2021.08.13

当事者とメディア、2つの立場で企業をサポート! ── LGBTQコミュニティと『クーリエ・ジャポン』の親和性とは?

多様な人材を採用することで、イノベーションを生み出し、価値創造につなげる「ダイバーシティ経営」。多様性の重要性が注目されるなかで、LGBTQ(性的少数者)の人々の活躍の場も広がってきています。そのなかで『クーリエ・ジャポン(COURRiER Japon)』は、いち早く世界の視点でLGBTQにまつわるニュースを取り上げてきたメディアです。
LGBTQと企業の現在地について、『クーリエ・ジャポン』のブランディング・プロデューサー、山中 肇が解説します。

「世界最新のLGBTQトレンドを当事者視点で発信できるのがクーリエの強み」と語る、
『クーリエ・ジャポン』のブランディング・プロデューサー 山中 肇

LGBTQコミュニティとクーリエ・ジャポン

──世界中のメディアから記事を厳選し、「世界の潮流」と「多様な価値観」を届ける『クーリエ・ジャポン』。今年4月にオンライン開催された「東京レインボープライド2021(TRP 2021)」では、メディアパートナーとして参画しています。その理由を教えてください。

今年10周年を迎えた「東京レインボープライド2021(TRP 2021)」公式サイト 

山中 肇(以下、山中) 「プライド(Pride)」という単語は、英語の一般名詞で、「誇り・矜持」を意味しますが、それだけではなく、「LGBTQコミュニティーの権利、文化に対する誇り」を指すものとして、広く国際的に認知されています。

「プライド・パレード」は、LGBTQ文化を讃えるイベントとして、世界各国で開催されており、リアル開催時には日本でも約20万人が参加。日本におけるLGBTQコミュニティの認知の高まりを象徴するイベントとなっています。

今年10周年となる「東京レインボープライド(TRP)」は、プライド・パレードの日本(東京)版であり、今やアジア最大級のLGBTQイベントとして定着しています。

しかし、昨年と今年はコロナ禍によりオンライン開催となり、発信力が弱まることが懸念されていました。

そこで、早くからLGBTQに関する記事を多く掲載してきた『クーリエ・ジャポン』では、メディアとしてこの取り組みの発信力強化に少しでも貢献できればという思いから、今回メディアパートナーとして参加させていただくことになりました。

今回『クーリエ・ジャポン』では、東京レインボープライド2021の共同企画として「自由への手紙〜東京レインボープライド 特別篇」をテーマに、台湾IT相のオードリー・タン氏と東京レインボープライド共同代表理事の杉山文野氏による特別対談を実施。また、TRP 2021開催に合わせて「#声をあげる[Voice Out]」特集を展開しました。

『クーリエ・ジャポン』で展開された、「#声をあげる[Voice Out]」特集

オードリー・タン台湾IT相が出演した、【COURRiER Japon × TRP コラボ企画】動画


なお、TRP 2021は去年に引き続きオンライン開催となりましたが、去年をはるかに上回る160万人が視聴。社会の関心の高さをあらためて実感する機会となりました。

──『クーリエ・ジャポン』は、早くから世界最新のLGBTQニュースを日本に紹介してきたメディアとして、LGBTQの当事者からも支持されているそうですね。

山中 はい。これまでに1500を超える海外の有力メディアから記事を厳選し、既存の日本メディアでは手に入らない「世界最新」の情報を届けてきた『クーリエ・ジャポン』では、海外のLGBTQトレンドをいち早くつかむことができます。

海外では同性婚をはじめLGBTQを取り巻く環境は日本よりずっと整っています。それを察知し、日本国内への発信強化に努めてきました。

また、『クーリエ・ジャポン』編集部には、私を含め、LGBTQの当事者が在籍しています。だからこそ、当事者目線で、時には一歩踏み込んだ情報発信も可能なのだと思います。

大手企業のマーケティングに見る「LGBTQフレンドリー」

──TRP 2021の今年のテーマは、「声をあげる。世界を変える。Our Voices, Our Rights.」です。最近はLGBTQの人々が登場するCMなども目にするようになりましたが、実際に「声をあげる」企業は増えてきているのでしょうか?

山中 はい。2015年に渋谷区が同性カップルを「結婚に相当する関係」と認めた同性パートナーシップ証明書を発行する新条例を制定したことを皮切りに、企業がLGBTQの人々を支援する動きが急速に進んできたと感じています。

たとえば、Gapでは2015年の「東京レインボープライド」の開催時期に合わせて、ブランドロゴをレインボーカラーで表示し、LGBTQコミュニティーをサポートしている企業であることを表明しました。

Gapレインボーロゴは日本から世界に広がった https://courrier.jp/news/archives/242125/

また、文化や言語をはじめ多様性のあるコンテンツをそろえる世界最大手の動画配信サービス「Netflix」も、2016年ごろからアライ(Ally:仲間、味方。LGBTQの支援者)の立場から、日本のLGBTQコミュニティーを意識した情報発信を強化しはじめています。

さらに最近では、PANTENEが発表した、#PrideHair キャンペーンも話題となりました。2021年に発表されたCMは、LGBTQ+ 就活生のアイデンティティとヘアスタイルについて、問題提起し、大きな注目を集めました。

#PrideHair この髪が私です。「ふたりの元就活生が、いま、伝えたいこと。」 PANTENE (パンテーン)[Full Version]

企業やブランドのLGBTQコミュニティーに向けた情報発信は、質の高さも求められる時代になったと言えるかもしれません。

そうした背景もあってか、近年は、『クーリエ・ジャポン』にもLGBTQコミュニティへの取り組みを発信されたいというご相談が増えていて、社会の変化を感じています。ちなみに、LGBTQコミュニティーへの取り組みをしっかりされている企業にはより多くの優秀な人材が集まる傾向があると言われています。

もしかしたら、この記事を読んでくださる企業の方の中には、「LGBTQコミュニティーへの取り組みを発信したいけれど、どうしたらいいかわからない」という方もいるのではないでしょうか。そんなときはぜひ、私たちを頼ってもらえたらうれしいと思っています。

「企業がLGBTQコミュニティーと伴走するきっかけとなるメディアでありたい」と語る山中


大きな反響を呼んだLGBTQアライの記事

──企業は『クーリエ・ジャポン』と組むことで、どのようなことができるでしょうか?

山中 TRP 2021に協賛した野村ホールディングスさまには、「ダイバーシティ&インクルージョン」を推進するための社内チームがあります。

『クーリエ・ジャポン』では、トランスジェンダーの新入社員が自分らしく活躍するために取り組まれた環境整備など、同社の具体的な取り組みを記事で紹介したところ、大きな反響がありました。

LGBTQコミュニティからのポジティブな反響はもちろん、事業パートナー、全国の支店の皆さま、新たに入社を希望される方など全方位からのポジティブな反響が得られたと、担当者の方からも大変喜んでいただきました。

多様な人材がいきいきと活躍できる野村ホールディングスさまの取り組みを紹介した記事の中で掲載された写真。
記事は、大きな反響を呼んだ https://courrier.jp/news/archives/239438/

──昨年11月には、トランスジェンダーである台湾のIT担当大臣 オードリー・タン氏、日本初のインタビュー本『自由への手紙』も発売していますよね。

山中 はい。最初は、タイアップ記事企画でオードリー・タン氏とのご縁をいただき、その後、何度かインタビューをさせていただくなかで、昨年の11月に日本で初めてのインタビュー本発刊につながりました。実際に台湾に行ってオードリー・タンさんにお会いしてきました。

次代の世界的カリスマとして注目を集める台湾IT担当大臣のオードリー・タン氏が、日本の若者に向けて語る自由になるためのメッセージ『オードリー・タン 自由への手紙』(語り:オードリー・タン 編者:クーリエ・ジャポン編集チーム)

これは販売用の書籍ですが、このように出版社の編集力と企画力を活かして、社内向けの小冊子などを制作することも可能です。場合によっては、講談社の強みを活かし、マンガキャラクターを使うなど、より「自分ゴト」化しやすく共感できる発信のお手伝いもできます。

こうした"つながり"が、講談社のキャスティング力を生み出しています。広告出稿や冊子制作だけでなく、著名人を起用した社員向けの講演会やウェビナーなどの企画も提案できると思います。


──講談社は総合出版社ですから、幅広い提案ができるのも強みと言えそうです。

山中 そうですね。『クーリエ・ジャポン』においては、当事者もいますし、これまでのナレッジの蓄積もある。単なる広告出稿だけではなく、社内のLGBTQ施策をまずどう取り組んだらいいのか、どう発信したらいいかという、企画立案からご提案できると考えています。

個人的には、一緒にワークショップをやるような取り組みもできると思っていますので、社外への発信、社内の啓発など、お気軽にご相談いただけたらと思っています。

今後、多くの企業さまとの取り組みを通して、多様な人材が活躍できる職場づくりのお手伝いをしたいと思います。ゆくゆくは多様性豊かな日本に近づけるお手伝いができれば、と思っています。ご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください!

講談社が提供する各種プロモーションサービスのご利用に関するお問い合わせ・ご相談はこちら