2020.04.07

創業から一貫してサステナブルな企業活動を行うジュリーク・ジャパン──SDGs取り組み事例⑨(後編)

オーストラリアのオーガニック認証自社農園「ジュリークファーム」で、無農薬有機農法の植物を育み、化粧品をつくっているジュリーク。栽培・品質管理・製造を一貫しててがけている、オーガニックコスメのパイオニア的存在です。「創業からずっと変わらない」というサステナブルな取り組みと、『FRaU』から生まれた新しい展開についてお聞きしました。

ジュリーク・ジャパン 取締役 マーケティング部長・大内明香さん

──御社は、化粧品ブランドでは珍しい自社農園をお持ちです。自社農園へのこだわりについて、教えてください。

大内 ジュリークでは土づくりから商品づくりまで一貫して取り組んでいるのですが、これは自分たちで土から育てた植物の状態をきちんと見極め、お客様にお届けしたいという思いからです。生命力にあふれた植物を育てるためには、ピュアで肥沃な畑でなければなりません。弊社はオーストラリア・アデレードに自社農園を有していますが、創業者のクライン夫妻がこの場所を選んだのは、植物を栽培するのにふさわしい寒暖差があり、地球上で最もピュアで生命力にあふれた土地だったからだと聞いています。

──御社は、オーガニックやエシカルという概念がまだほとんど知られていなかった1985年の創業から一貫して地球環境への影響を軽減する取り組みを行っているそうですね。

大内 アデレードはスローライフの先進地でもあり、ここに暮らす人はみな、自然とつながることが当たり前だというwell-beingなライフスタイルを維持しています。現代は誰もが忙しく、ストレスを感じていますが、こうした人たちが本来の自分の姿に立ち返るためには、壮大な自然の力を取り入れることが必要だと考えたことから、自然のエネルギーを最大限にお届けできる商品づくりに取り組んできた、というのが弊社の原点です。

──どのような取り組みを行っているか、具体的に教えてください。

大内 自社農園のジュリークファームは、オーガニック認証を受けています。化学合成農薬を一切使わず、全てを自然から生み出し、そして還元するバイオダイナミック無農薬有機農法を実践。これは、土づくりから種植え、収穫まで全てを行い、自然のサイクルと調和した究極のオーガニック農法といわれています。また、溜め池やソーラーパネルを利用して水や電気の節約につとめたり、農薬を使わずに植物を守るために、害虫が嫌う別の植物を傍らに植えたりもしています。

ジュリークローズ(上)と、創業者のウルリケ・クライン夫人(下)

──すべてを手作業でというのは、従業員の負担にならないのですか。

大内 ジュリークの農園で働くファーマーたちは、この仕事に大きな誇りをもっています。「ローズを摘むのが楽しみ」「ローズの成長を見守ることが幸せ」と言い切るくらい自分たちの仕事に誇りを持っているのは、ジュリークの農園でしか育たない「ジュリーク」というローズを育てていることも大きな要因のひとつだと思います。「ジュリークローズ コレクション」の原料にもなっている「ジュリーク」は、ゼロからジュリークが生み出した、世界でここにしか咲かない貴重なローズです。オーストラリアではローズブリダーと呼ばれるローズのプロフェッショナルもいるほど、ローズの栽培や収穫に関われることは権威なのです。

また、ジュリークでは農園で働く人々へのケアの一環として、理学療法士を雇ったり、オールハンドのハンドマッサージトリートメントが受けられるサロンを設けたりしています。

──従業員の安全や健康も守られているのですね。自社農園だけでなく、工場からの廃棄物もほぼゼロだとお聞きしました。

大内 循環型の農園では、植物をまるごと活かす手法で商品をつくっており、2017年に新設した工場では、最新の設備で特別な処理が必要な廃棄物以外を再利用、リサイクル、またはエネルギー転換することで、廃棄物をほぼゼロにしています。

──オーストラリアの本社だけでなく、日本独自の持続可能な取り組みもあるのですか。

大内 はい。ジュリーク・ジャパンでは、限りある資源を未来につなぐために、2020年2月末で紙のショッピングバッグの無償提供を廃止しました。お客様にはマイバッグのご持参を推奨するとともに、再生コットンを使用した、繰り返し使えるエコバッグを3月1日から有償提供しています。ジュリークを愛用してくださっているお客様は美容も社会的関心も高い方が多いので、「ゴミを減らしていく」という企業姿勢を好意的に受け止めてくださる方がほとんどです。

再生コットンのバッグを持つ大内さん

──再生コットンとは、どんなものですか。

大内 これまでゴミとして捨てられていた洋服などの製造工程で生じる生地の切れ端を粉砕してワタ状に戻し、再び紡績をして再生した糸を使った、地球にやさしい生地です。リユース可能な再生コットンのバッグを継続的に使っていただくことで、SDGsの取り組みが広がることを期待しています。これは日本独自の企画ですが、オーストラリアの本社も大変興味を持ってくれています。

──商品だけでなく、購買からもお客様の意識を変えようという発想ですね。

大内 はい。4月22日は地球のことを考えて行動するアースデイなので、4月は店頭でマイバッグ持参を加速させるキャンペーンを進めています。お客様が自分の購買行動から地球環境について考えるきっかけになれたらいいなと思っています。

ジュリーク・ジャパンでは、5月にもマイバッグ持参を加速させるキャンペーンを実施予定

──こうしたいろいろなアイデアは、どこからヒントを得ているのですか。

大内 『FRaU』のSDGsパートナーになったことで、横のつながりができたことも、とても大きいと思います。『FRaU』主催のイベントやトークセッションなども参加させていただいているのですが、毎回大きな気づきと刺激があります。昨年12月には講談社さんで、SDGsの現状とこれからを学ぶ「FRaU×SDGs共創カンファレンス2019→2020」というイベントに参加させていただきました。「SDGsの第一人者」として広くご活躍されている株式会社クレアンの代表取締役・薗田綾子さんの講演や、お集まりになった他社さんの取り組みは大変勉強になったのですが、そこで出会った企業さんとコラボの話が生まれ、いま取り組みを進めているところです。

──『FRaU』をきっかけに、新しいアイデアや取り組みが生まれているのですね。

大内 「SDGs」という共通軸をもとに、『FRaU』さんがハブになって、同じ思想を持つ企業や仲間をつないでくださっている、というイメージです。業界を超えた取り組みで、これからももっとSDGsを広めるきっかけづくりができたらうれしいです。


SDGsに取り組むためには、17番目の「パートナーシップで目標を達成しよう」というゴールを意識することも重要です。さまざまな企業と手を取り合い、目標達成に向けて歩みを進めることで、新たな可能性が生まれるのではないでしょうか。

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