2020.08.20

今のコロナ禍を"予言"していたと話題に。衝撃作『リウーを待ちながら』の制作秘話

アウトブレイク発生から緊急事態宣言へ、まるで今の状況を予測するかのように
2017年に描かれた『リウーを待ちながら』。担当編集者が見た作者の姿とは。

『リウーを待ちながら』は感染症のアウトブレイクを描いた作品です。「封鎖された街で住民はバタバタと死に、差別やSNS上でのデマに晒され、自警団のような輩も発生」といった内容が、今のコロナ禍と重ね合わせて読まれるようになり、版を重ねています。3年前に描かれていることから" 予言"などと言う人もいます。しかし、" 予言"的なアイディアは結構ポンポン出てきたと記憶しています。むしろ大変だったのはそのアイディアを活かすための調べ物・検証作業でした。

ここでちょっと、ベンチプレスを想像してもらっていいですか。ウエイトを一気にガッと押し上げ、丁寧にゆっくり(4~5秒かけて)胸まで下ろす。これで1セット。一気に押し上げるのが『アイディアのひらめき』、ゆっくり下ろすのが『調べ物・検証』。押し上げるのは達成感があり(〇㎏上がった!)楽しくもある。けれどゆっくり下ろすのはツラいばかりで楽しくないので往々にしてサボりがちになる。

作者の朱戸アオさんはこの『ゆっくり下ろす』をまったく苦にしないヒトです。

「緊急事態宣言を出す際の手続きは?」「組織としての自衛隊に出来ること・出来ないことは?」「ペスト菌が多剤耐性を獲得するのはどんなときか?」丁寧に調べてゆっくり落とし込む。そりゃあイイ筋肉(作品)できますって! 

全3巻と短めの作品ではありますが、キツイ所もままあるので、元気な時に読まれることをお勧めします。きっと気づいていただけるはず、「カミュが細部に宿ってる」ことに。


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※弊社広報誌「News Clip」Vol.320よりの転載です。イブニング編集チームの担当がまとめました。