2019.06.13

シンフィールド・社長が語る① 「マンガの訴求力とマンガ広告の有益性」

マーケティングツールとしてマンガを活用する。従来から、チラシやパンフレットといった印刷物でも、複雑な商品やサービスを説明する際などに用いられてきたマンガ手法だが、現在では、やはりインターネット上での展開が重要視されている。そんなマンガ×デジタルマーケティングを得意分野としているのがシンフィールドだ。

インフラとしてインターネット回線速度が向上し、動画配信が当たり前となっても、"マンガマーケティング"の需要は高い。"マンガマーケティング"という用語を商標として登録した同社の代表取締役、谷口 晋也さんへのインタビューにより、デジタル時代におけるマンガ広告の有益性を考察してみたい。

シンフィールド代表取締役 谷口 晋也さん

インターネット広告の代理店でキャリアを積み、2006年にシンフィールドを設立。
デジタルを軸に、マーケティングツールとしてマンガを活用する"マンガマーケティング"を商標登録。
クライアントの投資対効果向上が同社の事業ミッション。

ツールとしてのマンガの強みは、思わず読んでしまうところ

――2009年に"マンガマーケティング"の事業を開始したとのことですが、当初マンガ×デジタルマーケティングに特化しようとしたきっかけは何だったんでしょうか?

谷口 前職で勤務していたインターネット広告代理店のクライアントで、バナー広告にマンガを取り入れている企業があって、とてもCTR(Click Through Rate/クリック率)が高かったんです。そこで、マンガ×Webマーケティングが成立するのではないかと考え、現在の事業を開始しました。

――マンガを使用するとクリック率が上がる理由を、どう分析されていますか。

谷口 マンガを目にすると思わず読んでしまいますよね。それは、「マンガ=娯楽」という潜在的なイメージが定着しているからではないでしょうか。ストーリーがあるから、つい引き込まれて、共感もしやすい。ただ、娯楽のイメージが強いことから、企業のブランドイメージに合わないと言われるケースもあります。しかしその場合、会社全体のブランディングでマンガを使う必要はなく、難しいことをわかりやすく説明する、人に見てもらいづらい部分をマンガ化しましょうという提案をしています。

シンフィールドが行う"マンガマーケティング"は、商品やサービスの説明、ユーザーにとっての課題などを理解しやすく伝えるためにマンガで訴求するというケースが多い。マンガといっても、周知や販促を企図したキャラクタービジネスとは異なる。

情報量の多い時短コンテンツとしての優位性

――テキストや動画と比較して、マンガがもつ表現力の優位性というのはどういうところにありますか。

谷口 テキストは読み手側に負担がかかりますよね。具体的な事例を挙げながら、広告として訴求したい部分をしっかりと伝達しようとすれば長文になるし、複雑な内容であるほど、想像力が必要など読む側の脳に負担がかかります。いっぽう、動画は視聴者側に時間投資を強いることになります。5分間の動画の内容を最初の1分間で伝えることは難しい。マンガは情報量が多く、視覚効果も利用しているので時短コンテンツでもあります。絵による視覚情報と吹き出しの文字情報を並列処理することで、記憶にも残りやすい。そのため時間対効果を最大化させるツールですね。

近頃では、動画配信が最上のコミュニケーションツールとされる風潮もあるが、あくまでも時間軸にリニアな表現手法であり、すべての広告事例において最適かといえば疑問も残る。平面的にコンテンツ全体を一望でき、受け手側のペースで、読み進めたり、立ち止まったりできるマンガに優位性が見出されるケースも少なくない。

「マンガでわかる」がクリック率や滞在時間などの数字を飛躍的に向上させる

――インターネット広告は成果が明確に表れますが、"マンガマーケティング"導入事例での効果を教えてください。

谷口 LP(Landing Page/ランディングページ:広告や検索結果をクリックして最初にアクセスするページ)にマンガを導入してCVRの向上、資料請求などの問い合わせ増、マンガ記事LPからサービスLPへの遷移率アップなど多くの成功事例があります。ほかにも、CRM(Customer Relationship Management/顧客関係管理)でメルマガを配信している場合、「マンガでわかる」という文言をタイトルに入れて開封率が飛躍的に上がったという実例もありました。

――"マンガマーケティング"に向いている業界や業種というのはありますか。

谷口 すべての業界、業種で有効な手法だと考えています。ただ、その中でも投資信託などの金融サービスやBtoBからのオファーは多いです。複雑な内容をわかりやすく、しっかり理解するのにマンガが適しているからではないでしょうか。AI、RPA、フィンテック、IoTなど、新しい用語や概念が急激に増えている現在、わかりにくいものをわかりやすくするという"マンガマーケティング"の需要はさらに増えていくと思っています。。

複雑化する社会で新たなサービスが登場したり、プロダクトにも付加価値やストーリー性が求められる現在、迅速かつ的確に濃密なメッセージを伝えられる広告ツールはますます重視されていくだろう。次回は、そんな広告ツールとして適している"マンガマーケティング"の舞台裏について語ってもらう。

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