2019.06.28

人と地球に「美」の力で貢献したい コーセーが取り組むSDGs|SDGs・企業取り組み事例レポート①(前編)

2018年12月20日、『FRaU』のSDGs特集号発売日に正式に立ち上がった「FRaU × SDGsプロジェクト」。趣旨に賛同する自治体や企業、団体といったパートナーとともに2030年の目標達成に向けた活動をしていく、従来の「広告主」「媒体」という関係性とは違う新しいパートナーシップの形だ。そのパートナーのひとつであるコーセーは、SDGs以前から積極的に環境貢献に取り組んできた企業。担当者2人に話を聞いた。

(右)株式会社コーセー コンシューマーブランド事業部 C/B企画部 雪肌精企画課 課長 松本英樹(まつもと・ひでき)さん/(左)株式会社コーセー 経営企画部 コーポレートコミュニケーション室 サステナビリティ戦略課 主任 外丸純子(とまる・じゅんこ)さん

きっかけは沖縄のサンゴ礁の危機から

──沖縄の海のサンゴを守る「SAVE the BLUE」プロジェクトを進めていらっしゃいます。この活動に取り組むきっかけは?


「SAVE the BLUE」を始めた2009年、沖縄の海底でサンゴ移植を体験する社員

松本 「SAVE the BLUE」プロジェクトは、絶滅の危機にあるという沖縄のサンゴの育成活動への寄付と啓蒙を目的に、当社の「雪肌精」ブランドの活動として10年前にスタートしました。「雪肌精」は、和漢植物という自然の恵みを配合した化粧品ブランドです。自然の恩恵を享受しながら多くのお客さまと共に育ってきたブランドですので、少しでも自然(地球)への恩返しがしたいという思いで、取り組みを開始いたしました。

外丸 「SAVE the BLUE」の取り組みは、「雪肌精」の「地球への恩返し」の発想からのスタートでしたが、その根底には「美しい知恵 人へ、地球へ。」という、1991年から掲げてきた「企業メッセージ」の精神が、社員の心にも浸透していた地盤があったと思います。「雪肌精」は1985年からのロングセラーブランドでもあり、こうした取り組みは、企業として責任を持って続けていかなければいけない活動だという、社長をはじめとする社内の思いから、長く続くCSR活動へつながっていきました。


CSR委員会の立ち上げ時からかかわっているという外丸さん

──「SAVE the BLUE」プロジェクトでは、具体的にどのようなことを行っているのですか?

松本 「SAVE the BLUE」という名前には、美しい地球を次世代につなげたいという願いが込められています。沖縄の美しいサンゴの海を取り戻したいという強い想いをもって取り組まれている金城浩二さんの活動に感銘を受けて支援を決め、2009年に943本のサンゴを沖縄の海底に植えていただきました。そこから10年にわたり、累計1万6000株のサンゴを植え、2012年からは全国のコーセー美容スタッフを対象にした「サンゴ留学」も行っています。

──「サンゴ留学」とはどのような活動でしょうか?

松本 金城さんが手がけるサンゴの養殖場「さんご畑」を訪れ、株分けを手伝うことでサンゴの生態を学びます。自分たちが株分けを行ったサンゴの苗が沖縄の海に育ち広がることで、環境貢献を実感できるプログラムです。留学中は海岸の清掃活動をスポーツとしてチームで競って楽しむ、金城さん発案の「クリーンピック」も開催し、スタッフの環境活動への理解を深め、環境意識を広げることにつなげています。


サンゴの株分け体験で環境貢献を実感する様々な国のコーセースタッフ

松本 「サンゴ留学」には海外の社員や流通やメディアの方々をお招きすることもあります。自然に恩返ししているということを実際に体感いただく事で、活動の輪を広げていけたらと願っています。


様々な国から沖縄のサンゴ留学に参加

「SAVE the BLUE」からSDGsへ

──SDGsへの貢献はどのように意識されていますか?

松本 「SAVE the BLUE」プロジェクトを通じて、おもに「14 海の豊かさを守ろう」への貢献に努めています。温暖化の原因となる二酸化炭素を吸収し、海の生物の4分の1が暮らしていると言われるサンゴ礁の保全活動に協力していますが、豊かな自然があるからこそ「雪肌精」は存続できていると考えています。


「雪肌精」ブランド担当の松本さんはSDGsにも取り組む

──今後特に注力すべき課題と、寄与することが可能と考える「SDGs」の目標は。

松本 2018年度からは、本プロジェクトを「青い地球を守る活動」へと進化させて「15 陸の豊かさも守ろう」への貢献もめざしています。新たに東北地方に植林する活動を開始し、豊かな生態系をもつ里山を維持管理することで自然環境を良好な状態に保ち、それにより川とつながっている海の環境の保全もめざしていけたらと考えています。

──2017年7月に国連グローバル・コンパクトに署名し、SDGsの取り組み課題を整理されました。

外丸 「SAVE the BLUE」 に限らず、化粧品そのものが、SDGsへ貢献できることという意味では、「化粧品」には、人の心や感性に訴えかける力があると思います。例えば、お客さまがお手入れでリラックスする時間を持てたり、きれいになることで自信や勇気を得て、社会でもっと活躍することを支援していけたらと考えています。「3 すべての人に健康と福祉を」「5 ジェンダー平等を実現しよう」を重点テーマに掲げています。
また、環境やサプライチェーンへの対応としては、SAVE the BLUEの活動を含めて、「12 つくる責任つかう責任」「14 海の豊かさを守ろう」「15 陸の豊かさも守ろう」を重点項目として掲げています。
企業メッセージであり、活動指針でもある「美しい知恵 人へ、地球へ。」の言葉のとおり、化粧品を通じて、人や地球を「美」の力で明るく元気にするお手伝いができたらと考えています。

外丸 「SAVE the BLUE」プロジェクトは沖縄の青い海を守る活動を10年間続けてきました。10年の間には高水温に耐性を持ったスーパーサンゴの誕生という奇跡も起こり、沖縄の海では新たなサンゴの生命が誕生し続けています。活動の幅を広げたのは、「青い地球を守るプロジェクト」としてますます進化させていこうという思いからです。豊かな森の近くの海にはたくさんの魚がいると言われています。豊かな森を育み、美しい海を守る。未来の美しい自然のために、これからも活動を続けていければと思っています。

「雪肌精」という一つのブランドを通して10年以上も続く「SAVE the BLUE」プロジェクトや、企業としてのSDGs活動は、今後どのような展開を考えているのか? 次回は、取り組む2人にこれからのビジョンや目標について語っていただく。

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