2020.06.09

SDGsでビジネスも人生も大きく転換!「たべるーぷ」×SDGsが生み出した世界──SDGs取り組み事例⑪(後編)

SDGsで人生もビジネスも大きく変わったという佐治さんがSDGsに出会ったきっかけは、「2030SDGs」というカードゲームだったといいます。「ポストSDGs」は、佐治さんの人生とビジネスにどんな影響を与えたのでしょうか?

「たべるーぷ」を運営する、バリュードライバーズ 代表取締役CEO 佐治祐二郎さん

──SDGsに取り組み始めたきっかけを教えてください。

佐治 「2030SDGs」というカードゲームのワークショップに参加して、SDGsのことを知りました。これは、SDGsの17の目標を達成するために、各プレイヤーが「国」の代表者となって「世界」を構成し、現在から2030年までの道のりをシミュレーションするゲームです。経営者仲間に誘われて、軽い気持ちで参加したのですが、ここで「SDGs」の概念と本質を知り、雷に打たれたような衝撃を覚えました。

このまま既存のビジネスだけを続けていくのと、新しく社会・環境課題の解決に貢献できるビジネスに取り組むのとでは、この先の自分自身の人生も、ビジネスもまったく違うものになると強く感じ、社会貢献に寄与できるビジネスへの参画を決めました。

楽しみながら自分たちの行動を振り返り、SDGsについて理解を深めるカードゲーム「2030SDGs」(※)

※「2030SDGs」とは
プレイヤーが与えられたお金と時間を使ってプロジェクト活動を行い、最終的にゴールを達成するゲーム。参加者全員でつくりだす「世界の状況」には、各プロジェクトの実施によって「経済」「環境」「社会」の3つのメーターが示されている。プレイヤーは、自分のゴール達成とともに、「世界の状況」も意識しながらゲームを進めることが重要になる。

──具体的に、どんな「衝撃」があったのですか。

佐治 このゲームに参加していた方の中には、ほかのプレイヤーに声をかけて、別チームのプロジェクト達成を手伝ったり、「世界の状況メーター」を意識しながら、経済・環境・社会のバランスがよくなるよう、みんなに声をかけたりしている人がいました。一方、この時の私は、自分が持っているゴールカードを達成することしか考えられなかったにも関わらず、ゴールが達成できなかったんです。「これって、現実の自分の状況とそっくりだな」と気がついて、この先の人生と仕事について、真剣に考え直しました。

──ですが、食品廃棄を減らす「スイーツポケット」や「たべるーぷ」を展開していらっしゃいましたよね。

佐治 たしかに、目の前で困っているお客様をなんとかしたいという思いで、サービスを展開していました。ですが、このゲームに参加して、「自分たちがやることだけに一生懸命になっている」現実に気がついたんです。

ゲームでは、まわりの人たちに「発信」をして世界の状況を改善していたプレイヤーが、結果的に自らの「ゴール」も達成していました。彼らの姿を見て、自分もあちら側にならないと大きな目標は達成できない、と思いました。そこで、もっと周囲への発信力を強化して、SDGsのゴール達成という同じ志を持つ仲間を増やし、食品ロスの課題解決を目指すとともに、人々に喜んでもらえるビジネスをしようと決意し、大きな声で発信し始めました。

「たべるーぷ」でレモンなどの柑橘類を販売されている、
愛媛県今治市の森本さんご夫妻

──SDGsを意識したことで、ビジネスにどんな変化が起きましたか。

佐治 まずは、私自身が大きく変わりました。現実社会でも、ゲーム同様、経済重視のビジネスを行ってきましたが、食品ロスという社会課題の解決を通して、人に喜ばれるビジネスをしていきたいという思いが最優先になりました。

さらに、ビジネスのやり方が変わったことで、周囲の環境が変わりました。「SDGs」という同じ目標があることで、外務省をはじめ、官公庁や大企業とのコラボが実現したり、食品ロス関連のプロジェクトに参画したりするなど、これまで交流がなかった企業や団体と一緒に手を取り合う機会が増えたのがいちばんの驚きです。

また、セミナーや講演会、取材などに声をかけていただくことも増えましたし、こうして講談社さんに取材してもらう日が来るなんて、考えてもみませんでした(笑)。

──SDGsによって、新しいつながりが生まれたということですね。社内的にも変化はありましたか。

佐治 はじめはSDGsへの関心がそれほど高くなかった社員も、まわりの状況が変わるに連れて、SDGsを意識し始めました。というよりも、SDGsを掲げること自体が当社のビジョンとして機能しており、その目標に向かって全員一丸となっているような感覚があります。

私が一人で「日本経済を豊かにしてアジア全体に貢献したい」と夢を語っていた時は、社員ですら話を聞いてくれませんでした。でも「世界が目指しているSDGsのゴール達成に貢献しよう」という目標は、すごく分かりやすいし、社員にも届きやすいと感じています。

フードロス関連事業は、関わるみなさまから「ありがとう」と言っていただくことが多くあります。経済を回していくことは必要ですが、人に感謝される仕事をしていることで、社員のモチベーションは格段に向上しました。今年4月からは、「SDGsに興味関心があり、食品ロスの削減に貢献したい」という熱意を持った新入社員も加わりました。SDGsの輪が、社内外でどんどん広がっているのを実感しています。

──今後の目標や展開を教えてください。

佐治 新型コロナウイルスの影響を受け、日本の飲食店や生産者の方々など、多くの関係者が困難に見舞われました。この状況を今後さらに改善していくためにたべるーぷのサービスをさらに拡充し、さまざまな形で日本の「食」をサポートすることができたらと考えています。

また、日本国内だけでなく、マレーシアを起点として、「たべるーぷ」を海外にも展開していくことで、さらなるフードロスの削減と、生産者支援を目指していきたいと思っています。

SDGsを契機に、人生とビジネスを大きく転換させた佐治さん。発信力を高めたことで、思いに共感する人やパートナーに届けることができました。


SDGsの目標を達成するには、パートナーシップがかかせません。講談社では、『FRaU』や、『FRaU×SDGsプロジェクト』など、SDGs発信のお手伝いができるベースを多数ご用意しています。ご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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