高い広告宣伝効果を獲得するため有効な手段として、「動画マーケティング」の活用がこれまで以上に注目されています。動画マーケティングを実施し、成功に導くためのプランニングの心得は何か、そして実際に動画コンテンツを制作するためにどのようなポイント押さえればいいのかを考えます。
※この記事は2019年に掲載された複数の記事に追加・再編集を行ったものです
- ■動画マーケティングを成功させるプランニング
- なぜ動画マーケティングが重要なのか
- 動画マーケティングではコンテンツの品質こそ命
- 明確な目的のもと、動画マーケティングを組み立てる
- どう進めればいい? 動画プランニングのコツ
- 動画マーケティングで意識すべき「ファネル」
- KGIとKPIは区別して理解し、意識する
- ■動画マーケティングを成功させるコンテンツ制作
- コンテンツ制作ではまず仕上がりをイメージしよう
- 制作に必要な準備と予算
- FORZA STYLE スタッフに聞く、動画制作のポイントと事例
- 動画を公開するプラットフォームと動画の内容
- 効果測定と改善こそが成功のカギ
なぜ動画マーケティングが重要なのか
スマートフォンを中心とする視聴デバイスが広く普及したこと、通信環境が整備されたことなど、ユーザー側の環境整備によって動画マーケティングの重要性が高まったことは疑いのないところです。
いっぽう企業や団体など広告を提供する側でも、さまざまなサービスやツールによって動画制作にかかるコストや手間が格段に抑えられるようになりました。大企業はもちろん、小さな企業や小規模事業でもためらうことなくチャレンジできるようになりました。
オンラインで動画コンテンツに触れることは、今や日常生活の一部。ネットならではのターゲティング機能やSNSの拡がりで、リーチが難しかった層にもアプローチできる環境が整い、動画マーケティングの活況は今後も続くと考えられます。
そして動画コンテンツの強みは、バナー広告などの静止コンテンツに比べ、はるかに多くの情報量を、より分かりやすくダイレクトに、印象深く届けられる点にあります。表現手法も多彩に考えられ、内容次第できわめて高い費用対効果を得ることができるでしょう。
動画マーケティングではコンテンツの品質こそ命
大きな可能性とメリットをもつ動画マーケティングは、いまや多くの企業や団体のテーマとなりました。言い換えればこれといった特徴のない動画マーケティング施策は他の多くの中に埋もれてしまい、十分な成果を得ることができなくなりました。バズを生み、高い宣伝効果を獲得するには、綿密な計画と質の高い動画制作、そして適確な運用が不可欠です。
その中でも最も重要なのが「動画の品質」です。以前はSEO対策による検索需要の獲得が重視されましたが、SNSによる拡散が進んだ今日では、動画そのものの質がまず問われる時代となりました。優れた動画を制作することには誰もが重点を置いているはず、という声もあがりそうです。しかし、効果指標やこちらから伝えたい内容を網羅することばかりとらわれ、コンテンツそのものの質を高められないケースは少なくありません。コンテンツの質を常に意識することは、動画マーケティングを進めるうえでとても大切と言えるでしょう。
明確な目的のもと、動画マーケティングを組み立てる
ここでいう「質の高い動画コンテンツ」とは、「斬新なアイデアやアート面において突出していて、目を見張るような出来ばえの動画」を指しているわけではありません。コンテンツはあくまで達成したい目的のためにあるものですから、目的に大きく寄与するのが質の高い動画コンテンツということになります。
そのためには、まずなぜ動画を見てもらいたいのか、最終的に何を目的としているのかを明確にしておくことが大切です。そのうえで、目的を達成するための方向性を見定め、プランニングを進めます。
例えば若い女性へ新しい商品をアピールし、売り上げアップを達成したいなら、彼女らの話題となるような情報を拡散して、まずその存在を認知してもらうことが必要です。そのためにターゲットの間で注目されそうな動画、バズりそうな動画を作って投下します。そのうえで、実際の売り場へと誘導する施策を機能させます。
このような一連の流れが、有効な動画マーケティングでとるべき施策です。目的やターゲット、引き出したい行動などを、できる限り明確で具体的なものとするところから、プランニングを始めましょう。
どう進めればいい? 動画マーケティングのプランニング
目的と方向性が定まったら、具体的に動画マーケティングをプランニングしていきます。ここでは「TEFCAS」と呼ばれる概念が役立ちます。
「TEFCAS」は、目標実現のためのプロセス実行にかかる計画管理サイクルの理想型として知られる実践的思考法です。その内容は、「Trials(数多くの試行)」、「Events(実行、観察)」、「Feedback(フィードバック、反応)」、「Check(信頼性・信憑性の確認、点検)」、「Adjust(調整)」、「Success(成功)」の6つから成り、それぞれの頭文字で「TEFCAS」となっています。
動画マーケティングの実践にこの「TEFCAS」当てはめて考えてみます。
サイクル上ではまず「Success」から入り、目標の設定を行います。先述の目的と方向性に重ね合わせ、その動画コンテンツを視聴した人にどう感じてほしいか、どう行動してほしいか考えましょう。
次に「Trials」で小さなトライアルを重ねます。思いついたことはまず試しにやってみるスピード感が重要です。そして「Events」でTrialの結果を観察します。
さらに「Feedback」で反応を確認し、「Check」でその理由を分析。どこに問題があり、改善点が見出せるか、どうすればさらに目標に近づけるか、あらためて考えます。そして「Adjust」で必要な調整を施すことで「Success」が達成されるのです。
マーケティング成功へのアプローチとしては、PDCAサイクルも有名ですが、TEFCASはよりスピーディに動くこと、常に実践的に動きながら考えることを重視した姿勢になっています。変化の早い現代の流れに沿い、ホットなタイミングを逃さないで"バズる"動画を目指すなら、TEFCASの方がより向いているでしょう。PDCAサイクルは古典的な基礎基本として押さえ、TEFCASでプランニングを行っていくことをお勧めします。
参考のために、具体化した例を挙げておきますのでご覧ください。
Success
若い女性にコスメ製品の名称と効能を認知させ、強い関心を持たせたい
Trials
A案:コスメ製品の名称も効能もパッケージも見せず製品探しを進行するミステリー仕立ての動画
B案:コスメ製品の名称や効能を連呼しながら進行するコメディ仕立ての動画
など数案の動画ストーリーを作成する
Events/Feedback
絵コンテを見せて「製品について知りたくなるか」「売り場に行ってみたいと思うか」などを聞く調査を実施し、回答を得る
Check
回答を分析し「ミステリー仕立ての動画A案が面白くて製品への興味が湧くが、何もわからないため、見たあとどう行動していいかわからない」という傾向を抽出する
Adjust
製品の効能だけを明らかにし、そこから製品名とパッケージを探していくストーリーに変更する
動画マーケティングで意識すべき「ファネル」
動画マーケティングのプランニングでは、流れや作成するコンテンツのタイプを見定めるため、「ファネル」の意識も重要なものになります。
「ファネル(funnel)」とは「じょうご」を意味する言葉です。広告に接する対象が、その商品やサービスを知ってから、実際に購入や契約をするまで次第に行動が絞られていくさまをじょうごの形状にたとえ、構造的に考える手法を表しています。また消費行動におけるそれを「パーチェスファネル」と呼んでいます。
ファネルのトップ、幅広い層へのファーストコンタクトの機会として動画を展開するなら、誰もが思わず目をとめるようなインパクトのあるクリエイティブで、商品やブランドの認知をしてもらうことを目指します。とくにターゲットとしたい層の関心ポイントなどをよく研究し、分かりやすく目を引くコンテンツを、YouTubeやSNSなどを活用して広げるのが王道になります。
次のステージにある、ファーストコンタクトで興味をもった対象を潜在顧客としてとらえ、より深く引き込むならば、丁寧な説明動画やストーリー性のあるコンテンツの制作が有効です。伝えたい世界観やメッセージ、商品背景などを訴求したり、具体的なサービスの活用シーンなどを提示したりして、興味関心を高めてもらいましょう。
さらに進んだ購入検討段階の見込み顧客向けには、より詳細な情報としてデモンストレーション動画などを用意するのがお勧めです。類似商品やサービスとの比較検討も行われやすいので、有識者コメントや実際のユーザーによるリアルな利用体験コメントを動画コンテンツにするのも、説得力が増すという意味合いで有用です。
最後に、すでに購入実績のある顧客ステージでは、リピーターやファンになってもらうことが理想となります。関係を深めて維持するのに有効な情報として、たとえばさらなる便利な使い方をアドバイスしたり、メンテナンス方法を案内したりといった「ハウツー動画」や、限定のキャンペーン動画などが考えられます。SNSやサイト、メルマガなどを通じて告知し、優良顧客への育成を図ります。
KGIとKPIは区別して理解し、意識する
目標へと確実に進めるため、プランニングの時点から、検証に用いる効果指標を設定しておくことも大切な作業です。ここで大切になるのがKPIやKGIの設定とその意識です。
「KPI」とは「Key Performance Indicator」の略で、重要業績評価指標などと訳されます。これに対し「KGI」は「Key Goal Indicator」で、重要目標達成指標とされます。「売り上げアップ」など最終目標にあたるのがKGIで、それを達成するために満たしていくべき計測可能な指標がKPIです。それぞれを区別して理解し、適切に連動させて設定します。
KGIは曖昧なものではなく、「売り上げ20%アップ」や「客単価の1,000円アップ」、「リピート率の15%アップ」など、具体的かつ明確なものとして掲げるようにします。そして、いつまでに達成したいのか、3カ月後か、半年後か、それとも1年後か、時期もきちんと設定しておきます。KPIはその目標達成過程として、動画コンテンツが満たしていくべき視聴再生回数や共有数、いいねの数などで設定します。
コンテンツ制作ではまず仕上がりをイメージしよう
次にいよいよコンテンツ制作の話題に入ります。
実際に動画の制作に入るには、人材をはじめとしたリソースを確保し、制作環境の準備を行わなければなりません。そのためにまずしておきたいのが、「どのような企画を、どのくらいの品質感を想定して制作するか」をあらかじめイメージしておくことです。「よく練りあげたシナリオで、映像も高品質なものを」と「完成度よりもリアルさや手作り感があるものを」では、準備のしかたも変わってくるからです。
通常ひとつの動画を仕上げるためには、全体を統括するディレクター、脚本、編集、音響、照明、撮影、グラフィックやアニメーションなどの素材制作、演者といったさまざまな役割を担うスタッフが関わることとなります。しかし「手作り感があって、親しみやすい動画を作りたい」のならば、上のようなフルスタッフまでは必要ないかもしれません。
まずは動画の仕上がり感をイメージし、さらに前回解説したKGIやKPIの意識を機能させましょう。「プロジェクト全体としてかけられる手間とコストは?」「求められる仕上がりを満たすためには社内の人材で足りるのか、それとも外部スタッフの起用が必要か?」などを考えることによって、どのような準備をすればいいのかが見えてくるでしょう。
社内だけではリソースが足りないと判断した場合は、動画制作をサポートするツールを利用したり、クラウドソーシングなどで補うことを考えます。
「制作内容のレベルを考えると、すべてを外注したほうがいい」と結論づけることもあるでしょう。その場合は、これはと感じた制作会社2〜3社をピックアップし、見積もりと提案を受けましょう。このときプランニング段階で明確にした内容をしっかりと伝えておくことをお忘れなく。あまりに多くの会社に声をかけすぎると、多数の提案によって判断がぐらついたり収拾がつかなくなりますので、おすすめしません。
制作に必要な準備と予算
社内で制作を進める場合、撮影機材やスタジオ、ロケ場所などの準備をしなければなりませんが、必ずしも大げさに考える必要はありません。最も簡単な方法としては、スマートフォンや民生用のビデオカメラを用い、社内の会議室などのスペースを利用するなどが考えられます。「アイデアや手作り感で勝負し、低予算で進めたい」「リスクを最小限にするため小規模で実践してみたい」という場合には、このような手法もよいでしょう。
また小規模制作の場合は、動画制作をサポートするアプリの活用も検討しましょう。撮影効果、あるいは音響効果を加えるなど多種多様なアプリがあり、これらを活用すると想像以上に充実したコンテンツに仕上げられるケースもあります。大きなコストがかかって当然、というイメージがあって動画制作を遠ざけているのならば、ぜひこのようなサービスを体感してみてください。
よりクオリティを求めるならば、ビデオカメラと三脚、対応する編集ソフトは最低限用意しましょう。いきなりプロ用の機材を求める必要はありませんが、高品質な機材による仕上がりはやはりひと味もふた味も違います。一方、編集ソフトは無料のものから1、2万円程度のもので十分使えます。
その他、必要に応じてマイクや照明、音声・画像素材集、アクセサリー類をそろえていけば、動画をシリーズ展開させたり、新たな動画マーケティングを企画したりする際にも活用できます。予算の範囲内で検討してみてください。
撮影場所として社内にスペースが確保できない場合やスタジオを借りる場合、ロケを行う場合などでは、その場所の使用料金や移動交通費、スタッフの軽飲食代なども必要経費としてかかってきます。撮影場所が公共性のあるところならば、問い合わせて事前に許可をとるといった手続きも忘れてはなりません。人件費や機材経費などと合わせ、かかる費用と作業をもれなく計画に含めておきましょう。
外注する場合には、これらの段取りはすべて制作会社が行ってくれますが、決して"丸投げ"にしてはいけません。十分なコミュニケーションを取り、希望通りの準備が進められているかを確認していくことが大切になります。
FORZA STYLE スタッフに聞く、動画制作のポイントと事例
実際の動画制作の手法は作りたい動画によって千差万別ですが、今回は講談社で動画制作に積極的に取り組んでいるWEBメディア「FORZA STYLE」のスタッフに動画制作のポイントを聞いてみました。
―まず、動画制作の際の考え方や体制について教えてください
FORZA STYLEでは、動画制作を行ううえで「自分たちでなければ出せない面白さ」を生むことを重視しています。この動画では「面白さ」のポイントをどこに置くのか、そのためにどのような表現をしていくか、すべてのスタッフが案を出し合います。そうすることでお互いが気づけない点を補い合い、質の高い面白さをもつコンテンツを完成させていくいことができます。メンバーは約10名で、出演者以外の役割はディレクター、カメラマン、インタビュアー、編集などです。
―動画制作の代表的なプロセスは、どのようなものでしょうか
それではインタビュー動画を制作する際のプロセスを紹介します。
企画書にもとづいて事前に打ち合わせを行いますが、そこでタイトルを決め、コンテを描き、おおよその再生時間を決めておきます。そして実際のインタビュー前には、カメラマンに対して事前に撮って欲しいシーンや、アングルなどを共有します。
撮影当日は基本的にこれらの書面に沿って制作していきますが、すべて書面通りに進めるよりも現場を重視したほうがいいこともあります。現場の雰囲気を感じ取りながら、時には臨機応変に撮影していきます。もちろんその際にも、常に頭の中で編集を意識しています。
―FORZA STYLEが考える、動画の制作で一番重要なことは何でしょうか
動画を制作する上でいちばん心がけていることは、「冒頭の10秒の大切にする」ことです。多くの視聴者は10秒程度動画を視聴し、面白いか面白くないかを判断しています。この10秒間で、面白さや商品への興味を感じてもらうことが重要です。
ですので、企画会議ではいつもさわりの部分をどうするかで議論が白熱します。ありきたりな商品紹介では視聴者が逃げてしまいますので、他にはない強烈な印象を与えることを考えています。例えば「気絶するほど辛いラーメンである」とか「支持率ダントツNO1の商品である」など、惹きがある特徴を冒頭でぶつけます。こういった特徴が出せない場合には、視聴者の興味が薄くなり、視聴数が増えていく可能性は低いです。
―動画マーケティングを成功させるために、制作後にすべきはありますか
動画マーケティングは配信を開始して終わりではなく、むしろそこからが勝負ともいえます。FORZA STYLEは面白さを狙っていますが、一発面白いところを見せておしまい、ではありません。配信後は効果測定を重ね、編集で調整していくなどの改善を図っています。
動画を公開するプラットフォームと動画の内容
FORZA STYLE動画スタッフによる制作のポイント解説、いかがでしたでしょうか。
次は、このようにして作り上げた動画をどこで公開するかです。
自社サイトやオウンドメディアなど自社をのぞけば、一般的には
YouTube
Twitter
Instagram
Facebook
などが候補になるでしょう。
そして、プラットフォームにはそれぞれの特徴があり、どこも同じ動画を公開すればよいわけではありません。
長さや内容など、それぞれに最適な動画を公開することで成果が期待できます。
ここではHubSpotのWEBサイトで調査結果が公開されている「SNSごとの理想的な動画の長さ」のデータをチェックしながら、ひとつひとつについて簡単に解説します。
<参考記事>
How Long Should Your Videos Be? Ideal Lengths for Facebook, Instagram, Twitter, and YouTube
HubSpotの調査と考察ではTwitterで人気を博している動画は平均43秒であり、45秒程度の動画が理想であるとしています。Twitterで投稿できる文章は140字以内と限られており、ユーザーは短い単位で情報がアップデートされていくことに慣れているからです。Twitterでは動画も短めに、また前半にポイントを置いて編集し、Twitterの最大の特長である拡散効果を狙うべきでしょう。
FORZA STYLEで大切にしている「冒頭の惹き」が最も必要とされそうなのがInstagramです。
Instagramにおいて、多くのコメントを得た動画の長さは平均26秒と紹介されています。Instagramはそのコンセプトからも、そのUIからも、ユーザーはフィードをどんどんスクロールして閲覧するように作られています。そしてユーザーは直感的に目にとまったものを視聴します。
したがって、Instagramでは長かったり説明的であったりする動画は不向きです。さきほどのインタビューにあるように冒頭の10秒で引き込み、そして理解よりもユーザーの感性に訴える動画を作ることで反響を得たいところです。
ご存じの通り、交友や共通の趣味などのコミュニティを形成するのがFacebookです。Facebookページ上の動画では、1分くらいの動画が最も「いいね!」やシェアなどのエンゲージメントが高い、と解説されています。
これまでのSNSと同じくあまり長い動画は見てもらいにくいようですが、それでも他よりは長くても許される傾向があります。逆にいえば、ある程度はコンテンツの深さ重視の傾向があると考えていいでしょう。内容に理解・共感してもらい拡散を促す、という流れにできれば理想的です。
YouTube
YouTube上の動画で最もエンゲージメントが高いのは、2分程度の長さの動画であるとされています。お気に入りのユーチューバー動画の視聴に代表されるように、YouTubeでは自分の好きな動画を探してゆっくり見る、という視聴スタイルが定着しています。
他のSNSプラットフォームと異なり、長さや冒頭のアテンションにばかりこだわらずとも、全体として内容が濃い動画をめざして配信することができます。まずはYouTubeの動画を標準とし、他のプラットフォームではそれを最適化して編集した動画を公開する方法もよいでしょう。
効果測定と改善こそが成功のカギ
最後に、FORZA STYLEスタッフからも言及のあった「効果測定と改善」について解説します。
動画の効果は測定しにくいともいわれてきましたが、今日ではさまざまな評価指標が見出されています。それをもとにしっかりと検証を行いましょう。
動画コンテンツの指標としては、何回クリック・再生されたかを示す「再生回数」、画面表示回数の「インプレッション」、何人の人が視聴したかを表す「ユニーク再生数」、また「再生1回あたりの平均視聴時間」や「1人あたりの平均視聴時間」、再生数をPV数で割った「視聴率」、再生時間を動画全体の時間で割った「再生率」、「再生完了率」、「瞬間視聴率」、「瞬間離脱率」、「参照キーワード」、動画経由のCV数をサイト全体のCV数で割った「コンバージョン貢献数(率)」などたくさんあり、どこを見ればよいか迷うかもしれません。そんな時は、改善のための指標であることを考え、「どの指標が予想したより思わしくなく感じられるか」という視点でまず見るとよいでしょう。
また目標の達成度をみるには、売上げ額や会員登録数、問い合わせ数などが指標となるでしょう。
動画コンテンツに関する評価指標は、Googleアナリティクスをはじめとする無料の解析ツールでチェックできます。またYouTubeならばYouTubeアナリティクスといったように、各プラットフォームの提供するツールからもデータを取得することができるようになっています。
動画配信プラットフォームを使った場合は高度な分析機能が付くことが多いですし、さらには有償でAdobeアナリティクスといったツールもあります。ただ経験が浅い場合は、まずは基本的なツールで試してみるのがよいと思います。
どんなによく練られた計画でも、実際には予想と異なる反応や結果が生まれているはずです。それを的確にとらえ、確実にTEFCASやPDCAのサイクルを回し続けることこそ、動画マーケティング最大のポイントといえるでしょう。