2020.09.11

36年前の9月刊行からついに100刷! 担当編集が語る『AKIRA』が読み続けられる理由

今年2月には、「東京五輪の延期も予言していた?」と話題となり、増刷ペースがさらに加速する『AKIRA』。名作は色褪せません!

アニメ版では「開催まであと147日」となっていたこのコマ。
実際の147日前となった2月28日、「#中止だ中止」がTwitterのトレンド1位に。

1984年に発売された『AKIRA』の第1巻が、9月出来の増刷で100刷となります。漫画の単行本が100刷に到達するのは、講談社史上初のことです。

凝った造本で製造費のかかる単行本が、長らく定価据え置きのまま、同じ仕様でずっと増刷され続けてきたのは、驚異です。ただ100回も増刷していると、いくつか問題も生じます。一つは製版フィルムの劣化。60刷を超えたあたりから、版が荒れだしたため、製版フィルムを高解像度でスキャンしてデータ化しました。もう一つは、カバーの色の変化です。前の刷り色に色味を合わせていたのですが、わずかな色の違いが、増刷を重ねるごとに大きな変化になってしまい、70〜80刷の頃には、ニセモノのような装丁になっていました。3~4年前に発売当時の色に戻しています。さらに本文用紙が生産中止になったのですが、これはどうしようもなく100刷から変更しました。

なぜ『AKIRA』は、これほど時代を超えて読み続けられるのか? それは大友克洋さんが徹底して「読み手」と「普遍性」を意識されているからです。「漫画なんて、所詮娯楽なんですよ。パラパラ読んでおもしろいと思ってもらえないとダメなんです」とおっしゃいます。映画的なコマ割りや写実的でシャープな筆致に目が行きがちですが、大友さんは普遍的なおもしろさを人に伝えることを第一に漫画をつくられています。ただ才能が型からはみ出ちゃって革新的な表現になっちゃうんですけどね。

大友さんに100刷到達をお伝えしたら喜ばれていましたが、初代担当の大先輩、故・由利耕一さんにも報告しておきます。



AKIRA(1) 著:大友 克洋

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※弊社広報誌「News Clip」Vol.321よりの転載です。ヤングマガジン編集部の担当がまとめました。