2020.11.11

世界中に笑顔とおいしさを届けてきたマクドナルドの「FUN(楽しみ)」なSDGs──SDGs取り組み事例⑯

「スマイル0円」を掲げ、人々においしい食事と笑顔を届けてきたマクドナルド。SDGsのすべてのゴール達成に関わるなか、6つの目標を特に優先的な取り組みにあげています。SDGsから見たマクドナルドについて、コミュニケーション&CR本部 CSR部マネージャー 岩井正人さんにお聞きしました。

日本マクドナルド株式会社 コミュニケーション&CR本部 CSR部マネージャー 岩井正人さん

SDGsには経済・環境・FUNの「3本足のいす」が必要

──御社は、遊ばなくなったハッピーセットのおもちゃを回収し、店内で使うトレイにリサイクルする「おもちゃリサイクル」の取り組みなど、さまざまな形でSDGsを牽引されているイメージがあります。SDGsの取り組みでいちばん大事にしているのは、どんなことですか。

岩井 マクドナルドでは、SDGsには「FUN(楽しさ)」要素が重要だと考えています。SDGsの取り組みは「1回やったら終わり」という活動ではありません。社会・環境課題の解決は当然ですが、経済性もあり、さらに消費者の参加意欲を誘う「楽しい」ものでなければ、持続可能な活動はできないと考えています。

2018年には、使わなくなったハッピーセットのおもちゃを回収し、リサイクルトレイに生まれ変わらせる「おもちゃリサイクル」をスタート。また、2019年2月には、品川駅の「STARTUP_STATION」において、回収したおもちゃからリサイクルされたnanoblock®で作った「高輪ゲートウェイ駅」のジオラマを展示。多くの方に楽しんでいただきました。また、2019年2月には、品川駅の「STARTUP_STATION」において、回収したおもちゃからリサイクルされたnanoblock®で作った「高輪ゲートウェイ駅」のジオラマを展示。多くの方に楽しんでいただきました。

(左)「おもちゃリサイクル」/(右)回収したおもちゃからリサイクルされたnanoblock®を活用して作られた「高輪ゲートウェイ駅」のジオラマ(品川駅STARTUP_STATION)

──SDGsに取り組むには、経済、環境、そしてFUN(楽しさ)の3つがそろわないといけない、ということですね。

岩井 SDGsも企業も、目指すのは「持続可能性」です。マクドナルドには創業者が掲げた「3本足のいす」という経営理念がありますが、これは、マクドナルドの持続的な発展のためにはサプライヤー、オーナーオペレーターの3者が必要不可欠であるという考え方です。

SDGsもこの「3本足のいす」と同じで、「経済・環境・FUN」のどれが欠けても成り立たないと思っています。

「SDGs」への取り組みを継続するポイントは、経済・環境・FUN、3つの要素が揃うこと

大人より、子供の方が意識・関心が高い「日本のSDGs」

──SDGsは「自分ゴト」化するのが難しいともいわれています。おもちゃリサイクルには、参加する子どもたちのリサイクルや環境意識を高める狙いもあったのでしょうか。

岩井 いまの子どもたちは、小学校から授業で「SDGs」について学んでいますから、むしろ大人よりSDGsについての意識・関心が高いと思います。使わなくなったおもちゃを「捨てる」というと嫌がるお子さまも、「生まれ変わる」と説明すると、納得して自分で持って来てくれるんですよ。

このプロジェクトは親御さんにとってもリサイクルや環境問題について考えるきっかけになると話題になり、2018年は約127万個、2019年は回収期間を拡大し約340万個のおもちゃが集まりました。

こうした活動に参加した子どもたちが大人になった時に、リサイクルの意識が義務ではなく、"当たり前"の世界になってくれるといいですね。

──こんなに多くのおもちゃが集まると、リサイクル費用や手間も膨大になりますよね。ハッピーセットのおもちゃリサイクルは、ペットボトルのリサイクルより難しいとお聞きしましたが、そんな大変なことにあえて取り組んだのも「経済・環境・FUN」という観点からですか。

岩井 プラスチックのおもちゃは、プラスチックだけではなく、さまざまな素材からできていてリサイクルがとても難しいです。環境貢献のためだけや、リサイクルにかかる費用だけを考えたら、逆にできなかったと思います。

マクドナルドは家族で来店する方が多いので、約127万個集まったということは、1人2個持って来たと考えると約63万組のファミリーが来店された計算になります。来店くださった方が「ついでに」とお食事も楽しんでくださる。おもちゃのリサイクルが来店を促進し、経済合理性があるということが確認できました。

また、「自分のおもちゃがトレイになった」という「FUN」を経験した子どもたちは、もっとマクドナルドを好きになってくれたのではないかと思います。活動を通じて多くの方に「マクドナルドは環境にいいことをしている」と知っていただくことができたのも、企業イメージを向上させる大きな効果がありました。

マクドナルドが優先的に取り組む6つのSDGs

──SDGsの目指すゴールのなかで、特に6つの目標に優先的に取り組んでいる理由について、教えてください。

岩井 「目標15 陸の豊かさも守ろう」に取り組んでいるのは、牛肉やトマト、レタス、ピクルス、ジャガイモ、小麦など、ハンバーガーに欠かせない食材は、陸の恵みによって調達できているからです。つまり、陸の豊かさなしに、マクドナルドは成り立たないわけです。さらに世界の人口は増加傾向にありますから、目標の重要度は増しているといえるでしょう。そのなかで、マクドナルドはおいしい商品をリーズナブルに提供することで、「目標2 飢餓をゼロに」の達成にも貢献できたらと考えています。

「目標12 つくる責任つかう責任」に関しては、売れるからと、使い過ぎてしまえば、資源は枯渇してしまいますよね。マクドナルドでは、豊かな地球の資源を守るために、海のエコラベル「MSC認証」を取得。現在提供しているフィレオフィッシュは、持続可能で環境に配慮した漁業で獲られた天然のアラスカ産スケソウダラを使用しています。さらに、コーヒーには、森林や生態系を守り、労働者に適切な労働条件を提供する「レインフォレスト・アライアンス認証」を取得した農園が栽培するコーヒー豆を100%使用しています。ハンバーガーの包み紙や紙製容器などには「FSC認証」の紙を使用していますが、2020年度中には、店舗で使用しているお客様用紙製容器包装類を、100%FSC認証済み資材に切り替える予定です。

現在、地球の人口は約75億人ですが、いずれ100億人になるといわれています。持続的かつ包括的な社会の成長には、特に若者の成長が不可欠です。マクドナルドでは、働きがいのある仕事や、店舗やオフィスで価値ある啓発の機会を提供することで仕事へのモチベーションを高め、持続的な社会の実現を目指しています。これが「目標8 働きがいも経済成長も」に取り組む理由です。

気候変動は、世界中のコミュニティや生態系(陸の豊かさ、海の恵みなど)に影響を与える、深刻な環境課題ですから、日本マクドナルドでは1971年の創業以来、「目標13 気候変動に具体的な対策を」にも力を入れています。世界各国で展開しているマクドナルドが、すべての店舗で省エネを実施することは、世界規模で大きな節電につながると考えています。全店舗で日常業務として取り組める省エネルールを作成し、店舗レベルでエネルギー削減の対策を継続的に実施できる仕組みを構築・実施しています。

「目標17 パートナーシップで目標を達成しよう」は、最重要項目として掲げている目標です。なぜなら、日本国内に留まらず、世界の100を超える国と地域で約3万9千軒の店舗を持つマクドナルドが力を合わせれば、きっと地球に良いことができるはずだからです。もちろん、マクドナルドだけでなく、従業員、フランチャイジーやサプライヤー、投資家、行政、NPO、NGO、そして専門家に至るパートナーシップの連携も欠かせません。

このように、6つのSDGsの目標達成は、グローバルに展開しているマクドナルドの責任とも考え、優先的に取り組みを進めています。

SDGsは未来の顧客・雇用への投資

──さまざまな認証を取っているというお話しでしたが、サステナブル・ラベルなどは、まだそれほど消費者に認知されていないように思います。どのように伝える工夫をされているのですか。

岩井 マクドナルドの店頭で働くクルーは約15万人いますが、今年から研修で環境問題への取り組みをトレーニングするようにしました。近年は、より環境にいいものを選びたいというお客様が増えています。そういったお客様に店頭で尋ねられた時にスムーズにお答えできることはもちろんですが、家族や友人にマクドナルドのSDGsを話すことで、さらにSDGsの輪が広がっていくと考えています。

一般消費者へのサステナブル・ラベルの知名度はまだそれほど高くありませんが、小学校からSDGsが授業に組み込まれたことによって、中高生の認証マーク認知度は格段にあがっています。企業が持続可能な調達を行うことは、今、学校でSDGsを学んでいる未来の顧客や雇用に対しての投資にもなりますので、社内外への啓蒙には今後も力を入れていきたいと思っています。

──学生たちとSDGsを考えたり、伝えたりするワークショップも行っているとお聞きしました。

岩井 去年11月に日本サステナブル・ラベル協会との共催で、学生に向けたサステナビリティの勉強会を行ったのが大変好評だったので、今年の8月にも、学生たちとサステナビリティについて考えるオンラインワークショップ「JSL Youth Club with マクドナルド」を行いました。

サステナビリティに関心の高い学生を募集し、社会課題について学んだあと、サステナブル・ラベルとマクドナルドのSDGsの取り組みを多くの人に届けるためのアイデアを考えました。10月10日から全国のマクドナルドの店舗や公式SNSアカウントなどで動画を公開しています。

──最後に。岩井さんにとってのSDGsを教えてください。

岩井 私の中では、国連でSDGsが採択された2015年9月25日は「SDGsの日」です。当時CSR担当だった私は、この発表を聞いて「これからはSDGsだ」と衝撃を受け、そこから猛勉強しました。今も、その時の勉強ノートは大事に取ってあります。

びっしり書き込まれた岩井さんの「SDGs勉強ノート」

それと、もうひとつ。去年の1月2日からマイボトルを愛用しているんですが、1日平均2本ほどペットボトルを購入していたので、買う代わりに毎日200円ずつ貯金することにしたんです。忠実に200円ずつ貯金した結果、20ヵ月で約12万円の貯金ができました。SDGsが経済的な効果だけでなく、楽しさがないと続かないというのは、こうした自分自身の体験からも断言できます。「ペットボトルをやめよう」だけでは続かなくても、「1年間やり続けたら7万円になる」と考えたら、楽しくてやる気になりますよね。これも、私にとってのSDGsです。


「楽しく美味しい食事体験」で、消費者はもちろん、従業員やサプライチェーン、農家など、関わるすべての人々に笑顔を届けてきたマクドナルド。「経済・環境・FUN」を軸に、「ハンバーガーを食べることが、環境貢献につながる」というマクドナルドのSDGsは、今後もさらに多くの人や企業に影響を与えそうです。

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