2020.02.21

「メルカリらしさ」を大切に、循環型社会の実現をめざす──SDGs取り組み事例⑦(前編)

地球資源が有効に使われる社会の実現をめざしている株式会社メルカリ。「誰かにとって価値があるものを捨ててしまう現状を変えたい」という創業者の思いが、そのまま企業理念になっています。同社のサステナビリティについて、担当者にお話を聞きました。

株式会社メルカリ ブランドマネジメント マネージャー/ESGプロジェクト リード 田原純香さん

──御社のSDGsへの取り組みについて教えてください。

田原 メルカリのSDGsへの取り組みは、ここ最近の流れを受けてはじまったわけではありません。弊社はもともと、創業者・山田進太郎が、循環型社会の実現をめざして創業した会社です。ですから、創業時からずっとSDGsへの取り組みを、ビジネスとして行っていることになります。

──「ビジネスとしてSDGsを行う」とは、具体的にどういうことですか。

田原 2012年、バックパックを背負い、世界中を回っていた山田は、新興国と呼ばれる国々で、限られた資源で暮らす人々を目の当たりにして衝撃を受けたそうです。そして帰国後、日本で急速に普及しているスマートフォンを見て、「この新たなテクノロジーによって、世界中の個人をつなぎ、簡単にモノの売り買いをすることができたら、資源は有効活用され、人々はもっと豊かになるかもしれない」と思ったそうです。そうした山田の思いから、2013年、メルカリは誕生しました。 メルカリは「フリーマーケット(フリマ)アプリ」ですが、誰かにとって不要なものが、別の誰かにとっては価値のあるものになる社会の実現をめざし、ビジネスを展開しています。  

社長室のメンバーとして、これまでさまざまなプロジェクトに関わってきた田原さん

──2019年にあらためてサステナビリティへの取り組みを発表されました。なぜこのタイミングだったのでしょうか。

田原 メルカリはこれまで、「フリマアプリ」という認識を広げることに注力していて、創業時の山田の思いや、「地球資源を有効に使う」という大義名分に対しては、ほとんど発信してきませんでした。「メルカリは地球環境改善のために創業したエコのための会社です」というメッセージは、押しつけがましい、と考えていたからです。

でも、メルカリ1社だけでできる取り組みは、本当に限られています。SDGsにも「パートナーシップで目標を達成しよう」というゴールがありますが、SDGsの流れが大きくなってきた今こそ、創業時の理念を大きく打ち出し、共感してくれる「仲間」を増やすことで、めざす社会を早期に実現したいという思いが強くなってきたからです。

こうしたなかで、「FRaU」さんともご縁をいただくことができ、情報発信に大きな力をいただいています。SDGs17番目のパートナーシップは、これからの時代に必要不可欠な取り組みだと実感しています。

「FRaU」の店舗限定ノベルティ・メルカリエコパックを手に持つ田原さん

──「ESG推進室」という名前にしたのはなぜですか。

田原 これまでメルカリは、CSR活動としてさまざまな社会的責任に関する施策を行ってきました。欧米などの企業でSDGsやESGを重視した経営を行う企業が増えている中で、今後、よりグローバルなサービスへと成長するためにも、グローバルで通用する基準として「ESG」という考え方を取り入れた経営にシフトしていこうと「ESG推進室」を立ち上げました。

──これまでのCSRとの一番の違いはどんなところですか。

田原 ESG推進室を立ち上げた時に、私たちはまず「メルカリだからこそできること、メルカリだからこそやるべきこと」を考えました。メルカリはご存知の通り、フリマアプリの会社です。ならば、ものの売り買いを通して、資源を循環させていくことが、私たちメルカリだからできるサステナビリティだとあらためて意識しました。

田原さんは「ESG推進室」の立ち上げからプロジェクトに関わっている

──「メルカリらしさ」ですか。

田原 はい。「メルカリらしさ」を追い求めた結果、創業者の山田の原体験や思いを忠実に伝えること、そして、それを限られたリソースのなかで事業を通じて社会的価値として提供していく、という2つのアプローチにたどり着きました。大手企業のような豊富なリソースはないメルカリが、この先もずっと循環型社会の実現にむけて取り組みを続けていくためには、やるべきことを絞ってそこにフォーカスしていくというのが、一番メルカリらしいやり方なのではないかと思っています。

──「楽しい体験」というのも、御社が大事にしておられる特徴だとお聞きしました。

田原 私たちは日常の業務においても「メルカリらしさ」を大事にしていますが、それは「ワクワクするかどうか」や、「お客さまの気持ちになったときに、心躍るようなものになっているかどうか」ということに尽きます。 SDGsも「流行っているから」とか「いいことだからやらなくてはいけない」という思いではじめると続けるのは難しいと思いますが、楽しければ自然と続きます。メルカリがめざしているのは、まさにそこなんです。

──「楽しいSDGs」とは?

田原 たとえば、私たちはSDGsをホラーストーリーで伝えることは絶対にしません。「今やらないと、こんなひどい社会になる」という絶望的な未来ではなく、「これが達成できたらこんな楽しい世界が待っているから、みんなでやろうよ」という未来を描く方が、ワクワクしますよね。メルカリでは、子どもたちへの教育活動も行っていますが、恐怖ばかりを仰ぐことは絶対にしないよう、心がけています。


創業時から「SDGsへの取り組み」をビジネスにしているメルカリ。ポジティブかつ楽しく、環境・社会課題の解決を進めていくことで、その輪はこれからも広がりを見せていくのではないでしょうか。後編では、サステナビリティの具体的な取り組みや今後の目標について語っていただきます。

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