石黒正数さんは『それでも町は廻っている』や『木曜日のフルット』、講談社ですと『外天楼』など10万部を超えるヒット作を次々作ってきた読み切りの名手と言われる作家さんです。
その石黒さんがそれまで評価されてきた分野ではなくストーリー漫画、しかも1巻や2巻では終わらない規模の作品に挑戦してくださったという事が『天国大魔境』の大きな魅力のひとつだと思います。
荒廃した未来の日本を舞台にしていながら、とても明るく前向きなキャラクターたちも魅力的です。予想を裏切るとかサプライズを演出するという短編作品のセオリーを徹底的に追求してきた作家さんが、そのクオリティを維持したまま作品のスケールを大きくしたら、そりゃあ面白いに決まってます。
単行本第1巻の刊行時に映像制作会社の「南方研究所」さんによる超高品質のプロモーションビデオを作る事ができたのも今回のランクインに大きな影響をもたらしたと思います。
何らかの評価を受けるには少々早すぎると思っておりましたがロケットの1段目はきれいに点火し燃焼できていると思います。これからさらに高く遠くを目指すべき作品だと思っておりますので、今後ともご注目ください。そして、応援よろしくお願いいたします。
天国大魔境(1)
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※弊社広報誌「News Clip」Vol.304よりの転載です。アフタヌーン編集部の担当がまとめました。