2020.04.23

グッドニュースは広く、深く届く──取り組むだけなく、どう発信するかが重要な「SDGs」

昨今、多くの企業が「SDGs」への取り組みを強化し、その目標達成のために歩みを進めています。しかし「実はあまり伝わっておらず、もったいない状態にある」と、グッドニュースを通じて事業価値を向上させるクリエイティブPRの神谷製作所 代表取締役・神谷準一さんは語ります。では、どうすれば、"正しく"届くのでしょうか?

──SGDsに取り組む企業は増えています。しかし、適切にPRできている企業は少ない印象があります。

神谷 そうですね。SDGsに起因して、昨今「サステナブル」というキーワードがファッションやコスメにも広がり、アメリカを中心に、日本でも「サステナブル=SDGs=カッコいい」というイメージが浸透しつつあります。

そのなかで、企業がSDGsのPRが上手にできていない現状は、顧客・従業員・採用候補者といった重要なステークホルダーとのエンゲージメントを高める機会を、逸してしまっているともいえます。

昨年、日経リサーチが行なった調査でも、SDGsに取り組んでいるイメージのある企業について、82%の消費者が「思いつく企業はない」と回答しています。

出典:20196月 日経リサーチ「SDGsに関する調査(企業の社会とのかかわりに関する調査)

これは昨今、拡大しているESG投資の観点から見ても、大きな「機会損失」であるといえます。さらに外部だけでなく、自社のSDGsの取り組みを、社員すら認識していない、ということも起こっています。

その原因は、CSR報告書やアニュアルレポートにおいて、その取り組みがSDGsとどう関連しているか明示していないケースが多く、社外・社内問わず、説明しきれていないからです。

──取り組んでいるのに伝わらない。どうすれば、自社のSDGsの取り組みを広く届けることができるのでしょうか?

神谷 まずは発信頻度。現状だと多くの企業は、年に1回程度しかSDGsに関する情報を発信していません。これをできれば毎月発信してほしいと思います。なぜなら、イメージの定着には時間がかかるからです。また年に1回では、よっぽどインパクトのある取り組みではない限り、広く届けることは難しいでしょう。

加えて、グッドニュースを連続発信することは、認知を広げるだけでなく、その情報がWeb上にアーカイブされていくため、あとから活動を誰でも簡単に調べることができ、自社事業の価値をアピールする機会を増やすことになります。これはそのまま、企業の信頼にもつながります。つまり、SDGsの取り組みを発信することは、「いいことしかない」のです。だから私はいま、多くの企業に対して、「もったいない」という思いを抱いています。

効果的に届けるために重要になる「クオリティ」

──情報発信をする上では、数だけではなく、当然クオリティも重要になりますよね。

神谷 はい。同時に、メディアが取り上げたくなり、生活者がSNS上などで話題にしたくなる「ニュース性」も大切です。当社ではその対策として、「ニュースマンダラ」という独自メソッドを構築しており、感覚に頼らないコンテンツ設計によって、広く、深く情報が届く仕組みづくりを行っています。

神谷製作所の独自メソッド「ニュースマンダラ」は、
話題になるニュースの要素を分解・分析することで、"届くニュース"を生み出す

現代は、情報の数が多く、生活者に届きづらい時代です。そのなかで自社の取り組みを多くの方に伝えるためには、これまでの買い手、売り手、社会の「三方よし」に、環境や社員、そして新卒採用までを見据えた、さらに広い視点を持つことが重要です。なぜなら、そんな素敵な取り組みであれば、誰もが誰かに話したくなるからです。

そのためには、既存メディアの"編集力"を借りることも有効な選択肢のひとつです。

──編集力という点で、神谷さんが注目しているメディアがあれば、教えてください。

神谷 講談社さんですと、女性向けワンテーママガジン『FRaU』は、全編SDGs特集号を発刊するなど、"いまを生きる女性に、SDGsに関する情報を発信するプロ"という印象を持っています。その視点も優しく、共感しやすい内容になっていることも、非常に魅力的だと感じます。

こうした既存のメディアと連携してグッドニュースを発信することは、2つのメリットがあります。

ひとつは、メディアの知名度によって、社外だけでなく、「社内にも情報がしっかりと届く」という点です。自分の知っているメディアに自社のことが取り上げられることは、社員にとっても大きな喜びであり、愛社精神を育むことにつながります。

ふたつ目は、メディアのプラットフォームと、プロの編集力によって、「届ける力」を最大化することができる点です。質の高い写真とテキストによって構成された記事はわかりやすく、深く届くものです。だから自社で作成したリリースとは、まるで違った印象になる、なんてことも往々にしてあるわけです。

見せ方を変えるだけで、届き方は大きく変わります。メディアの編集力には、それを実現するチカラがありますよね。

──最後に。SDGsは範囲が広く、実態をつかみづらいものです。そのなかで企業は今後、どのように取り組みことが重要だとお考えでしょうか?

神谷 SDGsの情報が届きづらいことの要因のひとつに、「親しみやすい」の要素が抜けているケースがあるように感じます。最近「アップサイクリング」という創造的再利用という概念に注目が集まっていますが、そこには"気軽で親しみやすいSDGs"が詰まっており、これからの取り組みのヒントが隠れているように思います。

たとえば、ある大手フードチェーンでは、食を通じた社会貢献活動を行っています。そこで当社は、原料が入った廃棄袋を活用した、エコバッグの制作を提案しました。完成したエコバッグは、独特の風合いがあり、おしゃれで日常使いもできる。この施策は、社会性があり、時事性があり、何よりも"意外性"がありますよね。そして生活者にとって、エコバッグという「親しみやすい」ツールを媒介にしたことで、伝わりやすい取り組みとなりました。

こうした生活の近い場所から、SDGsは徐々に浸透していき、目標となっている2030年には、より身近に、もっと当たり前にSDGsがそばにある日常が訪れると考えています。それは世界が変わる第一歩でもあります。

未来に向かい、社会に貢献できる企業であり続けるためには、SDGsへの取り組みを続けるとともに、情報を発信し続けることも同じように大切です。そのためのサポートを、当社はこれからも全力でしていきたいと思っています。なぜなら、それ自体が当社にとってのSDGsへの取り組みだからです。

神谷製作所 代表取締役・神谷準一さん

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