明治 × 逃げるは恥だが役に立つ

マンガIPとのコラボで人気商品の利用シーンをさらに拡大!

明治チューブでバター1/3」が、海野つなみさんのマンガ『逃げるは恥だが役に立つ』とコラボレーションした事例です。明治では、消費者に広く浸透しているヒット商品「明治チューブでバター1/3」の使用シーンを広げるため、キャラクターIPの活用を検討していました。そのなかで、『逃げるは恥だが役に立つ』に着目。スペシャルなコラボレーションを実施し、課題解決を図りました。

商品の活用シーンを広げたい


大手食品会社である明治は、乳製品やチョコレート、栄養食品などの商品を展開。商品やサービスを通して「おいしさ、楽しさ、健康、安心」を届けています。

そのなかで同社の「明治チューブでバター1/3」は、認知度も高い人気商品です。しかし、「利用シーンが限られている」という課題を抱えていました。

その課題解決のために、どのような経緯でキャラクターIPを活用することになったのか。具体的にどのような取り組みを行ったのか。株式会社 明治 マーケティング本部 フローズン・食品マーケティング部 乳化食品G 藤本 和英さんと、同 宣伝部 ブランド1G 家田啓二朗さんのお2人にお話を聞きました。

(左から)株式会社 明治 マーケティング本部 フローズン・食品マーケティング部 乳化食品G 藤本 和英さん、
同 宣伝部 ブランド1G 家田 啓二朗さん ※インタビュー当時(2022年2月)の情報。

【課題】
・「パンに塗る」以外にも、さまざまな利用法があることを知ってほしい
・ターゲットを広げ、男性の愛用者も生み出したい

販売25周年を迎えた「明治チューブでバター1/3」。認知度・人気ともに高く、「9割を超える店舗で取り扱いがある」と藤本さんは言います。しかし調べてみると、ある課題が浮き彫りになりました。

「多くのユーザーさまに"パンに塗る"以外の用途でお使いいただけていないことがわかったのです」

その背景には、商品パッケージの影響もあると考えました。なぜなら商品パッケージには、"パンに塗る"用途が大きく表現されているからです。

パンに塗るイメージ写真が掲載されている商品パッケージ

「最初はここに、パン以外の料理で使っているシーンを載せることも考えました。ですが、こんな小さなスペースに、パンと料理の写真を両方掲載しても、余計伝わりにくくなるだけです。どうやったら『料理シーンにおいても便利に使える商品だ』ということをユーザーの方に伝えられるのか、模索していました」

そこで考えたのが、キャラクターIPを活用することで、親しみやすく、商品の活用アイデアをユーザーに伝えることでした。

「今回、"パンに塗る"以外の利用シーンを訴求するために、商品を活用したレシピを開発しました。しかし、ただレシピを紹介するだけでは、なかなか興味を持ってもらうことはできません。そこで、フックとして、キャラクターIPを使おうと考えました」

数あるキャラクターIPのなかから"マンガのキャラクター"を選んだ理由には、マンガの持つ「世界観」と「ストーリーで届けられる(物語)」が関係しています。

「マンガには、作品の世界観がありますから、物語の延長上で、自然な形で、利用シーンおよびレシピを溶け込ませることができると考えました。それに、マンガが嫌いな人はあまりいませんよね。"マンガ"というだけで関心を持っていただきやすくなりますし、キャラクターが持っているイメージとの相乗効果で、商品イメージをさらに高めることができる点も魅力的だと感じました」


商品ターゲットと合致したキャラクターを起用

では、多くのマンガのなかで、どうやって作品を選んだのでしょうか。

シリーズ累計450万部を超える人気作品『逃げるは恥だが役に立つ』を選んだのは、人気の高さや知名度だけではないと家田さんは語ります。

「キャラクターの人気度や好感度はもちろん重要です。しかし、人気作品なら何でもいい、というわけではありません。重視したのは、今回の商品ターゲット層である"仕事と子育てでいちばん忙しい30代女性"とキャラクター属性がマッチしているかどうかです。その点を最重視して作品を選びました」

つまり、『逃げるは恥だが役に立つ』はターゲットである30代子育て中の女性の認知度・親和性が高く、コラボレーションすれば、親しみやすく情報を届けられると考えたわけです。

逃げるは恥だが役に立つ(1)/著:海野 つなみ

「『逃げるは恥だが役に立つ』は、広い世代に愛されている作品です。このような作品とコラボレーションすることで、ターゲット層はもちろん、それ以外の方にも愛着を持っていただけるきっかけにもなると考えました」

さらに、世の中のニュースでは「コロナ禍の巣ごもりやテレワークの増加により、家事負担が増えた」と感じるユーザーが増えたという情報も出ていました。

「本製品を使ったレシピをご提案することで、少しでも生活者の家事負担の軽減にも寄与できたらと考えました」

オリジナルストーリーを動画とSNSで拡散

こうして、親しみやすさに加え、レシピの手軽さやマンガの読みやすさにもこだわって、施策は進められました。特設サイトでは、複数のマンガ家による書きおろしマンガ計10作品が公開されました。

『逃げるは恥だが役に立つ』とのコラボマンガは、原作者・海野つなみさんによるオリジナルストーリーを作成するところからスタート。とくにこだわったのは、「ありのままの生活感(リアリティ)」だと家田さんは言います。

「家事や育児でバタバタ忙しい毎日のなかで、『明治チューブでバター1/3』が役に立つというストーリーと、料理家で発酵マイスターの榎本美沙さんが開発した手軽でおいしいレシピの2つの要素をベースに、原作者の海野先生にオリジナルストーリーを書きおろしていただきました」

特設サイトでは、完全オリジナルストーリが展開

加えて、今回のコラボでは「男性ユーザーの拡大」という狙いもあったため、オリジナルストーリーのなかでは男性が料理をするシーンも取り入れました。

「難易度の高いレシピではなく、"(料理が得意なイメージのない)平匡さんでも作れる"ことを前提に、料理初心者でもストレスなく簡単にできるレシピを考えてもらいました。料理が苦手な男性がこのマンガを見て『これならできそう』と思い、実際に料理をするきっかけになってくれたらいいなと思いました」(家田さん)

オリジナルストーリーでは「明治チューブでバター1/3」を使った簡単レシピを紹介した

同時に、忙しい方でもながら視聴できるように、マンガをモーションコミックに(動画化)して、YouTubeでスペシャルコラボムービーとして配信しました。

「ちょうど特設サイト公開時に、ドラマ版で共演した主人公2人の結婚が発表。話題性も、ローンチしてすぐに1〜2万再生を達成し、半年間で10万回以上が再生されました」(家田さん)

YouTube上で公開されたスペシャルコラボムービーは、10万回以上再生された

さらに、2021年6月21日~7月5日には、明治のTwitter公式アカウントをフォローし、投稿をリツイートすることで『逃げるは恥だが役に立つ』のオリジナルコラボカトラリーがあたるキャンペーンも実施しました。

「こちらもドラマ版で共演されたお2人のご結婚の影響は大きく、この投稿は5000件を超える「いいね」と約2万件近くのリツイートを獲得しました」(家田さん)

1.9万のツイート、109件のリツイート、5000件を超える「いいね」がつくなど、大きな話題を集めた
 

ローンチのタイミングのよさもあり、本施策は数多くのメディアで紹介され、パブリシティへの露出は、目標の400%を達成。特設サイトは26万PVを記録しました。この結果について、藤本さんは「共感を得られた」ことも要因になっているのではないかと分析します。

「今回の成果は、『逃げるは恥だが役に立つ』の世界観と、弊社が目指すターゲットがぴったり合致したことも要因のひとつだと考えています。しかしそれだけでは、結果にはつながりません。今回はなにより、サイトを訪れた方に楽しんでいただきたいと考えながらコラボを進めたことが、共感を生み、よい結果につながったように思います」

「海野先生がご自身のTwitterで『ほぼ続編です』とつぶやいてくださり、原作ファンの方からも『作品の続きが読めたようでうれしい』と、大きな反響をいただきました。みなさんに喜んでいただけたことが、今回のコラボのいちばんの成果です」

海野つなみ先生のTwitter公式アカウントで投稿されたツイートも情報拡散に寄与した

親しみやすく、商品理解を促進するために、マンガのキャラクターとオリジナルストーリーを活用した本事例は、「受け手に楽しんでほしい」というユーザーに寄り添った結果が大きな反響につながった事例と言えます。「共感」を生むコラボレーションのヒントは、そこにあるのではないでしょうか。

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