2019.03.19

今さら聞けない「リスティング広告」<運用編> Google広告の運用で押さえておきたい7つのポイント

前回の 今さら聞けない「リスティング広告」<基礎編> ではリスティング広告の特徴やしくみ、費用などについて解説しました。今回は「運用編」として、リスティング広告の代表的プラットフォームであるGoogleに出稿する際に押さえておきたい7つのポイントをご説明します。

「Google広告」のしくみに合わせたリスティング広告の運用方法

Googleにおけるリスティング広告の運用や設定は「Google広告」で行います。運用するために知っておきたいGoogle広告のしくみや設定方法、調整について解説します。

1. 集客したいターゲットに合わせ、予算配分やデバイスなどを設定

Google広告ではまず「キャンペーン」という形で広告配信単位を作成し、このキャンペーン単位で基本的な設定を行っていきます。予算を決め、その中でデバイスなどの各ユーザー環境に対して最適と思われる広告を配信できるようにします。
予算については、上限を設けることで必要以上にコストがかからないようにすることができます。またユーザー環境としてはスマホの使用が増えているため、デバイスごとの設定が非常に大切になっています。コンバージョンの見込みや目的と照らし合わせながら、細かくデバイスに対応することで高いコストパフォーマンスを狙っていきます。

2. 検索ユーザーのニーズを的確に捉えたグルーピング

キャンペーンの下部構造として「広告グループ」があります。この広告グループに対し、キーワード・広告・入札単価がセットになり、キーワードに対して表示される広告が決まります。キャンペーンの中には複数の広告グループを作成することができます。

ユーザーはGoogleの検索結果を頼りに情報を閲覧しますので、グループを作成するときには「ある目的を持ったユーザーがどのように検索するのか」を適切に予測することが重要です。その予測が見当違いであれば、せっかくのリスティング広告も表示されなかったり、不適切な広告文が表示されたりして効果を生みません。ユーザーの検索目的をとらえたキーワードの適切な設定と、それを最適な広告文に結びつけることによって、クリックを最大に促すグルーピングが実現します。


3. 最適な効率を狙ったキーワード設定

次に検索結果と強く連動するキーワード設定について考えてみましょう。
前回もご説明したように、キーワード設定を検討する際に、大切な考え方として、キーワードの「マッチタイプ」があります。

「マッチタイプ」は、「こちらの設定とユーザーが検索したワードの一致度」の設定で、マッチタイプのルールに応じてユーザーの検索結果に表示されます。マッチタイプには「完全一致」「フレーズ一致」「絞り込み部分一致」「部分一致」と、大きく分けて4つのタイプがありますが、ここでは一致の範囲が狭い順に解説していきます。

まず「完全一致」に設定すると、「ユーザーが検索したキーワードが、設定とまったく同じ場合にだけ広告を表示する」ルールが適用されます。
例えば「パソコン」の完全一致設定をした場合、「パソコン」で検索した人だけに広告を表示し、「パソコン 格安」で検索した人は表示の対象にしません。また「パソコン 格安」の完全一致設定では、「格安 パソコン」で検索した人も表示の対象にならなくなります。

次に「フレーズ一致」は、基本は順番を含め完全一致ですが前後に別のワードが追加されたときにも表示されます。
例えば「パソコン 格安」に対するフレーズ一致設定では、「パソコン 格安 通販」「通販 パソコン 格安」の場合は表示されますが、「パソコン 通販 格安」や「格安 パソコン」では表示されません。

さらに「絞り込み部分一致」にすると、設定したキーワードを含んだ検索はすべて表示されます。上記例では「パソコン 格安」に対して「パソコン 格安 通販」「パソコン 通販 格安」「通販 パソコン 格安」すべてが表示されます。

最後に「部分一致」に設定すると最も範囲が広くなり、上記の「絞り込み部分一致」に加えて「PC 格安」などの類義語も表示される可能性があります。このロジックは検索エンジンごとにチューニングされています。

「完全一致」では広告の表示率は低くなりますが、その分確度の高いユーザーに表示できます。その後は記載した順に一致率が低くなり、広告が表示されるユーザー数は多くなります。
確度の高いユーザーのみに広告を表示するだけでは、数多くクリックを得ることができないかもしれません。あえてマッチング率を低くし、多くのユーザーを対象にすることで潜在層を掘り起こすことも考えられます。しかしそうした場合は逆にクリック率が下がったり、遷移した先で最終コンバージョンにつながりにくくなったりするかもしれません。
実績を見ながら設定を見なおし、成果指標のバランスを取っていくことが重要になります。


4. 日々変動するクリック単価のチェックと調整

キーワードは入札制になっているので、その単価は日々変動します。競合他社が多くなれば単価は上がり、逆に競合他社が見逃しているキーワードの獲得ができれば低い単価を設定できます。キーワードを慎重に選び、現在の単価・自社の広告表示回数・広告効果などを総合的にふまえて単価の設定を変更していくようにしてください。
運用上、この単価チェックと調整はとても大事です。具体的にどのペースでチェックと調整が必要かは広告内容や対象キーワードなどによりますが、日々のルーチン業務にこのチェックと調整業務を入れておいたほうがよいでしょう。


5. ABテストの効果を分析と広告内容の最適化

「ABテスト」という言葉は、マーケティング関係の仕事をしている方であれば聞いたことがあるはずです。これは異なるパターンの広告を用意し、どちらに効果があるか比較し、より効果のある内容を残す手法です。効果の低いパターンは次の異なるパターンに変更し、複数の広告の効果を比較・分析していくのが一般的です。
Google広告では広告は複数のグループを設定できますので、ABテストによる広告内容の分析が容易に展開できます。ABテストを継続することで、最大の広告効果が得られる広告文や見出しへとブラッシュアップすることが可能になります。


6. 検索ワードをランディングページに配置し、品質スコアをアップ

「基礎編」でもお伝えした通り、リスティング広告の表示順位は単にキーワード単価で決まるものではありません。「品質スコア」という指標の影響も大きく、この品質スコアとキーワード単価の掛け合わせによって順位が決定されます。
Googleの公式見解によると品質スコアとは「広告の全般的な品質」の評価とされています。さまざまな要素を加味して評価されていますが、「リスティング広告のクリック率」「キーワードと広告文の関連性」「リンク先のページ(ランディングページ)の品質の高さ」などの数項目とされています。
ランディングページの品質についても、「キーワードとの関連性の高さ」が重要になります。設定したキーワードが、タイトルや本文に効果的に含まれているランディングページを作ることで品質スコアを上げ、表示順位を上げることで高い効果をねらいます。


7. PCやスマホなどのデバイス別にかける単価費用を調整

現在のGoogle広告では、デスクトップパソコン、タブレット、スマートフォンのタイプ別デバイスに応じて広告内容を設定できます。単価もデバイスに応じて変更できるので、広告戦略に合わせて費用を調整してください。
またスマホがここまで普及したいま、ランディングページのスマホ対応はBtoB商材も含めて必須といえるでしょう。レスポンシブデザインで対応するのかデバイスタイプ別に制作するのかなど、掲載すべき内容や予算と照らし合わせながら検討してください。

まとめ

「運用編」では、リスティング広告を効果的に実施するため、Google広告に関する解説をお届けしました。誰でも簡単に始められるGoogle広告ですが、効果を出すためにはしっかりとした知識、そして日々のチェックや更新といった根気強い運用が大切なことがおわかりいただけたでしょうか。今回ご紹介したポイントを押さえて、最大の効果を目指してください。

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