自分が座っているあたりのものが師であり友である。美しいもの本物に囲まれて暮らしていればおのずとその人も優れた人間になれる」
まさにJAXURYは「坐辺師友」の導きを作るものではないかと思っています。
最後に、隅谷彰宏さんが今後の意気込みを語り、アワードは閉会しました。
隅谷 心から良いと思う唯一無二の物事を自らの力で生み出すことによって価値を認め、人々が自分らしい生き方に誇りを持ち、心から幸せと思える社会にしたい。純粋にこういったことを思いながら生きていく時代なんじゃないかと思っています。
目の前のことも読めない時代ではありますが、こういう時代だからこそ未来へ向かって進んでいいきたい。JAXURYという道を作っていけたらと思っています。
大賞・部門賞を含めた「JAXURY AWARD2021」受賞100社の詳細は、FRaU2021年5月号で読むことができる