2020.06.22

スマホ動画クリエイターが語る「動画の最新トレンドとは?」──動画編集ノウハウと動画マーケティング

with girls 動画クリエイター」の動画講師としても活躍している、スマホ動画クリエイターのpitaco先生。使いやすい動画編集アプリによって、拡張するインフルエンサーの可能性と、最新の動画トレンドについて、聞きました。

Pitaco先生の「スマホ動画編集講座」は、機械が苦手な方や初心者でも「初めの一歩が踏み出せる」と人気を博している

アプリの進化がインフルエンサーを進化させた

──写真がメインのインスタグラマーの中には、「動画にも挑戦したいけれど、ハードルが高い」と感じている人がいると聞きます。しかしpitaco先生に言わせると、「それは違う」そうですね。

pitaco先生(以下、Pitaco) はい。今や動画制作は、スマホ1台あれば誰でも始めることができます。超初心者の方でも、3時間あれば、かなりの動画が作れるようになります。昨年開催したwith girls向けの動画制作基礎講座では、30分で参加者全員が、スマホだけで撮影・編集(BGM付)ができるようになりました。

201911月に「with girls STAR100 special party」で
with girls 動画クリエイターに向けて行われた動画制作基礎講座の様子

──たった3時間ですか。何か、簡単に動画制作ができる「コツ」のようなものがあるのでしょうか?

pitaco with girlsの人たちは、普段から写真を撮り慣れていますし、そもそもクリエイティブに対するセンスがいい、というのも時短につながっている要因のひとつです。しかし最大の理由は、アプリの進化によるところが大きいと考えています。私が個人的におすすめしている、無料の動画編集アプリ「VLLO(ブロ)」は、直感的で使いやすいインターフェースが特徴です。このアプリをインストールするだけで、スマホで撮影から効果音や音楽の設定などを含めた一連の編集がすべて可能です。

また、「VLLO」を使っていると、動画編集の基礎を学ぶことができますから、さらなる高みを目指してパソコンの編集ソフトにトライする際も、理解が早まるはずです。

pitaco先生おすすめのアプリ「VLLO(ブロ)

──インフルエンサーとしては、「見てもらう」ことも重要です。そのためには、どんなことを意識したらよいのでしょうか?

pitaco 作品の中に、しっかりと自分の「思い」を込めて、発信することだと思います。PRの場合なら、会社の商品や企業のよさだけを上辺で伝えるのではなく、つたなくてもいいから、自分の言葉、表現で、自分がその商品や会社を「なぜいいと思っているのか」が伝えることが大切です。

「with girls 動画クリエイター」の場合なら、ただ単に展示会などに参加して新商品のPRをするのではなく、その新商品を使っているインフルエンサーの人柄や魅力を発信すること。そうすることでファンも増えますし、動画に興味を持ってもらうことにもつながると考えています。

私が彼女たちの講師をした時には、実際、そう伝えました。だから彼女たちの多くは、ちゃんと動画の中でも"自分らしさ"を表現する術を持っている傾向にあります。

with girls動画クリエイターの動画制作事例https://www.instagram.com/p/CA5IWVqgCtz/

──自分が「いい」と思っていることを、フォロワーにも共感してもらう。そのためには、自分らしくあるべき、ということなのですね。

pitaco 当たり前のことですが、自分が本当にいいと思わなければ、見ている人に気持ちは伝わりません。今は個人でもたくさんの動画が発信されている時代です。作り手目線でいろいろな動画を見て、自分がいいな、と思った理由を分析して、自分の作る動画にも活かしていく。その繰り返しによって、動画の質もどんどん向上していくわけです。

同時に、「見てもらいたい人(ターゲット)」を意識することも重要です。たとえば化粧品の場合、10代と40代向けでは、おすすめ商品もアプローチ方法もまったく違いますよね。動画も同じで、見せたい相手によって、文字のフォントやデザイン、挿入する音楽なども変わってきます。そのためには、自分が発信したい相手が興味のありそうなジャンルや商品の動画を数多く見て、ターゲットの嗜好をつかむことも大切です。

──しかし音楽や人物を使う場合には、さまざまな制約があります。その点はどうクリアすればいいのでしょうか。

pitaco 許可なく人を撮影し、SNSにアップするのはNGですし、著作権や肖像権に配慮するのは当然。この辺りは、インフルエンサーとして活動している人なら、ほぼ理解しています。ですが、音楽となると別です。その点、動画編集アプリ「VLLO」は著作権フリーの音楽も利用できる仕様になっているため、安心です。

ちなみに、これまでは、YouTubeのように制作も出演も自分ひとりで行う動画が多かったのですが、年々動画クオリティが上がってきていることもあり、最近は得意分野を活かしてチームで動画編集を行う人も増えています。私がお手伝いしている、with girlsから生まれた「with girls 動画クリエイター」の中でも、ひとりでスタートし、現在はチームを組んで、「高クオリティの動画」を完成させるインフルエンサーも出てきています。

そのすべての始まりはアプリによるものです。つまり、アプリの進化がインフルエンサーの進化にもつながったわけです。

今、注目すべきは「Vlog」

──動画にも「トレンド」があり、そこも意識することが重要だと思います。pitaco先生が注目する「最新トレンド」を教えてください。

pitaco 自分の好きなことを文章で表現する、ブログの動画版「Vlog」(Video blog)」に注目しています。

海外発で、今、日本でも急速に人気が高まっています。思い出や価値観の共有、ライフスタイルやイメージを発信できると、企業や自治体などでも「Vlog」に取り組むケースが増えています。埼玉県のある地域からは、まちの活性化のために「Vlog」を活用して、暮らしやお祭りなど、住民の日常を発信したいと、問い合わせがありました。

また、この「Vlog」を使って、新規オープンの施設を紹介することで、自分のカラーを発信しているクリエイターも出ています。

高輪ゲートウェイ駅の開業初日の様子を、iPhoneで撮影・編集した、
映像クリエイター・Masashi KiyonagaさんのVlog

──ホームページとSNSをリンクさせている企業は多くありますが、Vlogも認知や集客効果に活用できそうですね。

pitaco  そうですね。SNSは目的別に使い分けることが重要ですが、Vlogはあくまで「ブログ」なので、1本で伝えきるというよりも、発信者の思いやスタイルを継続して伝えていくことが大切です。

華やかな演出や知名度のあるタレント出演に力を入れるのではなく、「新入社員のルーティーン」や、「裏方スタッフによる、新商品の開発秘話」など、素のままの様子を伝えることで採用のミスマッチが防げますし、商品のファン獲得にもつながっていくと思います。

とはいえ状況に応じて、社員だけでなく、ときにwith girlsのようなインフルエンサーとコラボし、彼女たちのファンから認知を広げていくというやり方もおすすめです。

──コラボレーションする際は、インフルエンサーの選択も重要ですよね。

pitaco  そうですね。with girls 動画クリエイターは、自分で制作した動画も公開していますので、まずはその人の発信を見て、自社の社風や商品とマッチしそうかどうか、見極めることが大事です。

よく「認知と人気は違う」と言われますが、私は、その人のフォロワーの数よりも、コメントの数と内容に注目しています。コミュニケーションスキルに長けている人はコメントのやり取りも多く、固定ファンがつきやすいんですよ。こういう、コアなファンがいる人の発信は、大きな影響力があると思います。

また最近は、視聴するだけでなく、双方向でやりとりができるライブ配信の人気も高まっています。動画をアップし続けて固定ファンができてきたら、そのファンに向けてライブ配信も時々流したりすると、ユーザーとのエンゲージメントが高まり、ますます動画を見にきてくれる人が増えると思います。

──最後に。これから動画による発信を検討している企業に向けて、アドバイスをお願いします。

pitaco とにかく、続けることです。1回やったら終わりではなく、継続すること。続けてアップすることで、目にしてもらえる機会は確実に増えますし、ファンも徐々に増えるものです。あとは、自社らしさを大切にしながら、上手にインフルエンサーも活用して、メッセージを発信すること。WEBはアーカイブされていきますから、中長期的な視点が大切です。きっと素敵な未来が待っています。ぜひトライしてみてください。

講談社が提供する各種プロモーションサービスのご利用に関するお問い合わせ・ご相談はこちら