2023.01.26

「読者を惹きつけ、クライアントにも信頼されるウェビナーの未来とは?」 ―― 講談社メディアカンファレンス2022 ミライトーク06レポート

2020年から始まったコロナ禍を機に、急激に増えている「ウェビナー」。定着するにつれ、新たなニーズも生まれています。これからのウェビナーはどこへ向かうのか、課題とその可能性について、探りました。

※本稿は、ビジネスオンデマンド動画「講談社メディアカンファレンス 2022 ミライトーク06」のレポートです。動画は、2023年1月31日までアーカイブ公開中です。詳しくはこちらをご覧ください。

(左から)講談社 コミュニケーション事業第一部 徳丸泰彦
株式会社日経産業広告社 執行役員営業副本部長 斉藤陽介さん 
株式会社ブイキューブ ウェビナーソリューションチーム チームリーダー 松色歓さん

テーマは、ウェビナーの課題と将来

講談社 コミュニケーション事業第一部 徳丸泰彦(以下、徳丸) ここ数年、ウェビナーの数が非常に増えてきて、いまや企業のマーケティング活動に欠かせない存在にまでなっています。

我々、講談社にも「現代ビジネス」という媒体があり、2021年の夏ごろからウェビナーにかなり力を入れてきました。22年9月には「現代ビジネスサミット2022」という、延べ視聴者が3000人くらいの大規模なオンラインイベントを初めて開催しました。その一方で、今までと違う新しいウェビナーの価値や、今後どういったウェビナーが求められるのか、模索も続いています。

このセッションでは、株式会社日経産業広告社の斉藤陽介さんと株式会社ブイキューブの松色歓さんにお越しいただき、お二方のそれぞれ異なる視点から、現在のウェビナーの課題と将来について語っていただきます。それでは斉藤さん、松色さん、よろしくお願いします。

株式会社日経産業広告社 執行役員営業副本部長 斉藤陽介氏(以下、斉藤) 私ども日経産業広告社は、おもにBtoBのプロモーションを専門としている広告代理店です。私がリーダーを務めているITアカウントチームでは、おもにIT系企業をプロモーションを行っています。

将来的に顧客になる可能性がある「リード」を獲得するために、展示会やセミナーなどでクライアントやブランドなどを顧客に認知してもらう「リードジェネレーション」の部分、さらにリードとクライアントの関係を強化する「リードナーチャリング」の部分を担当し、それを手助けするようなブランディングや広告宣伝、PRの領域も含め展開しています。

株式会社ブイキューブ ウェビナーソリューションチーム チームリーダー 松色歓氏(以下、松色) ブイキューブはもともと、ウェブ会議のシステム開発を行っていましたが、最近は"ウェブ会議は当たり前"という状況になり、弊社を取り巻く環境も大きく変化してきました。

私が担当するイベントDX事業では、これまで行ってきた自社でのオンラインセミナーのシステム開発、オンライン展示会などに活用できるプラットフォームの開発をしています。加えて、ZoomやYouTubeライブなど、クライアントの要望によってプラットフォームを問わずシステムの運用と配信のサポートを、自社のスタジオやスタッフを使ってワンストップで提供しています。

近年、劇的に増加した「ウェビナー」

徳丸 それではまず、実際にウェビナーの企画をセールスするお立場の斉藤さんから、ウェビナーニーズの高まりと課題を語っていただけないでしょうか。

斉藤 私が初めてウェビナーを手掛けたのは2020年5月から6月の1ヵ月間開催した、日本経済新聞社主催の「日経産業新聞フォーラム バーチャル版『働き方改革2020』」です。協賛18社を集めて行いました。その年は東京オリンピックが開催される予定だったので、都内の会場が不足してイベントがデジタル化していくと予測され、前年から準備をしていました。

徳丸 ちなみに協賛各社はウェビナーそのものを理解されていたのでしょうか。

斉藤 最初からウェビナーとしてご案内して協賛を得られました。20年2月くらいからコロナの影響で各種イベントが軒なみ中止になり、各社とも困っていたタイミングで私どもがこの企画を立ち上げたので、一気に協賛を得られました。緊急事態宣言が出てDX化が進んだという感じです。

徳丸 なるほど、先見の明がおありだったということですね。20年から22年にかけて、ウェビナーはどのくらい増えましたか。

斉藤 20年にはウェビナーを中心に約150件のセミナーだったのが、21年には約370件、22年は約500件、23年にはおそらくもっと増えていくでしょう。これは私どもが数を把握している協賛を集めているウェビナーだけなので、自社開催のものを含めると、実際にはこれよりさらに多いかと思われます。

徳丸 倍々で増えているイメージですね。

ウェビナーの開催数は、この数年間で劇的に増加していると語る斉藤さん(左)

細分化するニーズの背景にある、高まるナーチャリングへの意識

徳丸 ウェビナーの数が増えてくると、重要になってくるのは差別化だと思うのですが、このあたりはいかがでしょうか。

斉藤 クライアント、協賛社のニーズがどんどん細分化しているイメージです。ウェビナーはあくまで、リードジェネレーションの始めの一部分にすぎません。協賛社はそのあとの工程を重要視されているので、クライアントがリードをナーチャリングしやすいように意識しています。

具体的には、イベントが終わってから視聴者ログをつけてリードを早く納品してほしいとか、自社セッションを聞いたかどうかの視聴フラグをつけてほしいとか、そうした後工程を考えたニーズが増えてきています。またウェビナーのテーマも細分化し、たとえばそれまでだとただ単にDXという広いテーマだったものが、今ではDXで営業をどう変えていくかなど、どんどんテーマを絞った形になっています。そうしたテーマの細分化により多種多様なウェビナーが現れ、それに合わせて主催者側もさらに多様化していますね。

最近では、ナーチャリングにつながるウェビナーが求められている

広告主が求めるのは「質の高いリード」と、そのための仕掛け

徳丸 それでは次にウェビナーを配信する側からの視点として、松色さんからお話しをお願いします。

松色 まず、我々の配信実績について申しますと、コロナ前の2019年が2487件だったのが、22年度は1万回を超える見込みとなっています。

コロナ以前から製薬業界や医療系の講演会などはウェビナーのニーズが高かったのですが、22年前後からビジネスメディア主催の販促セミナーなど、リアルのイベントだったもののオンライン化が急激に進んだという印象があります。

イベントのオンライン化が加速していると語る松色さん(右)

徳丸 御社に求められるのは収録だけでなくて、配信やセミナーの告知サイトの作成など、幅広いサポートがあると思われますが、そうした部分での変化はいかがでしょうか。

松色 コロナ前は配信がメインだったのですが、最近はクライアントのニーズの広がりにより、それ以上の価値提供を求められているというのが現状です。

もともとシステム上でもログを出力して納品させていただくということはあったのですが、クライアントのニーズによってセッションごとにログをとって納品したり、資料のダウンロードや誰がダウンロードしたかというログも取りたいというご要望など、ただリードを獲得したいというだけではなく、より質の高いリードを獲得させるための仕掛けを求められるようになりました。

また、老舗のメーカーや一般社団法人などもウェビナーに参入されるようになり、ウェブの告知などのLPも含めて制作してほしいという依頼も増えています。

徳丸 ウェビナーが企業のマーケティング活動の中心になるにつれて、これまでオンラインの利用から遠い位置にあった企業も新規参入し、ウェビナーを通して情報提供してリードを獲得しようとしているという流れが進んでいるのですね。

重要な視点は、PDCAをいかにうまく回すか

徳丸 講談社の「現代ビジネス」は、後発組として2021年からいろいろ試行錯誤しながらウェビナーを開催してきました。そのなかで本日は、お二方から多くのヒントをいただきました。

しっかりとテーマを考え、ウェビナーを配信し、クライアントのマーケティング活動に寄与できるよう、なるべく早くリードを納品する。このPDCAをうまく回していくことが重要なのだと思いました。

斉藤 「現代ビジネス」は後発組とおっしゃっていましたが、我々としては後発組がどんどん参入してくることは非常に歓迎しています。

なぜならば、後発組は過去のうまくいかなかったことを改善してくれるので、よりよいイベントになるからです。ぜひ今後とも、よいウェビナー、ウェビナーの未来を輝かせるようなイベントを一緒に実施していけたらと思います。

松色 オンラインイベントの状況は日進月歩なので、我々も業界を引っ張っていけるような新しい情報、新しい一手を打ち続けなければいけないと思っています。主催者とクライアントのニーズに応えられるよう、常に鮮度の高い情報をキャッチアップしながら、新しいウェビナーを作っていきたいです。

徳丸 斉藤さん、松色さん、ありがとうございました。
今後も講談社ではリスキリングやインボイス制度、Z世代へのマーケティングなど、多種多様なセミナーを開催していきます。もしご興味のあるテーマがあれば、ぜひお問い合わせください。

本日はありがとうございました。


【講談社メディアカンファレンス2022 ミライトーク】06
読者を惹きつけ、クライアントにも信頼されるウェビナーの未来とは?」

登壇者:
・斉藤陽介/株式会社日経産業広告社 執行役員営業副本部長
・松色 歓/株式会社ブイキューブ ウェビナーソリューションチーム チームリーダー
・徳丸泰彦/講談社 コミュニケーション事業第一部

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